ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

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介護認定審査会、新ソフト判定始まる

2009年06月06日 | 介護保険の話
今日は午後から研修に出かけます(^^)/

さて、今年度は介護保険の改定があり、
介護度を決定する介護認定審査会も、
新ソフトでの判定が始まりました。

ちなみに、旧資料はこんな感じ。


レーダーチャートにて、その方の活動度がわかるようになっていた。


さて、これががらりと変わり、
その方の介護の手間(要介護基準時間)を基本に、
介護度を判定するように変わった。


チャートをアップ。


さて、ここで私の感想であるが、
介護保険制度が始まって以来、
8年間あのレーダーチャートであった。

旧チャートでいくと、その方がどこの部分が影響があって、
それで活動度が低下し、介護の手間になっていたか、
感覚的に感じ取れていた。

しかし、新チャートになると、
介護の手間がどれくらいなのか、目盛で表示され、
なんともその方の活動度の低下の原因が掴みにくくなってしまった。

あくまで介護の手間の積み重ねである。
そして、新ソフトでは調査員さんの「特記事項」と、
かかりつけ医の書く主治医意見書の記載のみで判定する。

指標も何もないのに、やりにくい・・・

そして、旧ソフトで問題となった、
要支援2と要介護度1との区分けである。
旧ソフトでは、2点であった。
・状態不安定
・認知症
この2点のどちらかで要介護度1と区分け判定していた。

しかし、新ソフトでは、このような流れである。


概ね6ヶ月以内に心身の状態が変化し、
介護の手間が変わる可能性・再検討が必要な場合、
要介護度1となる。

ここで、「概ね6ヶ月以内に心身状態の変わる方が要介護1なら、
要介護度1の方は有効期間は原則6ヶ月なのか?」と聞いてみた。

答えは状態が安定しているなら12ヶ月でもOKとのこと。
でも矛盾してません?これ・・・(汗)

さて、ここでややこしいのが要介護認定経過措置というものだ。
更新申請の方に限り、このような希望調査書を記載する。


要するに、新ソフトで介護度が変わっときに、
前回の判定どおりがいいですか?どうですか?
と聞くものだ。

何故こんなことになったかというと、厚労省の内部資料で、
相対的に介護度が軽くなるような判定基準を・・・
な~んて報道があり、批判が相次いだため、
大臣が利用者の希望調査と実態調査を兼ねて行ったものだ。
特に認知症を抱える方が軽くなると言う情報も拍車をかけた。

選択ポイントは3点
・新判定で「軽く」なった場合、元の介護度に戻す。
・新判定で「重く」なった場合、元の介護度に戻す。
・新判定で重度になっても軽度になっても元の介護度に戻す。
である。

この傾向をケアマネさんに聞いてみた。
すると・・・
・在宅の利用者は「軽くなった場合、元に戻す」を選択。
・施設利用者の方は「重くなったら元に戻す」を選択。
という傾向にあるという。

なぜかというと、
在宅の方は軽くなってしまうと、利用限度額が低くなり、
今までと同じサービスが使えなくなってしまうから。
施設の方は、重くなってしまうと自己負担額が増えるから。

結局、在宅にしても施設にしても「お金」の問題・・・

実際、新ソフトの判定を行ってみると、
認知症の方が特記事項で調査員さん書いてるのに、
調査項目で上がってこないことがしばしばあるように感じる。

まだ審査会の回数が少ないのでたまたまかもしれないが、
この点は指摘していかねばならないだろう。

また、今回の介護保険制度改正で、
介護職員の処遇改善ということで3%介護報酬が増やされた。
しかし、今までの改正でトータル4.9%程度下がっているので、
今回のプラスマイナスで行くとまだマイナス1.9%・・・

さらに、その増額分(3%)を帳尻あわすために、
要介護認定が軽く出るようにした、ともいえなくもない。

結局は、利用者・介護事業者に全て返ってきてるんだよなぁ・・・
なんだか改正するたび迷走していく介護保険・・・

本音を言うと、「要介護認定」、必要ですか?
利用限度額、今のままでいいですか?
とブツブツ言いたくなるのでした・・・


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