ポコアポコヤ

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「三面記事小説」「マザコン」感想 角田光代

2007-12-12 | 小説・漫画他

本当は「予定日はジミーペイジ」が読みたかったのだけれど、図書館にまだ入っておらず、その変わりに他の角田光代さんの新刊2冊を借りて来ました。

まずは三面記事小説
実際に掲載された新聞の三面記事から、その背景を丹念に描いた短編フィクション集。角田さんの「八月の蝉」っぽい感じというか・・・。短編ながらも、人物描写が凄い・・・。濃いというかなんというか、すごい力量だな~って感じました。
すごく引きこまれて読んだのですが、この小説の発端が実際に起こった事件というのが、どうしても引っかかっちゃうんです・・。それぞれの事件に関係している人が今もご存命でどこかで暮らしているわけで・・・。フィクションとはいえ、実際に、こうなんじゃないか?って思われちゃう可能性も無い!とは言えないんじゃないかな・・とか思って。

どれも凄かったんだけれど、「永遠の花園」「赤い筆箱」は、本当にこういう女子中高生の心理描写が凄すぎる・・と、恐れ入りました。
「ゆうべの花火」中盤からは、読みながら、見てられないー!!!って気持ちに。
「光の川」これは、人ごととは思えなかった・・・。将来自分も、その立場になるかもしれない・・と思うと、とても辛く、そして怖くなった・・。

「愛の巣」26年前に殺害し自宅床下に埋めた死体・・・
「ゆうべの花火」会社の同僚の小柄な男、いつから立場が逆転したのか・・?
「彼方の城」男子高校生にわいせつ行為をしたとして捕まった38歳の主婦・・
「永遠の花園」女子中学生が男性教諭の給食のお味噌汁に抗うつ剤を入れ
「赤い筆箱」私の通っている私立の学校の受験に失敗した社交的な妹・・
「光の川」 痴呆の母を介護する独身の息子、、、、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次に読んだのが「マザコン

世によく聞きイメージする「マザコン」とは、ちょっと違った雰囲気の小説でした。

空を蹴る/雨をわたる/鳥を運ぶ/パセリと温泉/マザコン/ふたり暮らし/クライ、ベイビイ、クライ/初恋ツアー

う~ん、どの作品も、これと言ってインパクトが無かったというか・・・。
マザコンというタイトルに、ばしっと来る小説って感じもあまり無かった気が・・・。 ただ、それというのも、勝手な私の中での「マザコン」なるイメージがあって、それとは違っていたからかもしれません。

2日続けて角田さんの本を読んだのだけれど、三面記事小説が凄くダークだけど凄く引きこまれちゃったせいもあって、どうもこちらの「マザコン」は薄味?に感じちゃいました。

角田さんは、姉妹ものを多く書かれる気がするのです。実際にご自身も妹さんだかお姉さんがいるそう。(小川洋子さんは、姉と弟とか、異性の兄弟を書くことが多い気が・・)やっぱり実際自分がその立場になった経験って上手に書けるんだろうな。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (藍色)
2007-12-13 02:44:57
こんばんは。
「三面記事小説」
ただでさえリアルって感じている角田さんの「事件小説」。
どの作品もインパクトが凄かったですね。
思ってたよりもリアルで、ホラーに近い感じさえしました。
「光の川」は、将来のことを考えると身近で避けて通れないことなので、辛くなり考えさせられました。
「マザコン」
同時に読んだら薄味でしょうね。
同じ角田さんの短編集ですが、まったく違ってましたね。
「初恋ツアー」が好きです。

「予定日はジミーペイジ」でまた印象が変わりますよ。
読まれたら角田さんの母物四部作、制覇です(笑)。
藍色さん☆ (latifa)
2007-12-13 18:54:39
こんにちは、藍色さん
ほんと、ホラー小説に近いものがありました。そして、いつもながら登場人物の心理描写が、鋭くて、短編なのがもったいない感じでした。
マザコンを先に読めば良かったかな・・・?

予定日はジミーペイジは評判が良さそうなので(amazonで見たら)、そちらも是非読みたいのですが、図書館で入れてくれないんですよ。なんでだろう? 
三面記事小説 (エビノート)
2007-12-13 20:11:10
こんばんは!
まだまだ記憶が風化しきっていない事件がモチーフだったので、生々しかったですね。
実際の事件関係者が読むと、どうなんだろう?と私もちょっと考えてしまいました。
事件とは全く無関係で、ふう~んと流してしまっていた私には、角田さんの心理描写に怖さを感じました。
全然他人事じゃないんだなって。
エビノートさん☆ (latifa)
2007-12-14 09:24:25
こんにちは、エビノートさん
ほんとにね・・・。ちゃんと新聞の記事の写真が載っているのにはビックリ・・・日付も入っているし・・・。しかも割と最近の事件なので、おっと・・・と、思ってしまいました。

私は角田さんファンなのですが、この本も凄かったし面白かったんですが(という表現は、ちょっと不謹慎かな・・と思ったりもしますが・・)、なんとなーく、実際の事件にかかわった人達の事を思うと、絶賛するのがはばかられました。

比較する自体が、そもそも主旨が違う本なので、すごくおかしいのですが、村上春樹の、サリン事件について書かれた本(タイトルは、アンダーグラウンドだったかな・・?)みたいなのが私は凄く好きだったのです・・・(事件の関係者に対して作者が愛情を持って書かれているのが伝わって来る内容というか・・)
Unknown (june)
2008-06-24 21:31:51
今ちょうど手元に「三面記事小説」があるのです。
なので、上の方は見ないように「マザコン」のところを読んだら、
「三面記事小説」の方がおもしろいみたいじゃないですか!
これは早めに読まなければ・・。

「マザコン」というと、私は冬彦さんをイメージしてしまいます。
でも全然そういう話じゃありませんでしたね。
マザーコンプレックスを文字通りとらえたら、しっくりきました。
juneさん☆ (latifa)
2008-06-25 09:28:23
こんにちは~juneさん
今頃はjuneさんはお仕事中かな? 私は今日はお休みです^^

う~~ん、個人的にマザコンよりも、三面記事小説の方が面白かったのは事実なのですが、正直、この2作品、それほど私的には、好きな小説では無いんですよ・・・。最近読んだ角田さんの小説では、「八月の蝉」が一番抜きんでて面白く、好きだったんです。
その後は、角田さんの作品で、それを越える作品はまだ登場してないかな・・・

そうそう!私も、冬彦さんをイメージしちゃったんです。で、文字通りとらえると、しっくり来ますよね!
Unknown (Unknown)
2008-06-27 04:04:31
赤い激流でコメントした関西在住のひのえうま女です
latifaさんは最近テレビをご覧にならないようですね
私もテレビは最近は前に書いたように車に乗りながら
地デジ電車に乗りながらワンセグのパターンなおかつ
電車の場合は本を読みながらワンセグのパターンですそれにしても今のテレビはほんとうにつまらないです
冬彦さんのずっとあなたが好きだったや続編の誰にも言えないのころはたしかにおもしろかったのですけど
今のテレビはたとえばニュースワイドショーで通り魔事件をあおりそれを模倣させるくらいです残念ですが
ひのえうま女さん☆ (latifa)
2008-06-27 08:48:08
こんにちは~ひのえうま女さん
そうなんですよ・・・。最近これ!ってハマれるドラマが無くて、残念です。
でも最近「ラストフレンズ」は友人達が面白いよ!ってお薦めしてくれたので、途中から見て、なかなか面白かったです。やっぱり上野樹里は凄いな~!と思いました。のだめちゃんのイメージとは全然違った役を演じきっていました。今後も期待出来そうな女優さんだわ~。

電車で本を・・は、私もしたいんですが、座れないと本を読む気にならないので・・(立って読んでも良いのですが^^ パワーが無くて)
あと、図書館で本を借りることが殆どなのですが、文庫本が少なくて、単行本(でかいやつ)なのです。あれって結構重量があって、持ち歩くのが鞄が重くなっちゃうので、どうしても家で・・・になってしまうんです
Unknown (june)
2008-07-11 22:05:59
latifaさん、こんばんわ。
「三面記事小説」読みました。
角田さんすごいなぁってしみじみ思ったんですが、

>この小説の発端が実際に起こった事件というのが、どうしても引っかかっちゃうんです

私もこれは思いました。事件の真相がどうだったのかは知らないのですが、「
赤い筆箱」なんてすごくまずいんじゃないかなぁ・・とか。

そして「光の川」にはlatifaさんと同じく恐怖を感じました。
介護する方もされる方も、人ごとじゃないなぁって・・。
みにつまされました。
juneさん☆ (latifa)
2008-07-12 09:38:13
juneさん、こんにちは~
そうなんですよー、私も角田さん、すごいって思う反面、ちょこっとだけ、実際の事件となると、大丈夫なのか・・・?って事が気になっちゃって・・・

赤い筆箱とえいば、前半の姉妹の描写とか、すっごかったです・・・こういう深層心理みたいの書かせると、すごく角田さん上手いですよね。

光の川は、ズドーンと来ました・・・。はぁ~っ。。。
Unknown (masako)
2008-08-03 15:14:15
実際の事件の概要は違うんでしょうけれども、もしかしたらこういう背景があったのかもしれないな、と思わせる上手さがありましたよね。

確かにおっしゃるとおり、実際の事件をモチーフにというのは考え方にもよるとは思いますが、当事者が読んだらどうかな、とは思いました。ひっかかってしまう気持ちはなんとなくわかります。

また全くの他人事ではなく、何か一つ間違えたら自分にもふりかかりそうな感じでちょっと怖かったです。特に最後の「光の川」はいろいろ考えてしまいました。
masakoさん☆ (latifa)
2008-08-04 14:05:01
こんにちは~masakoさん、暑いですねー。

暑い中読むと、クールダウン出来る小説ですよね、これ・・w
そうなんですよ。他人事ではなく、一つ間違ったら、自分にも・・って怖さがある小説でしたよね。

凄く面白かったんですが、当事者および関係者の方が読んだら・・と、つい、余計な心配をしてしまいました。

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