静かな場所

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ザンデルリンクのベートーヴェン交響曲全集を聴く

2012年05月17日 23時18分04秒 | ベートーヴェン


ベートーヴェン/交響曲全集


管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団



指揮:クルト・ザンデルリンク



録音:1980年、81年






 一ヶ月半ほどかかって、このセットをやっと全部聴き終えた。ベトヴェン交響曲全集、いつの間にやら手元に58セットほど集ってるけど、これは、その中でも時々取り出して繰り返し聴きたい演奏だ。
 ザンデルリンクって、ディスクはそんなに持っていないけど、どれもすごくいい。
「オーソドックス」という表現は、ちょっと違うと思うけど、いや、これは、極めて「オーソドックス」だとも思える。何だろう、この一音一音が真新しく耳に聴こえる佇まい。
音がそれほど前に出てこず、特に弱音部の静的なことは、単に録音(カッティング)のせいだけとも言えないだろう。フィルハーモニア管も、ベスト・コンディションで応えているようだ。美しい。
 そういえば、ザンデルリンクのチャイコフスキーもこんなだった。この人は、こういう本当に深い所で自分の色を出せるすごい職人だ。
「英雄」では、ちょっと手を加えた箇所が多いと思った。ティンパニの追加とか、第3楽章トリオの表情付けは、他の曲でのアプローチとちょっと方向が違うとも感じる。でも、それは些細なこと。
 背中でものを言う寡黙な、しかし、恐ろしいほど深々と味わいに満ちた全9曲。第1番の終楽章が盤をまたいでヘンテコな所に入っているけど、まあいいか。買った時はセール中で千円でおつりが来る価格だったけど、今は「正常」な値段に戻っちゃってるね。




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