ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

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介護保険の迷走

2005年05月03日 | 介護保険の話
介護保険のニュースが続いている。

一つは、施設の介護保険給付費より、
在宅の介護保険給付費が多くなる見通しだ。

介護保険そのものが「在宅」をメインに組み立てられている。
そのために、施設は高い、在宅は安い、と国は誘導してきた。

しかし、これは本当だろうか?

施設入所について、利用者さん一人当たり月30万円くらいだ。
一日約1万円くらいと考えていいだろう。
この値段で、一日24時間・365日介護を受けることができる。

さて、在宅で、24時間・365日介護をするとなると、
いったいいくらかかるのだろう?

ヘルパーさんを24時間雇ったとして計算すると、
なんと月100万円くらいになる。

在宅が安いと宣伝し、誘導してきた割には、簡単な計算で崩れてしまった・・・

ということは、どう考えても施設は儲からない単価で運営せざるを得ないのだ。
前回の改定では、施設の利益率が問題となって特養で5%、単価が引き下げられた。
特養の利益率12%という数字が一人歩きした結果だ。

ただ、この利益率12%は平均値である。
0%~20%くらいの幅があったのだ。
そこで5%減となると、0%の施設はマイナス5%となる。

そもそも、医療にしろ福祉・介護にしろ、儲けることが悪いように言われる。
でも、法人を運営していて、一つの企業も運営していて、
「黒字」を出さないような経営って、できるのかな?

黒字であることを理事会には言いたい。財務諸表の公開も黒字でしたい。

では、単価を下げられると言うことは、無理にでも人件費を下げざるを得ない。
これで質が確保できるのだろうか?

そして、在宅をここまで誘導してきて、在宅と施設の給付費が入れ替わった。
そこで、在宅部門、とりわけヘルパーさんの単価を抑制していくらしい。

いままでヘルパーさん一回30分いくらの世界であったが、
今後はひっくるめていくら、となりそうだ。
定額払い、つまり「まるめ」というやつだ。

これで伸び続ける在宅給付費を抑える方向、と新聞にかいてある。

施設も減・在宅も減、しかし質を上げろ、というのは無理ではないだろうか?

この状況で黒字を出そうとしたら、賃金カットか従業員を全てパート、
あるいは、ズルをせざるを得ないのではなかろうか?

今後、団塊の世代が「介護」を受ける日が確実にやってくる。
この状況で乗り切れるか?先行きが見えないなあ・・・

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