北京五輪では500mlのコカコーラが5元(約90円)で販売されていた。これは東京大会の1/3以下である。因みに、中国国内では同サイズが70円ほどで売られてるという。
五輪最高位スポンサーのコカコーラは東京五輪でも取り扱われ、同様のサイズを報道施設の自動販売機やレストラン、会場で280円、開閉会式を行った国立競技場では300円で販売された。スーパーやコンビニと比べ、”高過ぎた”価格設定である。
このニュースを聞いた時点で、東京は終わったと思った。東京が、世界を代表する国際都市から(田舎者でも相手にしたくない?)地方都市に転落した瞬間でもある。
因みに、私の近くのスーパーでは、他メーカーのコーラ(1.8L)が90円以下で売られている。それでも買う人は殆ど見かけない。
今の時代にコカコーラなんて?・・・そんな飲み物に300円も出して飲むバ◯がいるとは思えんのだが、日本人だけは例外であろうか?
タダでも飲みたくない
アトランタ五輪(1980)では、筆頭スポンサーのコカコーラは無料だったと、沢木耕太郎さんの著書で読んだ記憶がある。
中国の女子バレーチームは、タダで飲めるコーラがとても珍しく、イケメンで長身の沢木さんに手渡そうとする選手も多かったとか。多分当時の中国には、コカコーラなんて高価すぎて飲めなかったのかもしれない。
しかし沢木氏は、コーラが健康を害するのが解ってたのだろう。タダでも、とても飲む気にはならなかったという。
私も同じである。子供の頃は、(コカイン・コーラと噂された)コカコーラをよく飲んだ。特に、500mlの大瓶コーラが登場した時は、まるで大人になった気分で、気分が高揚した。
しかし、(コカイン?のせいか、或いは強炭酸のせいか)コーラの飲み過ぎで歯が溶けたり虫歯になるケースが目立ち始めると、日本人は次第にコカ(イン)コーラを遠ざけるようになった。
その代わり、清涼飲料水なるものが様々に登場した。ファンタや7upなど、とても甘く爽やかな風味の炭酸水が日本列島を覆い尽くす。
高校の修学旅行で一番衝撃的だったのが、350mlの缶ジュースである。
当時、九州の田舎では250mlの細い缶が殆どだった。故に、東京で350の缶を見た時は、(少し大げさだが)カンブリア紀と昭和の違いを感じた程だ(笑)。
清涼飲料水に含まれる3つの毒物
そういう私も、小さな頃は清涼飲料水をよく飲んだ。特にファンタグレープは大のお気に入りで、30代に入るくらいまで飲んでいた。
当時の上司から、”君が飲んでるジュースにはどれ程の砂糖が入ってるのか?知ってるのかね”とよく注意された。
上司は両手をお酌の形にして、教えてくれた。
しかし、そんな量の砂糖が入ってても、全く気にはならなかった。今の様に、糖質が健康を害するという論証が巷を賑わす程でもなかったからだ。
子供の頃は、お茶よりも砂糖水が大好きだった。水に砂糖を混ぜ、わざわざ飲んでいた。が故に、甘すぎる清涼飲料水には何ら抵抗もなかった。
しかし、清涼飲料水の香料に敏感に反応する様になる。どうもあのドギつく(わざとらしい)香りが受け付けなくなっていた。
清涼飲料水(500ml)には、角砂糖10個~16個分の糖分(40~65g)が入ってるという。1日に必要な糖分摂取量が25gとされてるので、僅か1缶で2倍以上の糖分を摂取する事になる。
お陰で、30代の頃は太っていた。メシもよく食ったし、酒もよく呑んだ。それに加え、清涼飲料水もよく飲んでいた。
ただ、ジュースの香料がダメになってから、清涼飲料水を受け付けなくなると、食事の量も自然と減ったように思える。
お陰で、ダイエットしなくても体重は自然と標準に戻った。
今になって思うと、清涼飲料水の糖分より香料の方が私には天敵だった様に思える。勿論、糖分の過剰摂取はもろに肥満や高血圧に繋がるし、避けるべきではある。
一方で、香料入りの石鹸を使うと肌がアトピーになるし、香料が入った加工食品やお酒も頭がグラグラする。
清涼飲料水には、コスト削減の為に”合成香料”が使われる事が多く、中には頭痛や疲労感を引き起こす酢酸イソアミルなど有害なものもあると。どうりで受け付けない訳だ。
確かに、お酒をよく飲む人よりも糖分を多く摂る人の方が死亡率は高い。
私が外食がダメなのは、調味料に”人工甘味料”が使われてる事だ。事実、外食に慣れ親しんだ“甘み中毒”者は、ホルモンに影響して体内に脂肪を蓄え、腸内細菌の代謝異常を引き起こし、腎機能障害・脳卒中・心筋梗塞・血管系疾患のリスクを上げるなどの作用が確認されている。
外食で、香料や甘味料や添加物の入ってない(健康で贅沢な)食事をしようと思えば、1ヶ月分に近い食費を覚悟すべきだろう。
そんな度胸も余分なカネも、今の私には持ち合わせてはいない。つまり、”孤独のグルメ”はTVで見るだけで十分である。
加えて、清涼飲料水に殆ど使われてる”果糖ブドウ糖液糖”は、砂糖や他の甘味料と比べて急激に血糖値を上昇させる。放置すると昏睡状態になる恐れがあり、動脈硬化・心筋梗塞・がん・認知症のリスクを高めるという。
しかし、加工食品は(添加物が多く)保存がきき、簡単で超おいしいのが魅力だが、それだけに完全に断つのは難しい。
なぜ、コーラは身体に悪いのか?
以上で述べた、清涼飲料水の中に必ずと入ってる、”合成香料”と”人工甘味料”と”果糖ブドウ糖液糖”の3つが、健康に莫大な被害を与える事が理解できましたね。
では、他の清涼飲料水と殆ど同じ成分であるコーラがなぜ身体に悪いのか?
それはコーラに含まれるカフェインと中毒性(カフェイン依存と糖質依存)が問題とされる。しかし、カフェインだけなら緑茶や(最近の研究では健康にいいとされる)コーヒーにも多く含まれる。
事実、500mlのコーラには約50mgのカフェインが含まれ、コーヒーの約1/6の量とされる。しかし、このカフェインが3つの有毒物質と混ざり合う事で、上で述べた健康被害に加え、(筋肉や神経の動きが異常になる)低カリウム血症を引き起こす。
つまり、コーラの中毒性が加わる事で、カフェインや糖質や3つの毒物が異常なまでに蓄積し、新たで深刻な健康被害を生む。
しかし、そんな身体に明らかな健康被害をもたらすコカコーラを300円で売りさばくのか?70円でも高すぎるほどだろう。
いや、沢木さんが言ってたように、”コーラはタダでも飲まない”というのが最高の自己防衛である。
そんなコカコーラだが、”コカインコーラ”とまで噂されたのは、本当なのだろうか?それとも私の聞き間違いだったのだろうか?
以下、「コーラは薬だった?」から一部抜粋です。
薬剤師であったジョン・ペンバートン氏は1880年頃、”奇跡の植物”として注目を集めてたコカを使い、ワインにコカの成分を溶かし込んだ飲み物を開発した。
コカの葉から抽出したコカインの成分が微量含まれ、お酒とコカインが組み合わさる事で、うつ状態を改善し、活力を与える薬として人気商品となる。
しかし当時は、コカインは麻薬とは考えられず、酒の方がより問題視されてた。ペンバートンは禁酒中でも飲めるコカを使った飲み物を模索し続け、1886年にコカコーラを完成させた。この時、コーラ原液(コカの葉とコーラの実から抽出)を、水と間違えて炭酸水で割るというラッキーな偶然が重なった。
コカイン入りのコカコーラは発売直後から大ヒット商品になり、戦争で傷ついた兵士や学者・医師・弁護士など上流階級からも支持され、国民的飲料になる。
その後、コカインの中毒性が明らかになり、1903年にコカコーラからコカインが除去され、カフェインを代用し、現在に至る。
以前、コカインは興奮剤として薬局で普通に販売されていた。自然治療に躍起になってた当時の薬剤師たちは、コカコーラにコカインが入ってる事を売り物にした。しかしコーラ自体(元々は)、モルヒネ中毒の治療から発案された、薬の様な扱いだったとか。
とはいえ、当時のコーラに含まれるコカインの量は僅か2.6㎎と極微量。中毒を起こす程の量ではない。ただ法律で正式に禁止される1922年まで、微量ではあるが、コカインが含まれてる事は確かだったのだ(ウィキ)。
最後に〜コーラと薬剤師
コカコーラにコカインが禁止された後も、怖い飲み物である事は確かですね。
しかし、薬として使用されてた頃の様に、コカインとコーラの実を使って、作ってた頃のほうが、カフェインは勿論、合成香料と人工甘味料と果糖ブドウ糖液糖の3つ毒物と過剰な糖質は入ってないので、微妙な中毒性のあるコカイン・コーラの方が今のコーラよりも健康にはずっと良かったんじゃないのかな。
因みに、ペプシコーラは消化不良の治療薬として(これも薬剤師のキャレブ・ブラッドハム氏により)考案され、後に消化酵素の”ペプシン”を含んでいる事に由来すると。
薬として考案されたコーラが、深刻な健康被害をもたらす事になるとは、ペンバートン氏もブラッドハム氏も天国で何と嘆いてるだろうか?
そういえば、子供の頃に飲んだミニコーラには、コカインが(微量だが)含まれてた様な気がする。
小さい頃、私は体が弱かったから、毎朝の様に養命酒を飲まされ、学校に行くのが苦痛だった記憶がある。しかし、コカインコーラがあったなら、毎日が愉快だったろうか。
因みに、ジョブスから”このまま一生砂糖水を売り続けたいのか?それとも私と一緒に世界を変えたいのか?”といわれたジョン・スカリーは、ペプシコーラの社長職を投げ売り、アップルに転身した。というのは有名な話ですね。
以上、昔懐かしきコーラのお話でした。
ジョブスが言う様に、単なる砂糖水ですもんね。それに身体に悪いとなれば・・・