
爺さん達がふんどし巻いて、神と崇めた山車を担ぎ、市街地を駆け抜ける。
私にはそんな陳腐なイメージしかない博多恒例の伝統行事だが、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている博多祇園山笠のフィナーレ”追い山笠”で、57歳の男性が重さ約1トンもある舁(か)き山笠の下敷きになり、死亡した。
男性は何らかの原因で転倒し、山笠の土台(山笠台)の底の部分に巻き込まれたとみられる。
私には全く理解に苦しむが、日本人の多くは、こうした肉体的に激しい祭りを伝統的に好む傾向にあるらしい。
勿論、血気盛んな若者を中心とした岸和田のだんじりに比べ、高齢者の参加が多い博多山笠に危険性は少ないと思っていたが、こうした事故が起きると、典型の祭り嫌いの私は少し考えてしまう。
コロナ渦が明け、4年ぶりの通常開催という事で、気合いが入り過ぎてたのだろうか。それとも、長年の慣れで気が緩んでたのだろうか。
ただ、どんな理由があろうと、どんな言い訳をしようと、死んだ人は戻ってこない。
祭りにも程がある
こうした祭りでは”数年に一度、死者が出てもおかしくはない”と言う人もいるし、”それだけ激しい祭りだ”と言う人もいる。
ただ、伝統行事とは言え、祭り如きに命を賭ける人達の気持ちが私にはよく理解出来ない。
今回不幸にして亡くなった人が命を賭けて”追い山笠”に挑んだのか?いや、地元人だからと嫌々ながら付き合いで参加したのか?私には分からない。
ただ言える事は、たとえ前者であろうと、命を賭けて祭りに参加する事と、実際に事故で人が死ぬ事は全くの別物だという事。
つまり、激しい祭りとは言え、(1トンもの山車の下敷きになるという)最悪を想定する必要がある。そうしたリスク管理がないまま、長く続けてきただけの伝統行事なら廃止すべきだろう。もし祭りに命を賭けるのなら、そういうリスク管理の元に行われるべきである。
事実、男性が山笠の下敷きになる数分前にも、山笠が前方に傾き、山笠に乗ってた2人が落下し、負傷者が出ていたという。
因みに、祭りの参加者の死亡事故は全国でも相次ぎ、2022年10月、大阪府富田林市での秋祭り中、だんじりをひいてた男性が横転した山車下敷きになり死亡。14年8月には青森県弘前市のねぷた祭りで、男性が山車の内部の昇降機に頭を挟まれ、亡くなった。
いや、伝統の祭りだからこそ命を賭けるに値するという気持ちは理解に苦しむが、リスク管理がないままに命を賭ける事は自殺行為に他ならない。
そういう意味では、今回の悲劇は起きるべくして起きた事故だと言えなくもない。
つまり、”次からは気を付けましょうね”って事じゃ済まされない。しかし、博多山笠振興会の事務局側は”再発防止に努める”と語っただけだ。
全く、バカにリスク管理という意識はない。
私は両親から授かった大切な命を、そんな事で無駄にしたくはない。
警察も危険な行為と分かっていながら、782年の歴史を持つ伝統ある祭りなだけに、”規制をかけたりは出来難かった”というのもあろうが、命には変えられない。
そういう意味では、今後どう警察が動くのか?法的にはどんな形で処理されるのか?注目する必要がある。因みに、県警は業務上過失致死容疑も視野に捜査を進めてるという。
一方で、博多人からすれば(知らない人からしたらただの祭りだろうが)、山笠は古くから続く博多の魂であり、多くの博多人が誇りに思う祭りである。しかし、今回死者が出た事は博多人にとってもショックな筈だ。
ただ仮に、地元という事だけで半強制的に招集されたとしたら、もし危険度が高いと判ってれば、周りの目なんか気にしないで、断る勇気も必要だったろう。それとも、断る余地を与えられなかったのか。
そういう私は、地元のお祭や飲み会には、周りから何と思われようが一切参加しない。自分の時間や好きな人と過ごす時間の方がずっと有用で大切で、自分の為にもなるからだ。
こう書くと、”山笠を知らずして理屈を垂れるな”って叩かれそうだが、こうした伝統ある祭りは、敢えて(肉体的に)危険で激しい事をする傾向にある。が、全ては祭りを盛り上げる為の一要素に過ぎない。
祭りとは、そういう激しさや危険性も含め、祭りと言えるのだろうが、そんな危険を冒してまでも伝統を守り続ける必要があるのだろうか?いや、時代は伝統にそこまで求めているのだろうか?
つまり、祭りと言えど程がある。もっと言えば、バカと祭りには程がある。
最後に
因みに、全国各地の祭りで繰り広げられる山車(だし)は”軽車両だが原動機を持たず、免許を必要とせず、交通法規に従って運行する必要がある”との軽車両の定義(ルール)を守る必要があるとされる。
つまり、山車という軽車両に轢かれて亡くなった場合、法律上の過失責任はどうなるのだろうか?
まさか、伝統ある文化遺産のお祭りだから、”多目に見ましょう”って事はないだろう。少なくとも、”再発防止に努める”では済まされない筈だ。
一方で、安全面の確保の視点で言えば、実際に舁き山してる人たちは観光客の事を邪魔もの呼ばわりし、自分たちを含め”安全面が全く確保されてなかった”との外部の声もある。
つまり、慢性的にかつ惰性的に伝統の祭りが繰り返され、毎年の様に死者も出なく無事に祭りが終わる。そんな中、危険度に対する考察が軽んじられてきたのではないか。
”終わり良ければ全て良し”じゃないが、同じ考えで言えば、”終わり悪けりゃ全て駄目”になる。
今回の悲劇はその典型であろう。
それに、ユネスコの文化遺産公認の伝統行事で死者が出たという事は、それだけでも大きな問題であり、大きな責任を負う。
つまり、”山笠があるけん博多たい”っていう威勢のいい博多人の言葉が博多の歴史の1ページから消えさるのだろうか。
つまり伝統とは、ある出来事を境に呆気なくかつ跡形もなく消え去るものかもしれない。
もし、舁き山笠に神様が乗り移ってたとしたら、”祭りにも程がある”とても叫びたかったのだろうか。
博多んもんは いつも祭りやってるイメージ
こんな事故の時は 何か保険でもかけとるんじゃろうか
少し調べたんですが
よくわかりませんでした。
多分、簡易の傷害保険の類は加入してると思いますが、死亡保険に関しては?です。
”命を賭けて”という程ですから、加入してなきゃ自殺行為ですよね。
因みに、”お祭り保険”というものがあり、危険度の低いお祭りで、偶然の事故によりケガをしたりケガをさせたりの傷害保証保険(死亡を含む)はあるみたいです。
但し、けんか神輿やだんじりなど危険度の高いお祭りや、神輿や山車の鉢合せによる事故は対象外らしいです。
博多山笠も危険度は高い方なので、保険会社も判断に難しい所でしょうね。
業務上必要な注意を怠り、人を傷害する犯罪と言える。
つまり、ある業務を運営してて必要な注意を怠り、人を死傷させた場合の犯罪。
ただ、この業務が祭りに該当するかは微妙だが、法律で言えば、業務とは社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であり、生命身体に危険を生じ得る行為をいう。
故に、山笠という伝統行事は立派な業務とも言える。
という事は、場合によっては、博多山笠を運営する事務局側が遺族から訴えられる可能性も排除できない。
でも、どんな展開になるんだろ?
人が山車の下敷きになってるのに、その後も走り続けてたって事は、それだけでも立派な犯罪(容疑)ですよね。
少なくとも、知らんかったでは済まされない。
いくら長年続く厳格なる伝統行事と言っても、下敷きになった者を踏み潰して走るというのは、人として疑うものがあります。
結局、祭りにおける独特の集団心理が働いた結果なんでしょうが、でも亡くなった人の遺族はどんな思いでしょうか。
いくら無形文化遺産登録の祭りとて、神である山笠の舁き手に蹂躙されて死んだって、洒落にならんですよね。
死者が出たのは初めてだと皆驚いてますが
昔は死者がそこそこ出てたらしいです。
ただ地元の恥だとして隠蔽されてきたらしくそういうのが徹底して行われ続けてたから
記録として残ってないだけで
情報化時代の今は1人でも死者が出るとネット上で大騒ぎになります。
厳格な祭りという厳格とはそういう意味なんでしょうか。
こうした体を張る奇祭とも言える祭りは、ある意味で死亡事故当たり前の伝統行事とも言えます。
確かに、安全を重視すれば、伝統とも言える迫力ある見せ場がなくなる。
そんな祭りなら参加するモチベーションがなくなるし、気合も入らない。長年続ける必要もない。という気持ちも解らなくはない。
ただ、命を賭けてこその祭りというのなら、それだけの覚悟が必要だし、かと言って、死者が出たら仕方がない(次から気を付けます)じゃ人間失格で犯罪者と同じ。
観衆は死者が出るのを期待してるではなく、荘厳な祭りそのものに期待する。
つまり、最悪のケースでも死者が出ない様に、安全面上の法的整備はきちんとやる必要がありますね。
日本人特有の自虐性が表に出るんじゃないんですかね。
神輿を担いでタイムを競うという単純な行事で、その上、昼間から酒を呑む。
警察側も年に一度の荘厳なるイベントという事で、お祭り気分に浸ってるんだか。
祭り好きにバカが多いと言えば
それまでだけど
いい歳した親父が、フンドシ姿で暴走族の様に群れてる姿は、見てて気味が悪い。
女性厳禁と言いながら、中洲のキャバクラでタダ酒を飲む。
格式や荘厳というのであれば、安全面上のルールを決めて、徹底すべきですよ。
格式や荘厳の伝統行事と言えど
参加者の安全を守るルールは絶対に必要ですよね。
これまで死者は出た事がないというけど、隠蔽してるだけで、調べれば色々と出てくる筈です。
そういう事で、安全面上のルール作りも曖昧になった。
伝統とか格式とか、そういうのだけが独り歩きし、リスク管理が置き去りになっていく。
それでも、祭り好きな博多っ子は山笠に夢中なんでしょうね。
って言うんだろう
祭り好きの彼らは
今回は運が悪かっただけって
反省の一つもない
山笠は死なず消えるのみ
って誰か言ってなかったっけ
キーボードを買い替えたお陰で、一時のパニック状態から回復しつつあります。
言われる通り、(悲しいかな)今回の事故は”運が悪かっただけ”という所に収束しそうですね。
アホ臭と言えばそれまでですが
こうした農耕島民特有の祭り好きの奇怪な性癖は、今までもこれからも痛い思いをしても治らんでしょうか。
hitmanさんにしては辛口のコメント、参考になります。
では・・・