夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆WBS雑感 2007年問題への対応

2006年06月10日 01時12分27秒 | 企業法務学習日記
ワールドビジネスサテライトで2007年問題への対応についてのアンケート結果が報じられていた。最も多い回答は,退職者の再雇用。退職者雇用は2つの項目に分かれていたが,合計すると60%以上だった。それに対して,若年者や中年への技能承継と回答したのは17%程度。

これはどうなのだろうと思う。アンケート結果からすると,企業は,即効性ある解決策を選択しているように見える。今まで業務を行っていた人材を維持するのだから,最も手っ取り早い解決策だ。極端にいえば事務手続きをするだけで済む。それに比べれば,技能承継は時間も労力もお金も必要になる。

だが,長期的に見た場合,その選択が最終的な解決策にはなっていないことは明らかで,解決の先延ばしを行っているに過ぎないと考えられる。とりあえずしのげばいいという対処療法的な動き方になってしまっていはしないだろうか。

人材は,企業の力の源であり,また価値そのものでもあると思う。2007年問題への対応という意味では,技能承継を継続的に行い高い技能を有した人材を育成していくのが王道ではないだろうか。しかし,アンケート結果を見る限りにおいてではあるが,日本の企業には長期的に人材を育成する意識は乏しそうである。