８つのお話。何かを待っている女性のお話。全てのお話に「喫茶店」が舞台に出て来るのが面白かったです。中でも「ドラママチ」の大家のおばあさんの趣味である「喫茶店巡りは海外旅行みたいなもの」というのには、解るな～！って思いました。
私も中学校の頃から１０年くらいの間、（特に中高生の時）喫茶店巡りが趣味だったんです。必ずマッチをもちかえって、コレクションしていたものでした。
よくもまぁあんなガキが、時間が止まってしまったかのような暗くてあめ色になったような椅子とかある喫茶店に入ったりしてたな？って自分の事ながら呆れるます。でもドアを開けたとたん別世界がある、あの感じが凄く好きで。普段ドラママチ？してる状態で、毎日繰り返される退屈な日常から、手軽にどこか別空間に行けちゃうっていうのが好きだったのかな。あの頃は、今とは違って雰囲気ある喫茶店、みたいのが色々あった時代だったんですな・・・。重厚なジャズとかかかってそうなお店だけじゃなくて、あの頃電光ライトっていうのかな？喫茶店のお店の名前が青とか細いライティングされて白っぽい明るい感じのお店っていうのあって（今は無いな～！）そういうお店も好きでした。
さて、前置きが長くなりましたが、ドラママチの感想を。
ドラママチ 角田光代(2006/06)
コドモマチ・ヤルキマチ・ワタシマチ・ツウカマチ・ゴールマチ・ワカレマチ・ショウカマチの８つ。
全体的に、なんでこんな冴えない男に・・・？って気持ちと、諦めに似た達観？みたいな気持ちを感じて、実は面白く読めたものの、好きとはいえない小説でした。角田光代さんの、この前読んだ「present」の方が、もっと好きだな～。
○コドモマチ
私が交際した男は、みな私以外に恋人を持つ・・。尾行する女（角田さんの小説には、よくこういう女性が登場しますね）
○ヤルキマチ
ウインナ男と長すぎる不倫をしている主人公。自分が長い間同じ状態で何もせず待っている間に、回りはどんどん変わり・・・。そんな状態に疲れてしまってる。人を見下すことに楽しみを覚え・・・。
○ワタシマチ
美人という特権を持つ主人公。過去の栄光を引きずっている・・・今、隣を歩いている冴えない男は・・・（この話は、最後の行動が・・私ならヤダな～）
○ツウカマチ
１４年彼氏いない歴、、男をこわがらせてしまう（この部分が絶妙でさすがです！！）様になっちゃう主人公が、今回こそは、失敗しないようにしたんだけれど・・・（どこがダメだったんだろう・・(;_;) 彼女に幸あれー！！）
○ゴールマチ
少女時代、漫画友だった男関係の激しい親友と「でんえん」という喫茶店を開いている主人公。 ４０直前で、１０歳年下の男にひそかな恋心を抱いている。親友が沖縄に帰る決定を下した「１ヶ月間誰にもナンパされなかったから」のセリフが凄かった。
○ドラママチ
昔は素敵だった彼が、今では蛙みたいになっちゃった・・・。結婚目前なのに、ブルーな主人公。
大家のおばさんの「喫茶店巡り」の部分が好きだったし、ラストも前向き？で、この８つの中で一番好き。
○ワカレマチ
たまごサンドとソーダフロートがおいしくい、東郷青児が飾ってある喫茶店。
２世帯で暮らす、姑が意地悪で・・・
○ショウカマチ
やりたい、やりたい、その欲求がうごめいている。欲求不満で、アルバイト先で一緒の青年の指につい目が行ってしまう・・・。（最後の方、青年との会話やその場の雰囲気が、もう読んでらんないほど、痛い辛い（；＿；））
喫茶店といえば、私が中２位のころ、ピアノ教室の側にあった喫茶店で、メル友じゃないけど、喫茶店のノート友がいたことがありました。喫茶店によっては、誰でも書けるノートみたいのがおいてあって（最近はめっきりみかけなくなったな～）そこに、当時私が好きだったアーティスト名のニックネームを語った人がいたんですね、最初は同じアーティストが好きというちょっとしたことがきっかけで親しくなったんです。結局ノート上だけで、一度もお互いの姿は見ることは無かったけど。
毎週私がその喫茶店に行くと、彼女がお返事や日常思ったことを書いてくれてる・・・というやり取りが暫く続いて、すっごく嬉しくてね・・・。相手の女性は、２０歳くらいの看護婦さんだか、看護婦学校に行っていた人でした。自分より６個も年上のお姉さんと、お話出来るっていうのが、姉とか年長の同性の友達が一人もいなかった私にとっては、本当に嬉しい事でした。
角田光代さんの本色々感想まとめ
コメント、トラバありがとうございます。
いろんな境遇に置かれた女性たちの、
向き合う姿が印象的な短編集でした。
やっぱり男の人たちが良くなかったですね。
中学校の頃から喫茶店巡りを趣味にされてたんですね。
私は、一人ではとても行けませんでした。
高校時代に友達との待ち合わせで使って、どきどきでした（笑）。
ノート友だちさんのエピソード、ステキですね。
私も一人っ子だったので、そういう嬉しい気持ち、
とてもよくわかります。
まだ、あちこちからいただいたコメント、トラバの
先様への書き込み、トラバ返しの途中で、
まだ自分のサイトの書き込みができていません（汗）。
もう少し、お待ちくださいね。
これからもよろしくお願いいたします。
また、お気軽にどうぞ。
こちらこそ、コメント・TBどうもありがとうございました☆
藍色さんは、一人っ子なのですね？私にも一人っ子の娘がおりまして、それと昔から、何故か一人っ子の友人が多いので、親近感が（勝手に(^_^;)）沸いてしまいます。
このドラママチは、ちょっと女のイヤな部分・・・というか、生臭い部分をさらけ出してる部分があって、読んでいて爽やかな気分にはなれない小説ではありましたが、こういう部分を書くの角田さん、とても上手ですよね☆
以前藍色さんに紹介して頂いた本も、また順繰りに読んで行きます。
お忙しいのに・・・ありがとうございました
うちのブログにコメント＆TBをありがとうございました。
さて本題。私も最近喫茶店へ行くのが好きになってまして。
でも、チェーン店が多いんですけどね。コーヒー飲んで落ち着けるだけで十分なので。
角田さんの本を読んでいると、中央線沿線のいい雰囲気の喫茶店に行きたくなりますね。
いつか機会があったら足を運んでみようと思っています。
こちらの感想を読んで、改めてそれぞれのストーリーが蘇ってきました。
「ワタシマチ」のラストはねえ…光と影がある主人公らしい行動で
全体的に見れば好きなキャラクターですけど。実在なら誰だろう？と考えてみたり（笑）
こちらのブログを拝見してたら、またこの本を読みたくなってきました…
改めて、今年もよろしくお願いします。素晴らしい一年になりますように。
食べ過ぎというか、生活が不規則になって、治りにくくなっちゃったかな～。
おっ、takeshiさんも喫茶店へ行くのがお好きなのですね。
私は、コメダコーヒーという、チェーン店へ、最近何度か行きました。
本当は、漫画とか雑誌とか色々あって、のんびり時間つぶし出来る様な珈琲屋さんが好きだったりするんですが、昔はそういうお店が一杯あったのに、今は殆ど見ないような・・・。
今あるのは、スタバとか、あの手のお店（あんまり本や雑誌は置いてない）が殆どで・・・いや、そういうシアトルコーヒー系のお店が、別に嫌いって訳じゃないんですけれどもね・・・。
あ、本の感想を全然書いてませんでした(^^;)
角田さんの本、相変わらず、ちょこちょこ読んでいます。やっぱり面白いな、って思うことが多いです。
そういえば、J-WAVEで生を見られた女優さん、女の子の赤ちゃん無事出産された様ですね＾＾
あの頃は友だちと一緒でもなかなか足を踏み入れることができなかった気がします。なんか、大人の場所って感じで。
私もドラママチが一番好きでしたが、
＞「１ヶ月間誰にもナンパされなかったから」
のセリフにはやられました。さすが角田さん！です。
これをかけるのは角田さんか、絲山さんくらいだと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。
住んでいる環境や街の雰囲気でも、やっぱり
少々違うのかもしれませんね・・・。
確かに、あんまり多い子が、そういう処に
出入り？は、してなかったかもしれませんが、
私が住む場所は、喫茶店がとっても多い地区
だったんです。すぐ側にとても大きな大学が
あったせいかな？学生街だったんです＾＾
＞「１ヶ月間誰にもナンパされなかったから」
私もコレには、ギクッ。
＞これをかけるのは角田さんか、絲山さんくらいだと思います。
という、絲山さん 部分に反応してしまい、実は今の今まで、知らなかったのですが、さっそく図書館で２冊リクエストしてしまいました(^^;)
今後も、june先生、色々教えて下さいネ！
好き嫌いが分かれる気がしますが、私はすごく好きなのです。
latifaさんの感想楽しみです。
かえって、またコメント頂いちゃって、有り難いやら、申し訳ないやら！
そんな、全然、まったーーく気にしないで下さいっ。
私の方は、これをきっかけに、その絲山さんという方を知ることが出来て、読みたいって、思うに至れて、すっごい有意義？だったんです！
と、言っても、まだ読んでないので、読んで、いまひとつ楽しめない可能性も有るかとおもいますが、
もし、そうだとしたって、読んでみなけりゃ解らない！それに、しょせん図書館で無料でだし、数打ちゃ～あたれ！みたいな感じで、普段読むことが多いんです＾＾
私は、まだ読書歴すごく浅くて、知識全然無いんです。だからこそ、いつもjuneさんのところ、とっても参考にさせて頂いています☆
これからも、juneさん、どうぞ、よろしくですー