Turedure Lilax Diary

「徒然」―何もする事が無くて、どう時間を過ごしたらよいのかと思うこと、様子。(三省堂 新明解国語辞典)

きみの友だち

2009-01-26 21:27:04 | 本棚
「きみの友だち」重松清
(新潮文庫)

またひとつ、大好きな本が増えました。

文庫化されている重松作品は、大体読んでいますが
今作、珍しいことがありました。

①ハッピーエンドである。

…未読の方にはごめんなさい。<(_ _)>

重松作品はほとんどがはっきり解決しない終り方をします。
せいぜい、少し薄日が射してきたくらいのニュアンスで、後は読者に任せますというくらい。

それが、本作はわかりやすいハッピーエンドなのです。
作者自身は文庫のあとがきで、この閉じ方が正解かどうかはわからないと言っていますが、書き手が覚悟を持って選び取った場面で閉じることが、お話にとって幸せであることを信じたい、と結んでいます。

②泣きそうになった。

映画でも小説でも、感動の名作という謳い文句が付いているものでは、大抵ワタシはうるるとも来ないのだけど、電車の中で文字が追えないくらい涙が滲むこともしばしばでした。特に最終章前の「花いちもんめ」。
こぼれそうになった涙が、最終章の陽だまりみたいなあったかさに包まって、すごく気持ちよく読み終えることができました。

主人公は足の不自由な女の子と、体の弱い女の子。
恵美ちゃんは無愛想で、誰に対してもそっけない喋り方をする。
何をやっても手際が悪く、いつも恵美ちゃんに怒られる由香ちゃん。
周りの子達とペースの違う2人だけど、ワタシは2人とも大好きです!!
そして、彼女たちとちょっとだけ友だちだった人たち。
あなた達の気持ち、わかります。女の子って、群れるの好きだし。(^^;)ゞ
恵美ちゃんの弟ブンちゃんと、ライバルで親友のモトくん。
みんな君たちみたいになりたいんだよ、やっぱり。
彼等を取り巻く人たち。
中々のへタレキャラだけど、いい味出してます。
そして、物語の書き手である「ぼく」
みんな、みんな大好きです。

いい文章とか、感動するとかじゃなくて
とにかく好きな作品です。


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