4月から完全施行された個人情報保護法が企業の社内報に変化を及ぼしている。従業員の結婚や子女の誕生を知らせる欄や、新人紹介コーナーなどに個人情報があふれているためだ。多くの企業は本人の同意を得て掲載したが、中には企画自体を取りやめたり、本人の同意を得られず編集が困難になったりする例もある。「個人情報がないと味気ない」という声との兼ね合いは、なかなか難しい。(asahi.com 2005年05月13日)
個人情報保護法施行から1か月が過ぎたが,制度定着までの悲喜交々といった状況が社内報をめぐり起きているようだ。記事によれば,日本経団連社内広報センターや日本広報協会などにも相談が舞い込んでいるという。
社内報への個人情報の記載については,記事にある内閣府個人情報保護推進室の見解のとおり,たとえ社内や従業員間での閲覧・回覧を前提としていても本人の同意が必要だ。ただ,それ自体はそれほど困難な作業との印象は受けないのだけれど,現場での認識は異なるのだろうか?
確かに,家族の個人情報や退職後の動向を記載するとなると手間がかかるという印象はあるだろうが,利用目的が常識的範囲で管理体制を整えていると伝えれば同意を得ること自体はやはり困難とは思えない。事務処理の量的負担が増えることが敬遠されているのだろうか?
運用が安定すれば,こういった状況はなくなると思うが,それまではまだまだ混乱がありそうだ。