LHFトーク"GONDLA"

LHFの二人のだらだらトーク。

『その波動拳、ブランカに遠く』

2009年10月12日 | 過去の記事
田中太楼監督の『その波動拳、ブランカに遠く』を観た。

物語は本屋から始まる。

主人公の橋本イアラは本屋である本を見つける。

それが「君にもできる、偽善のススメ」という本だった。

その本を読んだイアラは次の日から様々な“偽善”を試みる。

そこで色々な人間たちに出会い、イアラが成長していく話である。


まず、この作品を「ありがちな青春映画」と捉えるのは間違いだ。

最初に出会った鮫島との会話は、暗にイラク戦争を批判しているし、

塗装屋の矢部がイアラを物干し竿で殴るシーンは、現代の若者に対する警鐘と言えよう。

そして中でも一番視聴者の心を掴むのは、最後の向居という老人だろう。

イアラに対し、冷たく厳しくあたる向居。

しかしイアラはその向居の中に、自分と同じ感情を見ているのだと思う。

それが、ラストシーンのカヌーのシーンに繋がって行く。


是非、機会があったらこの映画を観てほしい。

が、しかしそれは不可能な話だ。

だって、

こんな映画ないもん。