教科書採択を考える会ブログ

愛媛県松山市内の中学の歴史教科書が「育鵬社」版に変わるのを機に発足した会です。教科書比較の学習会も行っています。

第3回学習会「57 朝鮮半島と日清戦争」

2016-02-28 13:20:45 | 学習会
2016年2月9日に第3回学習会を開催しました。

参加者は21名でした。講師は、元高校世界史教諭のYさん。

「朝鮮半島と日清戦争」(育鵬社版p188~)と「ロシアとの激突・日露戦争」(育鵬社版p190~)を中心にすすめました。


【育鵬社版】「57 朝鮮半島と日清戦争」での問題点。

冒頭で「日本は朝鮮を独立国として尊重していた」とする記述をしていますが、事実はちがいます。

江華島事件と日清修好条約についての資料から明らかにされました。





(資料はチューターのY先生作成のもの)

日清戦争の契機となった「甲午農民戦争」について育鵬社版が「暴動」としている点は事実に反し、朝鮮の封建的な政治の変革と日本や欧米勢力の侵略に反対する運動であり、いわば「日本の自由民権運動」とも言われているものである、ということが指摘されました。




また、日清戦争は日本軍による「朝鮮王宮占領」によって開始され、国王を人質のして朝鮮政府から日本に清国軍撃退が要請されて戦争となった経緯を育鵬社版は全く隠しています。

さらに、日清戦争で最多の「戦死者」をだしたのは、日本でも清国でもなく朝鮮だったという事実と、その理由にも全く触れていません。

すなわち、日本軍は清国軍を中国領に追う一方、日本の侵略に抵抗する東学農民軍との戦いに迫られ、「東学党に対する処置は厳烈なるを要す、向後悉(ことごと)く殺戮すべし」との命令のもと東学農民軍の殲滅作戦が行われていたのです。


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