気ままに戯言 ・・・

日々の出来事であったり、見聞きしたものへの感想であったり、時には不動産の知識や裏話であったり、気ままに書き綴ります。

禍転じて・・・

2011年06月29日 | 業界裏話
 この間、お仲間業者であるAさんと、私が依頼されていた長岡の某土地の調査に出かけて、敷地内に車を乗り入れたら泥濘に填まり、出られなくなってしまうというアクシデントに遭った・・・。その日は天気も良く、場所は丘陵地にある平坦な土地で雑草の多少生い茂る、少なくとも地盤は硬そうと思われる土地だったのに・・・である。

 土地も人も見掛けじゃ~分からない・・・。良く見れば隣地崖から水がチョロチョロと流れており、敷地中心に集まって浸透し泥濘を作っている。雑草がそれを覆い隠しているので表面的には分からず、何の疑いも持たずに車でその土地の中心に侵入した私は、まるで蟻地獄に陥った可哀相なアリのよう・・・「はれぇぇぇぇ~~~! たすけちくりぃぃぃぃ~~~!!」てな感じ?(もっとも、泥濘に填まったと分かったのは帰る時ですが・・・) 

 Aさんは幸い敷地の端っこに停めたので事無きを得たが、こういう時に貧乏クジを引くのはどういう訳かいつも私・・・。ま、「日頃の行いが悪いからだヨ!」なんて声が聞こえてきそうですが、要は、注意力が足りないのです! 注意力が・・・。

 まだ仕事になるかどうかも分からない土地を見に行って、やむを得ず脱出の為に請うた業者さんに支払わねばならぬ料金が実に悔しくてなりませんでした。しかし、それにしても泥濘から出そうと車を動かしたAさんが「私にも責任が!」と強硬に半額負担してくれたのは恐縮です。そうなると、どちらかと言えばAさんの方が悔しくて当たり前ですよね! 本当に申し訳ありませんでした、 そしてありがとうございます、 Aさん!

 外に出なければならない仕事をしていると、それも車を使っていると、こんな計算はずれの出費がままあります。スピード違反、駐車禁止で切符を切られる、うっかりで事故を起こす、そして今回のような出来事だの・・・

 そんなことがある度に落ち込む私ですが、ところが、Aさんはトラブルの真っ最中に私にこう言いました・・・

「良い方に考えましょうヨ! これがあったからこそ得られたものだってありますヨ・・・。それは、実はこれがなかったら私自身がこの土地を手に入れることを考えたかもしれません。しかし、この件でこの土壌が分かったから、止めます。その判断材料になったのですから“この出来事は感謝”です。」

 なるほど!・・・“禍転じて福と成す”・・・なのか。確かにそう考えていたならばAさんにとってはラッキーな出来事と言えるのでしょう!(だと、負担して貰ったことへの罪悪感も消えます)・・・私にとってはとりあえず「・・・×××」ですけどネ

あの日以来・・・

2011年06月28日 | off course
 これから不動産を購入されようというお客様とお話ししていると、“あの日”以来、どうしても地震・津波に際しての影響はどうなのか?という話題を避けて通れない。
 以前にもここで話題にしたけれど、三陸沖と違ってここ沼津に於いては過去6~8m級以上の津波が来たことはないから、それ以上の海抜であれば過去の経緯から言えば問題ない、と私は考えて良いと思っているのだが・・・。三陸のように過去には38m級の津波を経験しているにも関わらず、15~16mの津波を“想定外”という言葉で片付けることそのものが問題で、本当の想定外であったなら誰も文句は言わない、言えないはずだ(恐らくありはしない)。

 因みに、沼津市内各地点の海抜を調べてみると意外な結果に驚く。沼津駅近辺が約8.5m前後、リコー通りのイシバシプラザ(9.2m)から金岡小(12.5m)に向かっては徐々に高くなり、根方街道沿いなども8.2mから10m超と思ったほど低くはない。西へ行って今沢の西友地点とか、或いは原の図書印刷地点についても10m超の海抜があるのは意外だ。海抜が低い低いと言ったって、こうした数字を見てみると沼津はそうでもなく、加えて千本辺りから原西部に至るまでの防潮堤の高さが10mから16m超もあり、それこそ想定外の津波が押し寄せて来なければ、この辺りの地区であれば殆ど安全と言うことが出来る。

 問題は確かに南部の地域・・・。我入道、牛臥方面から延々と続く海岸線沿線に向けての地域は無防備極まりない。これも前にお話ししたが、これら地域には数百メートル毎の避難場所設置と、高台へ逃げる為の道路網造りが欠かせず、これは行政が緊急で行うべき必須の業務だ。またまた口先ばかりで、確実に赤字を垂れ流すだろうコンベンションセンターなど造っているヒマはない。もっと市民を守る為の大事な金の使い方がある筈(箱モノ全てを否定しているのではなく、赤字を生む施設は造るな!と言っているのです)。

 話しを元に戻して・・・でありますから、基本的には東北での津波があたかもここ沼津に来るような錯覚に捉われ、不動産の購入を躊躇う必要などないと思います。特に旧国道一号線以北は殆ど大丈夫ですから。もっとも、本当に“想定外”が来たらその時は保証しませんが・・・。しかし、地震・津波に限らず想定外などがあったら、どこにいたって一緒でしょう・・・!

信じられなくなる・・・

2011年06月27日 | off course
 たま~~に・・・、フルネームの女性名でメールが入る。件名は「お世話になります。〇〇です。」とか「返信、遅くなってすいません!」等々・・・。差出人が個人名で(それも女性で)、件名がこうであると(おっと!誰だったっけ?)(んっ!お客さんか?)と、慌ててメールを開いたりしてしまう。

 ところが、開けてみたらなんてことはない!・・・ただの営業メール。以前であればこんなのは(どうせ出会い系のメールでしょ?)と思われるでしょうが、しかし最近は違うのです。一般的な商品の売り込みにもこうした差出人名、件名を使って、何とかメールを開けさせようとする試みがあるようです。私みたいな捻くれモンなんか、こんな形式でメールを送ってくること自体が、例え商品がどうであったってゼッタイ買わない、使わない、と思ってしまうのに、あんまり頭良くないですよネェ~!・・・こういうの。

 しかし、今日のメールの営業内容にはいささかビックリしました。同じように差出人も女性の個人名、件名も「お世話になります!〇〇・・・」でしたが、何の営業かと言うと、いわゆる“口コミサイト”への投稿営業。お客さんに代わってアナタの会社の賛辞を口コミサイトに投稿しますよ!・・・という営業。メールの内容にはQ&Aがあって、最後の方に「Q:それってヤラセじゃないの?」「A:ヤラセではございません!実際に貴社のサービスを利用したお客様からヒアリングを致します!」なんて書いてあったけど、・・・・・そんなの信じられる人、いませんよネェ~~?

 送信方法も送信方法だけど、内容も内容です。こういうのを知ると、口コミサイトのコメントなんか信じられなくなってしまいます。確かにある口コミサイトでは(特に飲食店が多いかな?)、一店に集中してベタ褒めのコメントが集中していたりしますが、それって、きっとこんなモンなんでしょうかね?

 そしてきっと、逆もあるのでしょう。嫌がらせでボロクソコメントを集中投稿する人も・・・。サイトの口コミなど、こうしてみるとまるで信じられなくなりますね。本当は正直に、そして常識的に賛否をコメントしている人も多いのでしょうが、しかし、こういう専門業者が出現してくると台無しです。
 インターネットというのは便利も確かですが、昔、飲食店相手に「食い物屋を殺すのに刃物はいらねぇ~!」などと言われていたのと同じように、ひとつ間違えば事実とは裏腹な情報を万人に与えてしまう、恐ろしい凶器となってしまうのかもしれません

一生こんな話ばかり・・・

2011年06月23日 | 雑談
 夕べ(さて帰ろうか?)と事務所の電気を止め始めた矢先、Mさんから電話がきて「ちょっと一杯いきませんか?」と誘われる。夕飯食べるヨ!とカミさんに告げた後だったので、慌ててカミさんに電話を入れて「あの~!その~!」と謝るハメに・・・
 先約があるとか体調が悪いとか、どうしようもない限りは極力お誘いを断らない主義の私なので、それを知っているカミさんは、これもよっぽどのことがない限りはシブシブながらも了解はしてくれる

 私自身もそうだけれど、人を誘うというのは歳をとればとるほどに勇気のいること。何故ならば、誰だって断られた時がイヤだから・・・。だから出来る限りは何とか都合をつけてでもお誘いは受けることにしているのです!(てなこと言って、ただ飲みに行きたいだけだろう・・・って? まっ、それもないと言えば嘘になりますが・・・、基本的には違います!!

 ただ、夕べはちょっとばかり度を越し過ぎた。普段は何とか午前様にならないように気をつけ、翌日の仕事に支障を来たさぬようにしていたのに、なんと、夕べは1時をまわるという体たらく・・・それも時間は無意識のうちに過ぎて。
 お陰様で本日は朝から絶不調! 時間の意識がなかったんだから、恐らく結構な量を飲んでいたのでしょう! 気持ち悪くてお昼も食べられず、撃沈・・・。それでも午後からは支部の委員会があったので極力普通の顔をしながら参加はしたものの、終始気分は最悪でした・・・

 本当に酒飲みというのは学習能力がありません・・・そして懲りません。二日酔いになれば「もうゼッタイ飲むか!」といったい何十年思い続け、口に出してきたのでしょう。「酒はやめられてもタバコは絶対やめられない!」なんてエラソーに平気で言っていたのに、タバコはやめたくせに、酒を飲まない日なんてありゃしない。もうそろそろ歳も歳・・・、いい加減ホントに節制してゆかないと、確実に体を壊します・・・反省です!


査定価格の高い低い・・・?

2011年06月21日 | 売買知識編
 ある不動産サイトに「あなたの不動産の最高売却価格査定を知ることができる!」という謳い文句で不動産の売却物件を募集しているHPがある。・・・ふ~~ん!確かに不動産売却を検討しているお客さんにとっては興味のある、と言うかそそられるキャッチフレーズで、「じゃ、申し込んでみようか?」となりそうな文言ではある。

 しかし、私達業者から見れば、その“最高売却査定価格”という言葉を出すこと自体に、なんか胡散臭さを感じてしまう。査定というのも人間のやることだから、人(業者)によって計算上出てくる価格には若干の誤差が生じるのは止むを得ないし有り得る・・・若干なら。だが、査定価格というものは絶対的なものではなく参考価格であって、要は“その価格で売らなければならない価格”ではない筈だ。多少高めに出てきた査定価格を聞いたって、それが“売れる保証価格”である筈はなく、穿った見方をしたら業者が媒介を得る為に「ちょっと高めに設定してやれ!」と思えば、いくらだって出せるのも査定価格だと思われる。

 思ったよりも査定が低ければその業者には依頼せず、一番に高い価格を査定価格として出したところに媒介を依頼する・・・というなら失礼な話し、そこへ頼むお客様にもちょっとばかりガッカリさせられる。確かにお客様は基本的に素人であって、業者の出してくる査定に高い安い(正しい正しくない)の判断をする基準はお持ちでない。出てきた価格を鵜呑みにせざるを得ない立場は分かるし、それが高ければ高いほど嬉しい!・・・と思うのも分かる。しかし考えてみて欲しい・・・、実際に売れなければ、そんな価格はまったく意味を成さないものだということを。
 高い査定価格だったからその業者に依頼し、結局は売れないで価格を下げ続けざるを得ず、一番に低かった査定価格を提示した業者をも大幅に下回る価格で売却・・・であったなら“トホホ”の筈。

 依頼するべき業者は査定が多少高い低いでは判断をせず、お客様がその業者と直接会い、いろいろお話しし、この人(業者)なら! と思える相手を選ぶべきが基本だと思う。そして査定価格が低いと思ったならお客様の希望価格を進言してみればいいのだ。それが相場を遥かに逸脱する価格であったなら別だが、そうでない範囲なら恐らく、「そんな価格じゃダメだ!」などと言う業者はいないと思う。ただしその時、それによって売りあぐねる状況を鑑みて、心の準備をして頂けるよう理解を促す業者こそが、本当の意味で親身な姿勢を持つ業者だと思うのだが・・・。

 良い業者というのは、極力お客様に計算外れをさせない価格を提示できる業者だと考える。ちょっと売れなければ「価格を下げましょう!」などとは簡単に言わない業者・・・私だったらそんな業者の方に、自分達が納得して設定した売却価格に対するポリシーを感じる。

サーバー移行は一苦労・・・

2011年06月20日 | off course
 毎年毎年、レンタルサーバーとドメインの利用料を合わせた金額の請求書が届く。使っているのだから料金を払うのは当たり前だが、私がこのサーバーとドメインを使い始めたのがかれこれ約10年も前・・・。驚くなかれ、サーバーの容量といったらメールを含めた容量で100MB、年間使用料はサーバーだけで¥20.000-を超える・・・(ドメインは別途)。

 HPを持っている人ならお分かりだと思うが、今時のレンタルサーバーの容量と言えばGBの単位が普通・・・、それなのに料金は安くて月々〇百円の単位のものも多い。ロリポップというレンタルサーバーなんかはなんと2GBで¥105-と言うんだから、恐ろしい安さだ・・・安すぎる!

 こんなことを言うと、だったら早く安い方へ乗り換えりゃいいじゃないか! と多くの方は思うだろうが・・・、ところがどっこい! ITに詳しい人ならばともかく、一度アップロードしたHPサーバーを素人が換えるというのはなかなか難しい事なのだ。HPデータを移行するだけならわけもないが、そこに使っているフォームメールなどのCGIがホスティング側のものだったり、或いはドメインの管理を任せていたりとなると、その手続きに頭を悩まし、結局は「ま、いっか~!」と乗り換えることをすぐに諦めてしまう。・・・そう、今迄、この何年間の契約更改の時期はいつもそんなことの繰り返しだった

 それが・・・、今年は代えた! 代えてしまったのだ!(エライ スゴイ よっ日本一 大統領 )・・・とは言え、サーバー会社を代えたワケではない。契約プランを換えたことによってサーバーが換わったのだ。新しい契約プランは容量が2GBでコストは二分の一以下・・・。まだまだロリポップあたりよりゼンゼン高いが、それでも困った時は電話でフォローもしてくれるし(ロリポップはメールだけ)、付加価値が高いので良しとすることにした・・・

 それでも、サーバーを移行したこの数週間は右往左往の連続・・・。案の定、会社を変えてないのにサーバーが換わっただけでCGIは使えなくなる、メール設定も一からやり直し、管理画面も大幅に変わっており、最初は全く何がなんだか解らない・・・
 やっと昨日です・・・、何とか元の調子に収まったのは・・・。多くの不動産業者さんはHP作成をプロに委託されているのでこんな悩みはお持ちじゃないでしょうが、大した知識もないのに自前に拘ってやっていると、こんなモンです。プロなら一日で解決できるところを一週間も二週間もかけてしまう。コストを考えたらプロにやってもらった方がよっぽど安いのかもしれません・・・

 しかし、今後も私のところは手作りHPに拘り続けます。デザインの美しさと機能面では全く敵いませんし、見る人によっては私のHPは陳腐に見えるかもしれません。でも、これは100%、私の意志を反映したHPであり、純オリジナルです。プロが作る多くの不動産HPも、初期に私の作ったHPの内容をかなりパクった面があると思われるし、少なからず影響を与えていると自負しております。
 最近ずっと手を加えておりませんが、また少しづつ新しいアイデアを取り入れていければと思っています。容量もデカくなったことだし、徐々に、徐々にですが、頑張ります!!

安すぎも考えもの・・・

2011年06月14日 | 酒場放浪記
 家から程近いところにある居酒屋”T”。歳の頃なら60数歳・・・いや70歳くらいになるのだろうか? そんなおばちゃんが一人でやっている。
 初めて行ったのが一年半ほど前・・・。その時は恐らく5~6人で入ったのだと思うが、もう既に酔っていたのと、その中で一番の年配者だったTさんが会計(驕ってくれた)をしてくれたので分からなかったのだが・・・

 暫く経って、二度目にその店に入ったのが3ヶ月ほど前・・・。町内のMさんと二人で入ったらおばちゃんが「ああ、あの時入れてくれた焼酎がまだあるよ!」と言ってくれたので、図々しいながらそれを頂くことにした。
 食事した後だったのでつまみは全く頼まなかったけれど、お通しは頂き、その後にもおばちゃんがひとつふたつ小鉢を出してくれていた。焼酎は水割りで飲んでいたから当然ながら氷や水は度々お代わりを貰う。そして2~3時間もいただろうか?「さて帰ろうか!」とお勘定をお願いすると、これに驚かされた。


何にも頼まれてないから勘定なんて取れないヨ!」・・・ですと


「頼んだじゃないよ! 水も氷も! お通しだって300円やそこら取るのは当たり前だし、その後も小鉢を出してくれたじゃない! 仮に頼まなくたってだヨ! 2時間も3時間も席を使ってるんだから、席料として金取るのは普通でしょ! 取って!取って!」

 こんな会話、いったいどっちが店の人だか分からない!・・・それでもまだ「いいよいいよ!」と手を横に振るおばちゃん。Mさんとふたりで少ないながらも無理やり二千円だけ置き、「あんな調子で商売になんのかね・・・?」と呆れながら店を後にしたのだが・・・。

 そんな調子での勘定・・・、その後も健在だった。次に行った時は新規に焼酎(いいちこ)のボトルを入れ、そう!その前に連れは瓶ビールを2本飲んだのに、またまたお通しにひとつふたつの小鉢を貰って、その時の勘定がなんと四千円・・・(いったい焼酎はいくらなんだ? おまけに3時間もいたのに)。
 その後も相変わらずこのおばちゃん、二人で行くと一人500円づつとか「いらないよ!」が続いている。はっきり言ってこの店、趣味の世界ですね、趣味の世界・・・。ちょっとばかり高けりゃ高いで腹を立てるのも客・・・安けりゃ安いで心配になるのも客・・・難しいですね、お勘定というのも!・・・まっ、安いに越したことはないのだけれど・・・

国民は一流、政治は三流・・・

2011年06月09日 | off course
MSNニュースに掲載された、日本財団会長 笹川陽平さんのコラム・・・ホント! その通り! 長いけど、是非読んでみて下さい。

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 見るに堪えない政治の低迷と混乱が続き、国民の憤りと怒りは今や頂点に達している。国会議員諸君、皆さんは国家国民のために身を捧(ささ)げるという高邁(こうまい)な理想を持って政治の世界に入ったのではなかったか。然(しか)るに今や、その志どころか、党利党略さえも忘れ、議員として存在することだけが目的となっているのではないか。

 政治が劣化した原因としては、小選挙区制度の欠陥のほか、国民・マスコミを含め社会全体が政治家を育てる努力を怠ってきたこの国の政治風土もある。しかし、それ以前に、政治家になって何をするかより、政治家になること自体が自己目的化した結果、政治家として国家国民に貢献する志より、権力の上にあぐらをかき、「自身の明日」を優先する独善的態度ばかりが目立つようになった。

 わが国は今、東日本大震災で戦後最大の国難の真っただ中にいる。未曽有の被害の中で日本人の忍耐強さや礼儀正しさは今回も各国の称賛の的になっている。三宅島の噴火で全島民約3800人が避難した2000年、訪問先のイスラエルでペレス大統領から「どうして日本人はあのように整然と静かに行動できるのか」と問われたことがある。日本人の特性はいささかも変わっていないのだ。

 被災地を訪れてみれば、内向き志向が指摘された若者たちが復旧事業やボランティア活動の先頭に立っている。復興に向けた義援金や支援金に寄せる国民の熱意も高い。その先頭に立つべき政治だけがいつまでも停滞した異常事態がこれ以上、続いていいのか-。これでは被災者は救われないし、国民も同様である。

 「もう帰るんですか」。短時間の視察で切り上げようとした菅直人首相に被災者が発した怒りの一言は象徴的であった。同じことは、すべての政治家にも当てはまる。延べ数百人の政治家が被災地を慰問し、「頑張ってください」と言いながら、大震災から3カ月経過した現在も復興計画の青写真すら示されていない。

 黙々と働く自衛隊や警察、消防に対する被災者の尊敬と感謝の念は強く、復興の足掛かりとなるNPO(非営利法人)やボランティア活動に対する評価も高い。それに対し政治家への怨嗟(えんさ)の声は今や被災地だけでなく国民すべてに満ちている。彼我の差が政治に対する国民の失望感にあるとしたら、政治家諸君は万死に値する。

 米主要紙は「震災後の日本の混乱は政治指導力の欠如が原因」と書き、「下らない政府の下で国民はよく頑張っている」「(混乱は)政治が作り出した大震災」と皮肉った仏紙や中国紙もある。日本政治に詳しいジェラルド・カーティス米コロンビア大教授も東京での講演で「日本は社会がしっかりしているから政治が貧困なままでいられる」「日本の政治家は国民に甘えている」と指摘した。

 こうまで言われてなお、政治家諸君は黙っているのか。首相の退任時期をめぐり前首相が現首相を「ペテン師」と非難する政治の姿は語るに落ちたの観ありだ。「国民不在」「単なる永田町のいす取りゲーム」と揶揄(やゆ)されて済む段階は過ぎた。今、被災地には、首相や閣僚より現場の先頭に立つ首長の方がよほどたくましく信頼できるといった声に溢(あふ)れている。真摯(しんし)に耳を傾けるべきである。

 尾崎行雄や犬養毅とともに議会政治に名を残す斎藤隆夫は昭和15年、日中戦争を批判した帝国議会での“反軍演説”で、2年余に3度も内閣が辞職した不安定な政局を前に「こういうことで、どうしてこの国難に当たることができるのか」「身をもって国に尽くすところの熱力が足らない」と政府を批判、衆議院議員を除名された。時代背景は違うが、政党政治の低迷を前に政治家の責任が厳しく問われた点で現在と共通する。

 このまま国会が停滞し復興が遅れれば、経済はさらに落ち込み復興財源の確保さえ難しくなる。財政はさらに悪化し外交や安全保障にも悪影響が出よう。政党によって考えが違うのは当然である。しかし震災復興は、外交や安全保障と同様、国の存続にも関わる最重要テーマである。党派を超えて取り組むのが当然である。

 震災発生後、多くの国から手厚い支援とともに日本の復興を信じる力強いメッセージが寄せられている。日本はこれまでも関東大震災や焦土と化した敗戦、阪神淡路大震災などあらゆる国難を乗り越えてきた。この国には十分な底力があり、今回も必ず復興する。

 しかし、それには政治の再生が欠かせない。「政治家や政治のレベルは国民のレベルを超えない」との格言があるが、このままでは「国民は一流、政治は三流」の汚名を着ることにもなりかねない。日本には恥の文化がある。国家国民のため命を投げ出す覚悟のない政治家は大死一番、潔く議員バッジを外してほしい。こうした潔さが政治家の覚悟につながる。国家国民のためそうした気骨ある政治家の出現を期待してやまない。

****************************** MSN産経ニュース 日本財団会長・笹川陽平



国を挙げて応援しよう!

2011年06月01日 | off course
 筑波大の渡邊信教授、彼谷邦光特任教授らによって発見、研究されているという油生産藻類“オーランチオキトリウム”・・・これはスゴイですね! 将来日本が中東並み、或いはそれ以上の産油国になれる可能性を秘めた発見だそうで、落ち込みっ放しだった日本経済に明るい光が灯りました。
 世界各国からも数多くの研究協力オファーが来ているそうですが、教授がそれを全て断っている理由は、あくまでも「MADE IN JAPAN」、日本がこれを独占することによって日本、及び日本人が再び笑顔を取り戻せることを期待している! との言葉を聞き、この渡邊教授には益々拍手を送りたくなりました。

 お金の為だったら諸外国に持ち込んだ方が遥かに大きな利益となるでしょう。エレクトロニクス他の分野では高度な日本の技術を他国に売り捌いた人が沢山いた筈です。それによる結果は円高も禍してMADE IN JAPAN製品の著しい競争力低下を招くことになり、今現在も日本経済全体がどんよりムードです。

 しかし、それというのは情報や技術を諸外国に持ち込んだ人達だけが悪いのか? というとそれは難しいところです。日本という国はこうした技術や知識を持った人を全く大切にしません。否、国だけでなく企業も似たようなものだと思います。ちょっとカラーが合わなければお払い箱にされたり、優秀な技術者でも60歳になれば「はい、サヨナラ!」と定年で捨てられる。まだまだ働かねばならない事情があったり働きたい人であれば、その人達に外国企業がウェルカム!と言葉を掛けてくれれば飛びつくのが当たり前。国も企業も本当に人材を大切にしていません。

 この“オーランチオキトリウム”は是非、渡邊教授の考えを有難く理解し、国と企業が一丸となって日本独自の事業として育て上げて欲しいと思います。この藻が持つ可能性としての数字を聞くと目のくらむような数字です。成功すれば日本という国自体が変われます。雇用も安定するでしょう。大震災の後処理も大切ですが、今後の日本を担うかもしれないこの“オーランチオキトリウム”、国として大切に守っていかなければいけない日本の将来の為の宝です・・・きっと。