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プーチンの暴走か?アメリカの一人勝ちか?〜投資家から見たウクライナ危機とは

2022年03月05日 15時52分42秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 投資家から見れば、(とても失礼な言い方だが)他人の不幸ほどお金になるものはない。
 しかし、他人の不幸に付け入る者ほど深刻な致命傷を背負う。
 こういう時は冷静に事態を見守り、じっとしてるのが一番だが、欲深い人はギャンブルの一つもしたくなる。それが投資家というものだろうか。
 隣の有事は売りか?それとも、遠くの戦争は買いか?
 そこで今日は、投資家から眺めたウクライナ危機についてです。

 投資家にとって、今回のプーチンによるウクライナ侵攻には、別の一面を見つめてる様でもある。
 戦闘が長引けば、儲かるのはロシアではなく、莫大な数と量の軍需品を欧州に送ってるアメリカであると、投資家は思ってる節がある(多分)。
 そして今や、国際世論はアメリカの鎮圧部隊の投入を望んでいる。これこそがプーチンが毛嫌う”アメリカの一人勝ち”であろうか、いやそれとも”プーチンの罠”であろうか。
 これ以上、無駄な血を流さない為にも、プーチンの暴走を止める為にも、そしてアメリカの(不可解な)一人勝ちを防ぐ為にも、今すぐロシアは(前提条件なしで)停戦に応じ、頭を冷やすべきである。
 しかし、プーチンにそれだけの知能と度量があるだろうか?
 答えは多分、NOである。

 事実、プーチンはマクロン仏大統領との電話会談で、”ウクライナが全ての条件を受け入れなければ(計画通り)作戦を続ける”と強い決意を述べた。
 一方でゼレンスキー大統領は、”戦争の初めの数日間は本当に複雑だった。しかし私たちは団結して耐え抜いたし、今後も頑張り抜くだろう”と一歩も引かない。
 確かに、軍事力の差は明らかだ。その気になれば、キエフは一瞬にして焦土化し、ウクライナも民間人の被害も天文学的数字に上るかもしれない。 
 ロシアは軍事的には(一時的な)勝利を得るかもしれないが、戦略的にはすでに敗北(自滅)が約束されている(と思う)。

 ゼレンスキーは”(NATOが)空を封鎖する力がないのなら、戦闘機をくれ”と、欧米諸国に対し、自国への軍事支援を強化するよう訴えた。
 その一方で、”我々はロシアを攻撃しておらず、攻撃するつもりもない。我々に何を求めているのか?我々の土地から出て行け”とも訴えた。
 つまり全面戦争を想定しつつも、停戦の準備が出来ているゼレンスキーと、狂気が支配し、暴走特急と化したプーチン。
 一人勝ちの気配がほんの僅か見えてきたアメリカにとって、これから両国とどう関与していくのだろうか?


アメリカの不可解な駆け引き

 一般に、戦争・紛争の発生は経済活動に対する阻害や不確実性要因になる為、”リスク回避の売り”を誘発する。
 今回のウクライナ紛争も、戦火が拡大した場合の心配な要因は少なくないし、先行きは全くの不透明である。
 他方で、相場の世界には”遠くの戦争は買い”という平和主義者が聞くと憤慨しそうな言葉がある。”戦争を材料に株を売るのはうまくいかない”とか”戦争は経済を活性化する事があり、その場合株はむしろ買いだ”という意味での格言である。

 プーチンが非難されるのは当然である。
 この超野蛮な犯罪行為が許されるのは、ここ数十年は米国だけだった。が、それは米国の軍事・経済が圧倒的に強くて誰も文句が言えなかったからだ。ベトナムもイラクもアフガンも実に非人道的でひどかった。
 今回、米国は早々に軍事的不介入の姿勢を見せ、ならばとばかりにプーチンが”わが国は最強の核保有国の一つだ”とまで言いきり、傍若無人に振る舞う。それでロシアが得をしてるのかというと、そう単純でもない。
 以下、「ウクライナ危機が米国の独り勝ちに見える理由・・・」から一部抜粋です。

 今回の紛争は、米国がけしかけた様に見える。
 そもそも米国政府は、ウクライナの反ロシア的政権である(米国の傀儡とまでは言わないが)ゼレンスキーに肩入れしてきた。そしてNATO加盟をちらつかせ、NATOとの合同軍事演習にまでウクライナを参加させ、ロシアを挑発してきた。
 一方でロシアとしては、隣国で旧ソ連領のウクライナがNATOに加盟する事態は、絶対に許し難い現実だったろう。
 バイデンは緊張が高まった状態になると、”ロシアが侵攻する”という諜報情報を流し、”自らは軍事的に不介入だ”とサインを送る。(それでも手を引いてると)弱腰のクズに見える様に、プーチンを追い込んだかに思える。
 結果、欧米の制裁により、ロシアが外国にエネルギーを売る事が難しくなり、原油・LNG価格などが高騰した。

 今や世界最大の産油国である米国は、インフレで庶民は困っているものの、エネルギー産業は大もうけの筈だ。また、金融制裁の得失は見えにくいが、制裁の内容・強弱・タイミングなどにアクセスできる金融業者にとっても、収益チャンスの可能性は小さくない。
 加え、欧州からの武器支援を通じて武器も売れる。”軍事介入はしないが武器の支援はする”という西側諸国の倫理観は少し不可解だが、ウクライナ人に”もっと血を流せ”と言いたいのだろうか?


アメリカだけが儲かる?ウクライナ危機

 軍産複合体と呼ばれる米国の権力的利益集団にとって、今回のウクライナ紛争は都合のいい事が多い。バイデンは、こうした流れの首謀者というより、たまたま大統領だっただけの人。ただ、支持率が低下してるバイデンにとって、ロシア(プーチン)という国民の敵が現れ、これを非難してさえいれば勇ましく見える展開は悪くない。確かに、彼に他の何が出来るだろう?多分何も出来ない。
 しかし一番かわいそうなのは、プーチン挑発の先頭に立たされ、戦闘が始まると手を引かれてしまっているウクライナ人だ。ロシアの制裁に付き合わされ、今後高いエネルギーを買う事になるだろうドイツや日本も割を食う。
 一方でプーチンにとって今回の侵攻が得だったか?は、ウクライナとの”落とし所”の成果と、経済を含めロシア国内のこれからの状況に掛かっている。
 しかし(冒頭でも言ったが)、プーチンの賭けは(大方)失敗のようにも思える・・・

 ウクライナ危機がこの先どうなるのかは不透明だが、今後不測の大事態が起こらないといいう条件付きで、今回のウクライナ紛争は米国の経済にとって、相当程度の”遠くの戦争”が当てはまる事態であろうか。
 エネルギー価格が高騰すれば、ガソリン価格の値上げなどによるインフレが問題になるが、日本と異なり米国では賃金もそこそこに上昇している。
 米国のインフレは、需給両面の要因によるものだろう。資源価格の高騰や新型コロナをきっかけとした人手不足による賃金上昇やサプライチェーンの乱れなどの供給側の要因と、コロナ対策の金融緩和と財政支出の効き過ぎによる需要側の要因の2つである。
 その中で、投資家にとって心配なのは、ジェローム・パウエル議長が率いる米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対策に張り切り過ぎる事だ。

 率直に言って、プーチンの狂気も怖いが、パウエル議長が真面目に力み過ぎる事の方がもっと怖い。
 FRBによる利上げとバランスシート縮小が取り沙汰されるプロセスで、ある程度の株価の調整は織り込み済みだ。しかし、金融政策が物価に波及するまでにはタイムラグがあるので、”やり過ぎ”による株価等の暴落が起こる可能性がある。
 投資家としては当面は用心しつつ、暴落があったら(チャンスと見て)買う機会を待つ、というくらいの心構えがいいだろう。

 戦争なのに(投資家は)気楽すぎる。
 確かにだが、投資家にできる事はこの程度の事であり、パニックに陥って売ったり買ったりするよりも、世間には迷惑をかけない。
 以上、DIAMONDOnlineからでした。


最後に

 あくまで投資家から見た、ウクライナ危機の本質ではあるが、満更外れてはいないと思う。
 今私達国際世論の目は、ウクライナとプーチンの動向に向けられている。
 冒頭でも言った様に、(山崎元氏の予想が当たりなら)ロシアは(プーチンを説得し)今すぐ条件なしで停戦に応じるべきだ。
 それにこの泥沼の状態で、ロシアがウクライナを支配しても、その後が怖い。ウクライナは絶対にプーチンを許さないし、欧米を頼ってでも徹底闘争を仕掛けるだろう。

 一人勝ちしたアメリカが、極端なインフレ対策の為に株の暴落でも引き起こしたら、それこそが経済恐慌(世界恐慌)となり、本当の意味での第3次世界大戦が勃発するであろうか。
 プーチンの狂気を食い止める事こそが、アメリカの暴走をも食い止める。
 大国の利益の為だけに、ウクライナ国民をこれ以上追い詰めるべきではない。
 プーチンによるウクライナ侵攻はアメリカにも責任がある。そのアメリカは身をいや骨を削ってでも、停戦の仲介に出るべきである。

 今日から、北京パラが始まる。
 ”戦争仕掛け人”アメリカを一人勝ちさせない為にも、ロシアは冷静になり、知恵を絞るべきだが。
 プーチンには悪いが、狂ったアンタには最初から勝ち目はない。あるのは、狂気と破壊だけである。
 誤算と暴走という言葉は、この狂人の為にあるのだから。



20 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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金が最高値 (hitman)
2022-03-06 04:50:59
ロシアでは貧富の差が大きく
ごく一部の富裕層が異次元の生活をしてます
その金持ちたちが宝石や金や高級時計を買い漁ってるというではあーりませんか

有事の際の投資先としては安全だとされるが
経済制裁とSWIFT制裁で出口の見えないロシア国内ではどうなんでしょうね

案外こうした一部の富裕層の動きがロシア国内を混乱に追い込むかもですが
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hitmanさん (象が転んだ)
2022-03-06 07:10:53
”オリガルヒ”と呼ばれるプーチン政権と蜜な富豪たちへの資産凍結ですよね。
ロシアの石油大手ルクオイルもウクライナ侵攻を非難してます。
それに、iPhone輸出停止も意外にも効力を発揮しそうです。

この先どうなる事やら、眠れない日が続きます。
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Unknown (びこ)
2022-03-06 07:20:29
私も、以前はプーチンさんを嫌いではありませんでした。だけど最近の鬼気迫る顔つきはいただけません。狂ったまま突っ走らないでほしいです。
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まかろんサン (象が転んだ)
2022-03-06 07:26:04
いえいえ
苦し紛れの記事で、最悪は引っ込めようかと思ってました。
ただ、国際世論があまりにも戦争と悲劇の視点に偏りすぎてるので、冷静さを促す為にも敢えて記事にしました。
引用が大半ですが、どう書き始めるかが難しかったです。

プーチンは既に戦略的に破綻してるとの見方が強いですね。狂気と誤算と暴走とは、そういう所から来るんでしょうか。
でも、この狂人はあくまでも強気です。
一番近い側近に(旧ソ連時代の)強引なタカ派がいて、そいつが指揮してるとの噂ですが・・・

言われる通り、欧米の外圧とウクライナの抵抗と、それに触発されたロシア政治家や国民たちで、何らかの風穴を開けられるといいですよね。

お褒めいただいて恐縮です。
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ビコさん (象が転んだ)
2022-03-06 07:28:24
私も最初は”やり手”かなと少しは思ってましたが
タカ派の影武者がいるらしいですね。
背後には、かなり悪どい権力者がいるかもです。
ブッシュ政権時のチェイニーみたいに・・・
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ロシアの視点に立ってみれば (平成エンタメ研究所)
2022-03-06 09:47:06
ウクライナのNATO入り。
プーチンやロシアの視点に立ってみれば、「九州が中国の属国になったようなもの」ですからね。
こんな軍事上の脅威はありませんし、同じ民族でかつては仲間だっただろうという思いもある。

とは言え、プーチンは軍事侵攻してしまったことで選択を誤りましたよね。
「ウクライナのNATO入りをさせない」という点で欧米と話し合うべきでした。
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エンタメさん (象が転んだ)
2022-03-06 10:17:31
確かにです。
朝鮮半島と福岡の関係ですよね。
昔は陸続きで、顔立ちも同じですもん。
中国が朝鮮半島を併合すれば、福岡も九州も一気に併合されます。
そうなれば、戦争しなくても日本は終わりですよね。

プーチンの強気も、国内の(高齢者の)根強い支持と反米感情にもあると思います。
アメリカは”侵攻を予想してた”との事ですが、”まさか本気でやるとは”という驚きもあったでしょうか。

今更、ウクライナに東西の壁を作る訳にもいかず、難しい所ですよね。
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遠い国の戦争 (tokotokoto)
2022-03-06 11:43:27
アメリカが簡単に仲介に乗り出すとは思えない。かと言って、今更知らんふりは絶対に出来ない。

今回のプーチンの暴走はアメリカが煽ったものである事は確かで、アメリカにも責任がある。
それにアメリカはプーチンの出方をCIAを通して知っていた。しかし止める事は出来なかった。
アメリカにとって<遠い他国の戦争は買い>のはずだったが、今回はそう単純じゃない。軍事介入でもすれば深刻な返り血を浴び、本気度100%のプーチンの罠にハマる。

中国も不気味だが、今回は一歩引いての様子眺めの気もする。
プーチンは交渉ごとに停戦条件を増やし、核の脅しをちらつかせ、100%勝てると慢心しきっている。
ロシアが本気で攻め込んできた時、アメリカはどう対応するのだろうか?
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tokoさん (象が転んだ)
2022-03-06 19:13:39
多分、プーチンの最終目標は
旧ソ連時代の領土に戻すことでしょうね。
故に、ウクライナ全土制圧は序章に過ぎないかもです。
事実、機密文書には”15日間でウクライナ制圧”と書かれてます。

故に、プーチンが本気になるのはこれからですよね。
言われる通り、その時アメリカはどう対応できるのか?
そこが一番の焦点になると思う。
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本田の提言 (tomas)
2022-03-06 22:06:29
<自由と民主主義のために戦ってるという美談に踊らされるな>
ううーん、いい事を言う。
<武器を送らなくていいから軍隊を派遣して守ってください>
ま、そういう考えもある。
<どうやって戦争を回避するかの1点に絞るべき。ウクライナがNATOに参加しないと取り急ぎ言えば攻められない>
いや、それをしたらプーチンの罠か・・・
<ロシアが悪いに決まってる。それが前提で戦争を回避するかを話さなくていけない>
確かに真っ当なこと言ってる。

以上
本田圭佑さんのトラップ的シュートでした。
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