『ありがち日記』

オタクな日々をコツコツ更新中。

平岡陽明『イシマル書房 編集部』

2020-10-04 | BOOK
ラストまで夢中になって読んでしまいました。胸が熱くなる本。

ストーリー:
満島絢子は念願かなって神保町の小さな出版社にインターンとして採用された。しかし、当のイシマル書房は親会社から「半年で経営が改善されなければ他社に株を売却する」と最後通告を受ける――会社存続の危機に、石丸社長を中心に、理由あり作家、引退していた編集者、活版職人で絢子の祖父、元ヤンキーの営業マン、全国の書店員……など「小説」を愛する人々が立ち上がった。果たして起死回生のベストセラー小説は生まれるのか? 書き下ろし長篇。 

会社存続の危機に、登場人物たちがそれぞれ自分の強みを活かしながら、同じ目標のために力を合わせる。ある意味こういう小説にはありがちな展開ですが、読後感はとても爽やか!文章も読みやすくて、どんどん読み進められます。初めての作家さんですが、機会があれば他の本も読んでみたいかも。

本が好きな方は本を作る過程や編集部の様子には興味あるところだと思いますが、本を売ることの難しさも同時に知ることになりました…特に今の時代は読書習慣も多様化し、紙の本がかつてよりも売れない時代ですよね。私は紙の手触りとか匂いとかが好きなので紙で読む派。でも、コミックとか巻数が多くて置き場に困るようなものはデジタルで。この本の中には活版印刷のことも出てくるんですが、逆にそれが珍しく感じてしまう時代。
さらに資金集めの方法としてクラウドファンディングが登場。その辺りも今風だな~って思いながら読んでいました。

キャラの一人ひとりも魅力的なので、映像化しても映えそう。イシマル書房の親会社社員の小暮とか「うわぁ…こういう(ウザい)やついるわ…」って言うところも含め、配役とか考えるの楽しそう。

少しご都合主義?な展開が気になるという方もいるかもしれませんが、(本の中から引用して…)根も葉もある嘘で作品に生命を吹き込み読者の心を揺さぶるのが小説ならば、これはそういう作品だと思うのですよ。私はぜひ「小説 古事記」全部読んでみたいけどね。古事記に微妙にハマっている身として。それと、私もアプリ登録しているけれど読書メーターが出てくるのも良かった!こういう風に小説の中で使われているの初めて見たなぁ。

読書の秋は続きます♪
コメント
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