「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」 「恋するように旅をして」の感想

昨日のよみうり新聞の夕刊に、角田さんのインタビューが載っていて、そこに結婚に至る経緯が書かれていました。
角田さんは、自分のお母さんとは違う生き方をしたいと思っていて、結婚する気がなかったのですが、お母さんが去年だかに亡くなられ、亡くなる前に「私が死んだら、（あなたが）一人ぼっちになるから、結婚して欲しい」って言われたそうで、考えを変えたらしいです。角田家は早死にの血統だとか・・・。

下のエッセイに書かれていたのですが、相模大野にお母さんが入院されていたそうで、角田さんがいつも小田急のロマンスカーで行っていたそうなのです。だから今遊び等の目的で、箱根とか行く際、ロマンスカーに乗っても、相模大野を通る時、平常心でいられずに、悲しい気持ちになってしまう・・・と書かれていました。

ここのところ、角田光代さんの旅がらみの本を３冊読みました。「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」と、「恋するように旅をして」 と、「いつも旅のなか」です。今日は、前の２つの感想を書き留めておこうと思います。

「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう」
エッセイ集、凄く可笑しくて、何度も笑ってしまった。私も同じ！って部分が８割くらいあったかな。今まで読んだ角田さんの本で、一番可笑しくて面白かった☆

「話しかけてくるのは誰？」心理テストが、面白かったー！
自分が転校生で新しいクラスに入って来た。クラスメートの異性は全員アニメキャラ。さて誰があなたに最初に声をかけてくるでしょう？という問題。角田さんは、話しかけて来て欲しいのは、ブラックジャックや、エースを狙えの藤堂先輩だけど、実際はペーターには爆笑。
ちなみに私んちもやってみました。私もペーターかルパンで悩み、結局ルパンに。娘はワンピースのルフィー、旦那はハイジでした。答えは、「自分に一番合う異性」だそうです。

「鼻毛が出てないか不安・・・」「プチトラウマ→トイレが無い処で、トイレ行きたくなったらどうしよう病」「立ち食い蕎麦的美容院」「狩猟型？農耕型？」「物件運があまりない？けど、旅運が良い」「恋愛模様の渦中にいない」（たとえば同じクラスの中で、自分の知らないところで、色々な恋愛沙汰が行われていて、知らないのは自分だけって状態）も同じ＾＾しかも、犬顔の人が好みと書かれていて、びっくり＠＠　他にも色々、あるある！言えてる！ってのが一杯。ほんと楽しく読みました。

５年後のごはん代と、今日のごはん代、どっちが切実？ってエピソード内で、アジアンな旅行先で、ありがちな、値段とか、ぼって来る店屋がその日限りでわずかな儲けを得るのと、正規の値段で信用を得て、その後評判やツテで着実に売り上げが上がるのとじゃ・・って比較に、おお！と感動。考えてみたこともなかった。

「顔か中身か？」じゃなくて「顔・中身か、服か？」話しの下りは、なるほどな～！！と思いました。確かに男性が女性見る時にも、それ凄く言えてる気がする。

「おばさんに思うことありますか？」は、読んでいて、はっと思いました。これはこれらのことを膨らませて、きっと、「おやすみ、こわい夢を見ないように」の中のパート主婦が出て来るお話書いたのかな？とか、水道が壊れて下の家に漏れちゃったという事件は、これも膨らませて、「人生ベストテンの中の「床下の日常」書いたのかな？って思っちゃいました。

あと、サザエさんのフネに憧れてるっていうのは可笑しかった～。

「恋するように旅をして」 (2005/04)
「あんた、こんなとこで、何してんの？」には爆笑！私も似たような経験が何度もありましたんで・・・。２５過ぎた女が、海外で、一人で、何ぶらぶらしてられるの？？って事ですよね。私の場合は旦那もいるのに　って言うのまで更にプラスされてたな・・・
寒がらないトーマスさん
これも、いるいる！！って笑っちゃった。欧米の人の中に、やたら皮膚が鈍感？丈夫？な人がたまにいますよね。寒くないの？？？って人。

ベトナムでベトナム女性と結婚を決めた日本男児と知り合いになり、言葉が通じないでも２人の愛は～状態で。彼は「彼女みたいな従順で優しい女は、もう日本にはいない」と言い切り。しかし、その後、彼女の写真を見せてくれて「日本人みたいでしょう？アイドルの丸々に似ていると思いませんか？」発言に角田さん、目眩がした・・・ってお話。これ読んで、う～～っと言葉に詰まりましたな。その場にいたら、あらららら・・・って少し思ったかもしれないけれど、でもその日本男児の気持ちも解らないでもないんだな。

このエッセイを読んで、私と違うな～って思った部分が、色々ありました。
角田さんは、食事する時誰かと一緒に取りたいなとか、お酒を一人で飲むより誰か誘って飲みたいぞ、って思っている人で、日本人の旅行者（男女問わず）に自ら積極的に声をかけて、一緒に食べたり、仲良くなっちゃったりするんですねー（私は自分から声かけることは皆無。軽く会釈ｏｒ挨拶など、そういうのは感じよくする方だし、声をかけられれば、感じよく接するけれど）
それで、角田さん的には、単にその行為？は、一緒にご飯って気軽な事なんだけど、相手にとっては、勘違いされることもきっとあるような・・・。で、実際、危険な？目に遭っちゃったりもしていらっしゃるようで、、、

でも「旅トモ」みたいな感じって、フリーでアジアなど旅行したことある人なら、きっと殆どの人が味わった感覚なんだろうな～って、とても部分部分共感しちゃいました。角田さんは、３０回？３０国くらいだっけな？あちこち一人で貧乏旅行している人なので、その辺の処の感覚や表現が、とっても上手だな～って思います。

もう文章が凄く長くなっちゃったので、「いつも旅のなか」は、次にアップします。
　（追加）書きました「いつも旅のなか」「誰かのことを強く思ってみたかった」感想

前に書いてた角田光代さんの小説色々感想まとめ