バタフライ・エフェクト

監督 エリック・ブレス、Ｊ・マッキー・グルーバー
キャスト アシュトン・カッチャー、メローラ・ウォルターズ、エイミー・スマート、エルデン・ヘンソン、ウィリアム・リー・スコット、ジェシー・ジェームズ、キャメロン・ブライト
2004年　アメリカ
ジャンル　サスペンス、ミステリー

【あらすじ】
時折、記憶を喪失する少年だったエヴァン。成長してからはその症状も無くなったのだが、ある日、その治療のために小さい頃から書いていた日記を読むと過去に戻れる能力がある事を知る。自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまった事を悔やみ、過去に戻り運命を変える事を決意する。しかし、過去に戻り、選択肢を変えることにより新たに始まる人生は、ことごとく、彼を含め彼の愛する人の誰かが、幸せではなかった。エヴァンは、自分とその周りの人々が、全員幸せになる人生を求め、戻るべき過去の時点と、その選択肢を模索するが．．．

【感想】
キャストは地味ながら、斬新かつ練られたシナリオが話題となり、米国での劇場公開時には大ヒットした映画です。ただし日本ではそれほど知名度は高いとはいえず、いわゆる「掘り出し物」的な扱いになっているかと思います。私もかなり前に当ブログのコメント欄で「面白かった」との返答を頂き知りました。

本作の魅力は人生の中でいくつか迎えるであろう重要な場面の分岐点においてもし違う行動を取っていたらどうなるのかという発想の面白さとそれに対して用意された答えの切なさであるかと思われます。

以下、完全にネタバレあり。未見の方はご注意を。

主人公は子供の頃、記憶がブラックアウトする症状があったため、友人と共に大きなトラウマとなるような大事件を経験しながらも、ほとんど覚えていないまま大人になります。
自分が書いた日記を読むことで過去にさかのぼる力を身につけた彼は当時の大事故の真相を知り、仲間が廃人や犯罪者、腑抜け状態となったことを知ります。そこで友人達を助けるために歴史を変えようと決意するのです。

ところが、過去を変えてしまうと更に良くない事態が発生してしまいます。何度も歴史を変えるうちに自分が廃人となってしまった挙句、恋人までも取られてしまう。そこで最後の決断をするのですが、この結末が非常に切ないです。

このように「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とは全く逆の展開を見せる手法は「今の人生を大切にしろ」という主張をよる強く植えつけたように思いました。

映像が更に洗練されていて芸術性が高ければこれ以上の高得点を出していたと思いますが、それは贅沢を言いすぎかもしれません。細かい矛盾はいくらでもありますが、この部分については特に気にならなかったです。

見て損はしません。面白さは保証します。ただ続編はあまりにつならないのでこちらは避けたほうがいいです。

お薦め度：★★★★★★★☆☆☆

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