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ネタバレ「私はあなたの記憶のなかに」角田光代 感想

2018-11-14 | 小説・漫画他
新刊ですが、過去に発表された短編作品を集めたものでした。
一番古い作品で1997年で、新しいものは2008年ということで、結構古いんですよね・・。

「父とガムと彼女」「猫男」「神さまのタクシー」「水曜日の恋人」「空のクロール」「おかえりなさい」「地上発、宇宙経由」「わたしはあなたの記憶のなかに」の計8編が入っていました。

うーん、私は角田作品の中で、読みごたえのあって、グサグサ来る話が好きなので、アッサリしているこれらの短編は、さらっとしすぎていたかなー。3つ★
でも、いかんせん、ずいぶん前の作品だし、角田さん本人も、今、これらを集めて新刊扱いで発表されてもなあ・・・って内心思っているかもしれないな^^


★注意 今日はネタバレで全部内容あらすじ・感想書いちゃってます★

「父とガムと彼女」
これはずいぶん前に、読んだ事があったお話。
自分が幼い頃、家にお手伝いさんとして来ていた女性。
規格外というか、自由な人で、彼女と交流することによって、自分のおかれた狭い場所以外にも、もっと広い世界があるんだ、って風に楽になれた、ってところが印象的だったお話。
<<初子さんは扉のような人だった。小学生だった私に、扉の向こうの世界を教えてくれた。>>

父の葬儀の時に、彼女にも声をかける、そして母に彼女はあの頃父の愛人だとずっと思っていたことを打ち明けるが、母は笑って否定する。
その場では母と娘は爆笑するんだけれど、その後、葬儀場で、母と彼女が一緒に泣いている処を見る。
やっぱり、母はあんな風に言ったけれど、自分の勘が正しかった。

「猫男」
《K和田くんは消しゴムのような男の子だった。他人の弱さに共振して自分をすり減らす。》
学生時代に少し親しかった男友達。優しくて良い子だったんだけど、行方不明になっている。
自分がかつて凄く好きだった男がいて、その男にそっけなくされた時に、側にいてくれて、一緒にケーキをやけ食いした懐かしい思い出がある。

「神さまのタクシー」「空のクロール」
女子高の学生時代のお話
空のクロールは、いじめの話で、読んでいて憂鬱だった。

「水曜日の恋人」
これも以前読んだことがあった。
《イワナさんは母の恋人だった。私は、母にふられた彼と遊んであげることにした。》
単に遊んでいただけだったのに、最後は警察に尋問されてしまい、母にもバレてしまう。

「おかえりなさい」
かつて学生時代の不思議な体験。その頃、チラシを配り勧誘するバイトをしていた。
ある日訪ねた家で玄関口に出て来た、老婆が、他人とは思えない様子で室内に招き入れてくれて、美味しい食事を出してくれた。
その後も、そこの家に行くのが習慣になっていく。老婆は、たぶん少々認知だったんだろう・・・
でも彼女は、いつも身綺麗にしてうっすらお化粧をし、自分と誰かを勘違いして、ときおり少女の様にはにかんだ表情をしたりするのだった。出される食事が、いつもとても美味しそう!
でも、そのうち老婆の家族にバレて、怒鳴られ撤退。

「地上発、宇宙経由」
携帯を持ったばかりの女性が、うっかりアドレスを間違えてメールを送ってしまった。送った相手は大学時代に知り合い、その後も何かと縁があった男友達だった。
間違いメールを受け取ったのは大学生の男。なんだこりゃ?って内容だったが、友人にそそのかされて、返信を打ってしまい、その後、なりすましでメール交換を暫くする羽目になってしまう。
大学生の男は、以前より気になっているショートカットの女子がいる。この女子がバイト先の店長(この人物こそ、メールを送るはずだった男その人!)と夕飯を食べに行って世間話などをしている。
ラストは、会いましょうっていう誘いにすっぽかしするしかなく、罪の意識で苦しくなっていた大学生が、ショートカット女子と食事に行き、お互いに打ち明け話をし、急速にお互い打ち解けて良い感じになって終わる^^

「わたしはあなたの記憶のなかに」
朝起きたら、妻の置手紙があった。
《「さがさないで。私はあなたの記憶のなかに消えます。夜行列車の窓の向こうに、墓地の桜の木の彼方に、夏の海のきらめく波間に、レストランの格子窓の向こうに。おはよう、そしてさようなら。」>>
その文章に載っていた場所、数か所に出かけてみる・・・
宙ぶらりんな感じのお話でした。

私はあなたの記憶のなかに 2018/3/3

角田光代
私はあなたの記憶のなかに
「坂の途中の家」
「平凡」
「私のなかの彼女」
「空の拳」
「口紅のとき」
「それもまたちいさな光」「月と雷」感想
「異性」「紙の月」
「曾根崎心中」「かなたの子」
「なくしたものたちの国」「ツリーハウス」
「水曜日の神さま」
「福袋」
「くまちゃん」面白かったです
「森に眠る魚」(ネタバレです 注意!)
「何も持たず存在するということ」
角田光代さんの小説色々感想まとめ
「三面記事小説」「マザコン」
「ロック母」
「薄闇シルエット」凄く共感、良かった 角田光代
「いつも旅のなか」「誰かのことを強く思ってみたかった」
「presents」「夜をゆく飛行機」
「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」 「恋するように旅をして」の感想
「対岸の彼女」感想と、全あらずじ 
「ドラママチ」 「太陽と毒ぐも」「12星座の恋物語 」感想
「八日目の蝉」 角田光代 凄く引き込まれて一気読み

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