『ありがち日記』

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「ルーム」

2016-05-31 | 映画

本日2本目は「ルーム」。
主演のブリー・ラーソンさんがアカデミー賞主演女優賞を受賞されたこともあり、
地元で公開されたら絶対観に行こうと決めていたのですが、なかなか公開されない(;_;)
やっと、観ることができました。

あまり情報を入れないようにしていたので、
生まれてからずっと狭い部屋で育った子どもが外に出る話、くらいの情報で、
ブリー・ラーソンさんは母親役だろうけど、なぜ部屋にいるのか?は分かりませんでした。

観てみると、なぜ部屋にいたかという理由に驚き。
少女を誘拐し7年も監禁した犯人、その少女の子どもまで産ませていました。
そしてその子が5歳の誕生日を迎えるところからストーリーが始まり、
その子の目を通してストーリーが進んでいきます。

部屋には生活に必要なものは揃っており、足りないものや食料は、
犯人の男性が定期的に運んでくるということになっています。
時々、夜になるとその犯人男性が部屋にやってきて母親をレイプ、
少年は起きていて、クローゼットの中から男性の姿を見ています。
よく考えると、ゾッとする設定。

天井に小さなスカイライト(天窓)が付いているだけで、
部屋の中だけが彼の世界。外とか内とかそういう概念がそもそもない。
母親は極限状態の中だと思うのだけど、ちゃんと子どもを守る母親でした。

しかし、その生活も終わりを迎えることとなります。
少年の脱出劇は、もうヒヤヒヤもの。
失敗だって大いにあり得るのに、よくぞ実行に移したと思います。

そして、少年は無事に保護され、母親も救出され、一件落着…
のはずが、大きな問題はここからということが分かります。

たぶん、こういう事件そのものがクローズアップされた作品は数多くあれど、
監禁されていた人たちがその後どういう風に社会に復帰していくのか、
これほどしっかり見つめて扱った作品はなかったんじゃないだろうか?
最初は触れるもの見るもの全てが未知のもので、母親としか話せなかった少年。
しかし子どもの順応力は大人より高いのですね。
母親の方が精神的に病んでしまい、それを見守る少年という構図に。

パパラッチ(マスコミ)や、野次馬的で無神経な住民たちに、イライラしました。
テレビ出演時のインタビュアーの質問があまりに残酷でした。
どれだけ母親を追い詰めているかに思い至らないというか、
センセーショナルな話題で視聴率ばかりを追い求めるマスコミはうんざり。

最後は、これまでの時間を取り戻すことができるスタートに立ったという風に見えましたが、
やはり失った7年は大きすぎますね…
母親のお父さん(少年にとってはおじいちゃん)が、
少年の顔を見ることができないと言ったことが、心に残ってしまいました。
可愛い娘の子ども、孫なのに、犯人の子どもでもあるんですから。
その後、どうなるのかが気になります。

子役のジェイコブくんは、本当に素晴らしいですねー。
初めて外の世界に出た時の演技が特に。
声も可愛いので、髪が長いと女の子のようでした。

なかなかの衝撃作で、頭の処理もままならないままなのですが、
自分の中になかったものに気付けたと思います。 

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