夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆個人情報 三菱信託銀行,約17万人分の顧客情報を紛失

2005年06月02日 20時30分12秒 | 企業法務学習日記
 新聞報道等によると,6月1日,三菱信託銀行は,全国44の本支店で管理している約17万3000人分の顧客情報を記録したフィルム資料を紛失していたことが判明したと発表したという。同行の調査によると,原因は,誤廃棄の可能性が高く,外部流出の可能性は低いという。現在のところ,流出及び流出による被害は確認されていないという。

 同行のプレスリリース等によると紛失判明までの経過は次のとおり。

 同行は,顧客情報の管理徹底を目的として,顧客情報が記録されたデータ(マイクロフィッシュ)を同行事務センターにて集中保管することとし,本年4月より事務センターへの移管作業を進めていた。そして,同作業の一環として全店における当該データの保管状況の調査をしたところ,昭和46年(1971)から直近に至る間の一部のデータ(マイクロフィッシュ)が紛失していることが判明したという。

 紛失したのは,マイクロフィッシュという微細な文字で顧客情報が書き込まれたフィルム媒体合計251枚。書き込まれていた顧客情報は,約13万4000人分の顧客の氏名のほか,電話番号,入出金の明細,残高などが記載してあるという。

 移管作業を進めていたマイクロフィッシュは,全部で約300万枚にのぼるとされており,この点からすれば,第三者的に見ても誤廃棄の可能性が高く,個人情報の漏洩事例ではないといえる。また,報道対応にもとくに問題はなさそうである。ただ,HP上のプレスリリースの内容はより詳細なものとするほうが妥当ではないだろうか。あの内容では,銀行側の見解が示されているのみで,客観的に経過等を読み取ることが難しい。IR等の観点からしても詳細な情報開示が行われることが信頼性の向上に資すると考えられる。



◆anegoにみる今という時代

2005年06月02日 00時17分32秒 | 日記・書評
 日本テレビ系のドラマ「anego」を見た。30代,独身,キャリアか結婚か迷う女性を主人公に設定するあたりは負け犬という言葉がはやる昨今の時流をとらえているということなのだろう。何回か見ているが,今という時代を適度に切り取っていておもしろい。

 ドラマの要素を取り出してみて,ふと思った。30代の働く女性,上司(男性)からは信頼され,同世代や年下の同僚(女性)からも慕われている。もちろん仕事にもやりがいを感じている。そこには,かつてのお局様的イメージはない。目下の恋人候補は,年下のイケメン新入社員で能力も将来性もありそう。他方,会社社長と結婚退職したかつての同僚は,結婚生活がうまくいっておらず精神内科のお世話になっていたりする。主人公と対比すると,「負け犬万歳」という設定なのだろうか? 件の会社社長とイケメン新人とを両天秤にかけそうな一方,結婚への願望とその実現への伏線もありそうなストーリー。最後は,やっぱり負け犬万歳なのか,それとも若く将来性あるイケメン君をダンナにするという先物買いなのか,はたまた杉田かおる的勝ち犬?で終わるのか,多少なりと興味がある。

 それにしても,今という時代は女性にとっては生きやすい時代なのだろう。何かの調査で,「生まれ変わったら男と女どちらがいい?」と聞かれて,諸外国では多くが男を選択したのに日本は女を選択した人が圧倒的だったという話も聞く。もちろん,依然として男女差別的な土壌というのは残っているけれど,改善される方向にあっても悪化する方向にはない。生き方が規定されやすい男の人生と比べて,女性は自由にも思える。原始,女性は太陽であったと誰かがいっていたが,日本は本質的には女性優位の女系国家なんだろうか?

 立ち飲み屋で女性だけで飲んでいるシーンが度々出てくるが,これってかつてはオヤジの専売特許だったよな,などとふと思う。まあ,フィクションドラマで世相を考えることはある意味愚かではあるけれど。

 何はともあれ時間があれば来週も見てみようか。