あるブログ友の言葉に、”僕は妻に僕のマリア様を見出している”とあった。クリスマスにふさわしい言葉だと感動した。この言葉と全く同じ事が再現されてる小説がある。ここまで言えばピンと来る人もいるでしょうが。そうです、ゾラの『制作』です。 ゾラと言えば『居酒屋』ですが、この制作を読むと彼の別の一面を見たような気がします。クリスマス明けにはピッタリの一冊かもしれません。 もう一つゾ . . . 本文を読む
以前、『夫婦財産契約』の触りの部分を少し紹介したんですが。今回は、少し掘り下げて、レヴューを書きます。 因みに、バルザックといえば『幻滅』に代表されるように長編作家というイメージが強いが。私から言わせると、典型の中編作家の様が気もする。Sキングと同じで、長編だとどうしても間延びするのだ。 ゾラの方がずっとずっと長編に向いてると思うが、そのゾラの作品に不思議と長編モノは少ない。 ま、愚痴はそこそ . . . 本文を読む
昨日は、”鏡張りの部屋”ブログのバックナンバーを読んで下さった方、ホントに有難うです。私めのブログはこの”バックナンバー”こそ命なんですよ。ブログを横ではなく、タテに繋ぐ事で、アクセ数ではなく、アクセスの密度を何とか増やしたいんですが。中々うまく行かなくてです。 さてと、”海辺の悲劇”以来の、3ヶ月ぶりのバルザックですが。彼 . . . 本文を読む
昨日に引き続き、続けて投稿です。 3ヶ月後の6月に入ると、ジャックは新型の608号を運転するようになった。古女房のラ•メゾン号と異なり、気まぐれなメス馬を操りながら、体調も万全で、ひどく穏やかな幸福感に包まれてた。 ジャックは、火夫のべクーの愛人であるフィロメールを、二度に渡って寝取った。例の発作が治ったのか試したかったのだ。結果、何も起こらず上機嫌だったが、火夫のべクーとの関係は険悪に . . . 本文を読む
さて、前回は、ジャックとセブリーヌが、夫のルーボーを殺害し、アメリカへ逃亡する計画を夢見るが、結局、ルーボー殺害は未遂に終わる。 一方、”怪力娘”のフロールが、”恋する”ジャックを寝取ったセブリーヌに復讐する為に、彼女とジャックが乗った列車を転覆させるが。その現場をはっきりとジャックに目撃され、追い詰められたフロールは列車に体当りし、自殺する。 ジ . . . 本文を読む
前回は、ルーボー夫妻が、元裁判長でルーボーが助役を務める西部鉄道の役員でもある、グランモラン老人を列車の中で殺害し、お陰で夫婦の熱は冷めきり、ルーボーは自暴自棄になり、妻のセブリーヌは、主人公で同じ西部鉄道の機関士であるジャック・ランチェに想いを寄せる。 勿論、この悪名高き隠れ前科者の老グランモランは殺されても同然の老人で、派手な淫行でセブリーヌを犯し、踏切版のルイゼット嬢(後述するフロールの妹 . . . 本文を読む
さて、『獣人』のあらすじ編です。レビューだけでは、この作品の魅力の5%も伝わらないかと。ネタバレだと敬遠されそうですが。ゾラやバルザックの小説は、ネタを全てバラしても、物語の新鮮味や斬新さに深い味わいは、殆ど損なわれる事はありません。 私なんか、読む前に敢えて、あらすじと登場人物の概要を頭に入れ、彼らの世界に飛び込むのです。 欲望が狂気をあぶり出し、本能が本性が殺意を呼び醒ます。まるで、犯罪小説 . . . 本文を読む
昨日もコールガールのバックナンバーを読んで下さった方、ホントに有難うです。2日続けてなので、嬉しいです。 特にね、自分の美貌に自信のある若い娘に読んで欲しいんですよ。売春の甘い蜜と危険な罠、悦楽と崩落がこの本には十全に収められてますから。それにどんなコメントでもお受けしますよ。できる範囲内ですけど。 "東電OL"なんて単なる結果なんです。でもこの本は、半学術的なルポルタージュ . . . 本文を読む
この短編は『バルザック芸術/狂気小説選集1〜絵画と狂気篇』の中に収められてる作品だが。他にも既にブログで紹介した”毬打つ猫の店””財布””知られざる傑作”に加え、”ピエール・グラスー””石榴屋敷”が収録されてる豪華版だ。 バルザックの人気は未だ健在で、この様に復刻版というか、 . . . 本文を読む
エミール•ゾラと言えば、長編モノというイメージが定着してるが、短編もなかなかのモノ。 "オチに拘り、読者に強い印象を残す為の最後の一捻りは、ジャーナリスト生活で身につけた技巧である"と訳者が解説する様に、コミカルなユーモラスを全面に押し出し、笑いと感傷を誘う。全てにおいて落とし所が絶妙で、読者を唸らせるゾラの7つ短編集。「水車小屋攻撃」 戦争の残酷さと愚劣さと、二人 . . . 本文を読む