LanguageStyle

■「日本人と英語」を考えてゆくブログ

ディクテーションの方法

2007年11月18日 | 記事
英語学習法―ディクテーションという方法

 英語学習の方法とはどのようなものがあるのでしょうか。僕は以前「英語学習の方法について」(2007年6月30日)という記事を書いて、そのいくらかの方法を紹介しました。ここではその中で取り上げた「ディクテーション」についてそのやり方などを紹介しようと思っています。
 ディクテーションとは日本語にすれば「書き取り」の意味ですが、もう少し詳しく言えば、dictationですので、「言われたこと」を書き取る作業を意味します。dictateは「~を口述する」という意味の他動詞です。録音された音声を教材とし、口述されているものを自分の耳で聞いて書き取るのです。言われたことをそのまま文字に起こせばよいので、学習方法としては非常にシンプルです。テープ起こしという在宅ワークがありますが、それを英語でやるのだと思えばよいでしょう。余談ですが、テープ起こし業界では、テープに録音された音声を忠実にそのまま文章化することを、「素起こし」と言うらしいですね。ディクテーションという学習方法では素起こしを継続してゆくことによって英語力の向上につなげてゆきます。
 「英語学習の方法について」でも引用しましたが、もう一度ディクテーションの基本的原則を『英語力とは何か』(山田雄一郎、大修館書店、2006)から引っ張っておきましょう。

【リスニングを中心にした統語力訓練】

練習法=録音教材を聞きながら、スクリプトを作成する。

留意点

① 教材は、スクリプト原本と録音教材のセットになったものを利用する。
② 会話教材ではなく、物語性のある読み物教材を中心とする。
③ 教材は、学習者の興味に合わせて選択する。
④ 教材の難易度を適切に判断する(スクリプトの作成作業であるから、学習者のレベルより低めのものを選択する)。
⑤ 未知の単語は1ページあたり3語程度にとどめ、それを大きく超える教材は避けるようにする。
⑥ 2週間で1教材(適量は、10~20ページ)のペース配分ができるよう、難易度と練習量を調節する。
⑦ この訓練は、学習者の自習を基本とする。
⑧ この訓練は、毎日行うことを基本とする。
⑨ 練習量は、学習者の判断にまかせるが、その場合も⑤を原則とする。
⑩ 聞き取れるまで、何度も録音を聞く。
⑪ どうしても聞き取れない箇所はテキストで確認してよいが、スクリプトはあくまで自分の力で完成する。
⑫ 教材の選択は、語彙力の訓練を兼ねて、トピックができるだけ広範囲に及ぶよう工夫する。
⑬ スクリプトの作成は、発音訓練を兼ねて行う。
(赤字はブログ作成者)

準備をしよう!

 ディクテーションに必要なものを準備しましょう。iPodやMDプレイヤーなど音声再生機器でもディクテーションは可能ですが、ここではパソコンを使ったディクテーションを紹介します。用意するものは以下のものです。
  1. パソコン
  2. 音声教材(オーディオブック)
  3. 音声教材に対応するスクリプト原本
  4. ディクテーションソフト
  5. 書き取る紙など

 (1)はお使いのパソコンでよいと思います。
 (2)と(3)はご自分で用意していただく以外にはありません。インターネット上のものを使っても良いかと思います。音声教材は別名「オーディオブック」ともいいます。audioのaudi-は「聴く」と言う意味を持っており、audience(聴衆)やaudition(オーディション)などにも見られる語根です。ネット上で公開されているものは「オーディオブック」などの語で検索すればヒットします。「オーディオブックについて」という僕の記事も参考にしていただければと思います。
 (4)のディクテーションソフトについては次のソフトがオススメです。

Okoshiyasu2


Okoshiyasu2

 このソフトの特徴は以下の通りです。



 ディクテーションを始めると何度も何度も巻き戻して聞く作業が欠かせなくなります。特に最初のうちはなかなか聞き取れないためこれを多用することになります。そこでこのソフトの利点が発揮されます。このソフトでは巻き戻しと早送りの秒数が指定できるのです。3秒ほど巻き戻す、5秒ほど巻き戻すなどをあらかじめ設定しておけばボタン一つで指定秒数だけ巻き戻して聞くことができます。僕はショートカットキーを次のように設定しています。
 再生・一時停止⇒Ctrl+Space
 巻き戻し⇒Ctrl+B
 これで文字を起しながら一時停止をしたり巻き戻しをしたりをすばやく行うことができます。
 このソフトの動作環境はMicrosoft Windowsということです。Windows XPでの動作は確認済みであるといいます。僕のWindows Vistaでも動きました。
 (5)の「書き取る紙など」は音声を書き取るための紙なりその他の文字を書き連ねるものを指します。僕はパソコン上でやることが多いのでワードでファイルを作っています。このファイルはご自由に使ってもらってもかまいません。ファイル内でのフォントの大きさは15ptが最適かと思います。僕はパソコンを使って書き取りを行い、1ページに2ページ分印刷されるようにして、印刷したもので原本スクリプトとのすりあわせを行っています。ディクテーションによって統合力訓練を行ってみませんか。

※ブログランキングに参加しています。よろしければクリックをお願いします。
にほんブログ村 教育ブログへ 人気blogランキング


↑B

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。