象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

イスタンプール合意とブタペスト覚書〜避けられたかもしれない?侵略戦争

2024年04月04日 05時25分50秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 昨年11月と少し古い記事ですが、22年のロシアとウクライナの開戦直後の”イスタンブール停戦交渉でロシアは戦争をやめる用意があった”との噂が流れ始めている。
 ロシアとの停戦交渉にあたったウクライナ側代表ダヴィド・アラハミヤ氏が昨年11月末に、ウクライナTVに語ったインタビューが波紋を広げている。
 アラハミヤ氏(写真右端)は、22年3月の停戦交渉で”ロシア側はウクライナの中立化を最も重視していた。ウクライナがかつてのフィンランドの様に中立の立場を守り、NATOに加盟しないと約束すれば、ロシアは戦争をやめる用意があった”と語ったのだ。
 以下、「ウクライナの汚職まみれも原因か・・」より一部抜粋です。
 

イスタンプール合意と戦争終結

 ウクライナがこの合意を蹴ったのは、NATO加盟を目指すとするウクライナ憲法を改正する必要があった事、そしてロシアに対する根深い不信感だったとの事だ。が、アラハミヤ氏は次の様に付け加えた。
 ”この時キーウに来ていた英国のジョンソン首相が、いかなる文書にもサインせず<ただ戦え>とアドバイスした”
 事実この発言は、プーチン大統領が昨年6月、アフリカ諸国との首脳会議で語った事を裏付ける。プーチンは”イスタンブールでの交渉の結果、「恒常的中立とウクライナの安全の保障」についてはアラハミヤ氏との間で仮調印が出来ていた。だが、ウクライナ側は突如それを歴史のゴミ箱に捨ててしまった”と語っている。
 ただ、このプーチン発言についてアラハミヤ氏は、”仮調印はしておらず、文書は存在しない”と反論している。

 このアラハミヤ氏のインタビューを受け、元ウクライナ大統領府顧問のアレクセイ・アレストビチ氏は”ウクライナに大戦争を遂行する場合の支援を約束しておきながら、武器を供与しなかった者たちにこそ責任はある。欧米はウクライナを見捨てた”と、強く欧米を非難した。
 アレストビチ氏によれば、”ウクライナ軍はロシアの侵攻計画を叩き撃退するという当初の戦争に勝利していた”とし、”この戦争はイスタンブール合意によって終結し、何十万もの人びとがそのまま生き延びていたかもしれない”と語る。
 更に同氏は(その後の戦争の推移について)、”この緒戦の後には、全く別の類の戦争が始まった。その戦争は航空機や長距離ミサイルなしでは勝利できない大戦争であったにも関わらず、航空機や長距離ミサイルは供与されなかった。その為に我々は巨大な代償を払った”と付け加えた。

 一方で、ウクライナが戦争に勝つ為に必要とする武器の供与を約束していた欧米諸国は、今になって”俺たちはこんなに武器を供与してやったのに、汚職塗れのウクライナ政府は戦い方も知らず、成果も出せなかった。<プーチンに4州をくれてやって終わりにしろ!>と言い始めている”と、アレストビチ氏は不満を漏らす。
 更に同氏は、”ウクライナの指導層も、その従順さと汚職まみれの体質により、欧米に我々を見捨てさせる多くの口実を与えてしまった”とウクライナ指導部をも厳しく非難した。

 事実、ドイツ首相府からの内部情報として”独・米の政府はウクライナへの武器の供給量を絞る事で、ウクライナをロシアとの交渉に駆り立てる事を決めた”とのドイツの大衆記事が掲載され、”ゼレンスキー大統領は停戦交渉が必要だとウクライナ国民に呼びかけなければならない”との考えを強調した。
 更に、もし武器の供給量を抑える事でウクライナを交渉のテーブルにつかせる事に失敗した場合、欧米は”紛争当事者双方の合意がないままに紛争を凍結させる”というプランを練ってるとも伝えている。但し、ドイツ首相府は大衆紙の取材に”軍事的政治的目標を決定するのはあくまでウクライナ自身である”と、この憶測を打ち消した。
 戦線が膠着状態に陥り、武器弾薬の供与の遅れがウクライナ側の不信感を高め、様々な憶測が出始めた今、アレストビチ氏の言う”欧米はウクライナを見捨てる”という最悪の事態が現実のものになりつつある。
 以上、テレ朝NEWSからでした。

 
最後に〜侵略か、汚職か、それとも裏切りか

 プーチンの狂った侵略戦争は欧米の思惑の裏を突き、ウクライナの汚職とアメリカの裏切りを生んだとも言える。
 私も何度かロシア=ウクライナ戦争の記事を書いたが、西側にバイアスが掛かるのはどうしても避けられなかった。
 ”プーチンもアメリカも悪い”というのは理解していたが、どんな理由があろうともウクライナに土足で攻め込んだのは、プーチンの方だ。更に、露米の両大国で一方的に取り決めた「ブタペスト各書」に明らかな非があるとしても、歴史を巻き戻す事は出来ない。
 その上、ウクライナ侵攻直前に、バイデン政権がゼレンスキーをNATO寄りに駆り立て、プーチンを裏切った事も無視できない。一方で、”裏切りは絶対に許さない”プーチンがキレたのも理解できなくはない。

 もし、イスタンプール合意が締結されてれば戦争は終結できたのか?
 答えは、イエスでもありノーでもある。
 西側は、その合意を阻止しようとするだろうし、プーチン政権は力づくでウクライナを引き込もうとするだろう。ただ、”プーチンに4州を与えて終わりにしろ”が西側の本意なら、これ程の矛盾も屈辱も、そして裏切りもない。 
 ウクライナの敗北は、西側とアメリカの敗北でもある。やがてNATOは死滅し、かつての夢の大陸アメリカは、トランプの再選と共に崩れ果てる。そして今や、プーチンの狂気は勝機に変わり、更に正気に変わるだろう。

 時代がそれを望めば、我々はそれを受け入れるしかない。時代がプーチンの狂気を呼び覚ましたのか?西側の自惚れを駆逐したのか?
 少なくとも、時代がアメリカに背を向けたのは確かである。



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