静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

今日も「田園」(ただし、ピアノ・ソナタの方。バックハウスの演奏です。)

2018年01月19日 21時02分29秒 | ベートーヴェン
今日も「田園」です。
ただし、ピアノ・ソナタの方。


ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第15番ニ長調op.28「田園」


ピアノ:ヴィルヘルム・バックハウス


録音:1961年





 写真のセットは「バックハウス大全集」
 1995年1月、大阪に佐渡裕指揮センチュリー響の「新世界より」を聴きに行った際、帰りに日本橋のワルツ堂で「えい、やっ!」と買ってしまったもの。
 30枚セットで定価5万円(当時、税込)でした。
 もちろん、今でも大事に聴いています。
(ワルツ堂では国内CDを15パーセントくらい割引して売っていましたから「大阪遠征で大人買い」は常識みたいなものでした。)
 オマケに、こんなのもついていましたよ。



 LP時代、私が最初に買ったベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集がバックハウスのものでした。
 たしか10枚組で1万8千円。
 ちょっと廉価になって再発売されたものだったと思います。
 社会人2年目の1981年、冬のボーナスで買ったのでした。
 だから、というわけではありませんが、その後いろいろなベートーヴェンのピアノ・ソナタ(全集)を聴いてきましたが、やはり私はバックハウスの演奏が一番だと思っています。
 LPは、CDの全集を入手後手放しました。


 そして、このソナタ第15番(通称「田園」)は、当セットの中で最も多く聴き返しているものです。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタで私が最も愛着を感じる曲ですが、演奏はバックハウスが一番いい。

 例えば冒頭の左手のズゥ~ンとした響き。
 瞬時に
「ああ、バックハウス!いいなぁ。」
と思わされてしまう。
 全編、硬質であるけども金属的ではない木質の響き。
 暖色系の響き(タッチ)。
 微妙に伸び縮みするテンポは特有の風合いを醸し出しています。それは本質的な魅力ではないとは思いますが、でも、そこも好き。

 第2楽章中間部はなんて美しいのだろうか!
 終楽章の速いパッセージも「煌びやかさ」なんてのは「程度が低い」とさえ思える「さりげなさ」と実直さで「ささっ」と描き進めていて、胸がすく。

 彼のベートーヴェンは全部ウォークマンに入れてあって(ステレオ録音だけですが)寝落ち用によく聴きますが、結局眼が冴えてしまって最後まで聴いてしまう、ってパターン多いです。


↓今でまでの「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ」関連記事(少な~・・・)
ポミエの「田園」ソナタ
シュナーベルの全集
ケンプの「悲愴」「月光」「熱情」
グルダの11番(アマデオ盤)


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (モト)
2018-01-20 19:32:32
木箱入りですか。LP時代の特典付録はさらにすごかったでしょうが、CD初期も豪華ですね。
演奏の話でなくて、すみません。
世代的に、過去の大権威という評価だったので、聴いたことがないのですが、おすすめなのでしょうね。
モトさん (親父りゅう)
2018-01-21 10:14:05
今は30CDでも、スリムな紙箱主流ですが、このころは「高級感」ありましたね。もちろん、価格も・・・。

バックハウスの名は、全然聞いたことないころからレコ芸などで見て知っていました。
1970年のベートーヴェン生誕200年で、各社ベートーヴェンの企画物を出していましたが、ピアノ・ソナタでは、キング(ロンドン・レーベル)がバックハウス、グラモフォンがケンプ、東芝がイヴ・ナット、というあたりはよく憶えています。
で、実際にバックハウスを初めて聴いたのは73年に高校の音楽室から借りた「皇帝&月光」のLPだったのですが、これが拍子抜けするほど渋くて「おとなしい」演奏に(当時は)聴こえたものです。
「鍵盤の獅子王」なんてキャッチフレーズとは全く違う印象でした。当時の耳と装置では、バックハウスの凄さは全然分からなかったのですね。
今でも、人によっては「下手」「地味」と受け取られるかも知れません。
Unknown (モト)
2018-01-21 20:51:10
私が聴き始めたころのベートーヴェン弾きと言ったら、真っ先にポリーニ(ポルリーニ)、実はすごいのはグルダのアマデオ録音と言われ、私はギレリスが好きになった。その後ブレンデルも3回目の全集に取りかかったのかな。

で、バックハウス、ケンプというのは、現役でもなかったし、古い時代の演奏家で、技術的にも今の演奏家には劣るという(誤った一面的な)評価だったと思います。
そういうわけで、そのまま敬して近づかずという結果になってしまいました。容貌も田舎のお爺ちゃんというジャケット写真ばかりでしたし。

今さらバックハウスでベートーヴェンのソナタを聴こうとも思わないのですが、どれか曲目をしぼって聴いてみようと思います。歳を取った今聴くと、多分素晴らしいと思います。
>モトさん (親父りゅう)
2018-01-22 11:39:12
ギレリスは全曲揃う前に亡くなってしまって残念でしたね。
私も彼のセットはとても気に入っています。
ブレンデルは3度「全集」を録音していますが、手元には3度目のものがあります。これもお気に入り。
(1度目の全集はデータ保存して盤は処分しました)
グルダのアマデオ盤も好きです。
私のは各楽章のトラック割りがない1曲1トラックの初期盤で、部分聴きには不便ですが、かえって集中して聴かされてしまいますね。
ポリーニ盤は、私には珍しく発売前から予約していたものです。

今後は、さすがにあらたに全集を買うことも無い気がしますが、最近の人で「これは」と思う人がいたら、いくつか買ってみるかもしれませんね。
でも、最近のピアニストってほとんど知らないんですよ
Unknown (モト)
2018-01-23 16:48:33
中古屋を覗いたら、バックハウスの国内盤全集が1万円、いかんいかん。
グルダの全集、あまり聴き込めず、そこそこ高値で売っちゃいました。手元にはブレンデルの3度目全集のみ。

で、その後のベートーヴェン弾きというと、アンダラーシュ・シフの2度目(?)の全集、小菅優の全集、キーシンが過去のライブをまとめた2枚組、アファナシエフが思い浮かびました。
Unknown (親父りゅう)
2018-01-24 18:21:01
高いですね、バックハウスの国内盤中古。輸入盤新品の倍くらいじゃないですか(*_*)
シフは、バッハは持っていますがベートーヴェンは聴いたことありません。どんなのでしょうね?
ペライアは聴きたいと思っていますが、お値段が・・・。
メジューエワも聴きたいですが、同じくお値段が・・・ということで古い録音に手が出てしまうんですね☺️

コメントを投稿