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象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

バルザックの「財布」に見る、くすんだ質感と偶然の出会い

2018年03月08日 16時11分33秒 | バルザック&ゾラ
 「知られざる傑作」の中に収められてる短編では、この「財布」が結構好きです。 「鞠打つ猫の店」の"窓辺の女"とは全く逆で、若くして成功した画家と貧しい娘との出会いが、くすんだ質感の中で、絶妙なオチと共に甘美な幸福の結末で終わる。バルザックには珍しい、おめでた物語。  この「財布」では、この"窓辺の女"を見上げ、憧れる事でドラマが始まるが。才能ある一 . . . 本文を読む

「知られざる傑作」に見る、バルザックの狂気と創作と秘儀と(20/7/19更新)

2018年02月24日 13時24分57秒 | バルザック&ゾラ
 少し意外ですが。バルザックの絵画好きは有名で、この短編傑作を読めば、彼が如何に画家としての奥義を会得してるかが、窺い知れますね。 まさに、”知られざる”というより”有名過ぎる傑作”です。 僅か40頁の文脈に、ここまで魂をつぎ込むかバルザック。芸術家小説の傑作として有名なこの作品では、若い画家のプーサンと恋人のジレット、老画家のフレンホーフェルと彼の . . . 本文を読む

バルザックと旧訳と『幻滅』と唐揚げとハイボールと

2018年02月13日 18時56分00秒 | バルザック&ゾラ
 12月19日に書いた奴を、大幅に更新&補足します。 久し振りにハイボールを呑む。やっぱり、酎ハイよかずっと旨い。当り前だが(笑)。丁度、バルザックの『幻滅』を読んでたら、スッカリほろ酔い気分になった。流行りの流行作家のライト系アルコール飲料の本より、ウォッカみたいな濃密な味わいの旧訳の方が酔える。酒も本も一緒なんですね。 一気に、オンザロックで、グイッと呑み干すように、酔が回り、『幻滅』に陶酔し . . . 本文を読む

『鞠打つ猫の店』 まさに、バルザックがペンで描く風俗画の凄み。 

2018年02月12日 13時50分46秒 | バルザック&ゾラ
 バルザックの『知られざる傑作』には、知られざる隠れた名作も数多く存在する。今日は、この本の中に収められてる『鞠打つ猫の店』です。"捨てられ女"ではなく、"引き裂かれた女"の悲劇です。全く、バルザックの底力を見せ付けられた気がします。 ヒロインであるラシャ商家の娘オギュスティーヌは"窓辺の美女"として、彼女に一目惚れした若い画家 . . . 本文を読む

『制作』に見る、ゾラとセザンヌの友情と決裂と影響

2018年02月03日 15時56分40秒 | バルザック&ゾラ
 本を読むという事は、著者が作品の中に隠した解答を導き出す事も、醍醐味の一つだと思う。そしてその答えは、N次元の微分方程式と同じく、読者の数だけ存在する。 『制作』で、ゾラは主人公のクロード•ランチエを通じ、芸術家と自然との闘いこそが真実との闘いの連続であり、常に打ち負かされる天使との格闘の壮絶な悲劇を描いたと、訳者の清水正和さんの解説にある。 一方で私めは、クロードの本性を解き明かす為 . . . 本文を読む

時空をも歪ます文筆。バルザックとゾラ。

2018年01月14日 02時00分16秒 | バルザック&ゾラ
 バルザックの本を読む時、何時も思うのだが、"旧訳は口に苦し"というか。元々活字嫌いの私にしては相当にストレスが溜まる。その上、彼の著書は旧訳が多いから余計に。 彼の本を読む特は、出来るだけ概要を、気に入ったフレーズを書き写しながら、自分なりに再構築するかの様に浸りきる。恐ろしく手間暇掛かる読み方だが。 すると、不思議な事に、バルザックの万能マジックとかゾラの斬新なトリックとか . . . 本文を読む