フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

口蹄疫の経済学

2010-07-31 | Weblog

 そろそろ次のネタに行きたいのだが、マスゴミが総括してくれそうにないので、自分で調べてみた。本来は「生き物の命の問題」も含むので不遜な気もするが、哲学では議論が進まないので経済の面で問題を見てみよう。

 和牛輸出の規模がどれぐらいあるのか検索して、関係ありそうなニュースを二つ抜き出してみたので読み比べてみて欲しい。

口蹄疫で和牛輸出急落、月83トン→8・7トンに (読売新聞)07月26日
http://news.biglobe.ne.jp/economy/853/ym_100726_8537669468.html
政府は、農林水産物の輸出額を2009年の4454億円から17年までに1兆円に倍増させる計画で、和牛を「重点商品」と位置づけている。牛肉輸出量は06年の74トンが09年には565トンに急増したが、口蹄疫発生後の今年5月の輸出量は8・7トンと3月(83トン)から急減した。

和牛輸出ピンチ、口蹄疫で「非清浄国」認定 販路開拓も水泡の恐れ (サンケイビズ)2010.5.26
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100526/mca1005262038020-n1.htm
輸出量は平成18年の74トンから年々増え、21年には約8倍の565トンに拡大。輸出金額では37億7300万円になった。このうち、取引が停止している主要6カ国の合計は、輸出額の約8割を占める。

 どうだろうか。上の記事だけを読めば、「和牛輸出規模は数千万から1兆円に昇るのか、輸出停止は大損害じゃないか」と思わないだろうか。しかし良く読めばこれは農林水産物全ての輸出額の“農水省の目算=予算確保のために上ぶれさせた数字”である。さらに下の記事を読めば、現状38億円だから規模比例なら将来でも85億、重点化で10倍(!)に化けたとしても380億円に過ぎない。
 見事なレトリックでしょ。恐らくマスゴミ記者の腕と言うよりは官僚の作文の引き写しでしょう。レジ袋ゴミ問題でも同じような「部分と全体のすり替え」があり、自称環境運動家の方々もコロッとだまされてましたが、官僚の得意技ですから。

 一方、今回対策に掛けた税金は本予算からの支出については使途区分がハッキリしないため総額はよく分らない。ただ緊急の追加支出分だけでも、国が概算1000億円で、県の補正予算も500億円程度らしい。
7/27のNHKニュースで被害総額が1300億円に上る というコメントもあったが範囲や根拠は不明瞭。

2010年宮崎口蹄疫被害対策に国庫支出1000億円の明細は?(2) (武田信弘のジオログ)2010年7月18日
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700/view/201007?.begin=16

 被害額の算出では、下記のサイトによれば畜産の直接被害で数百億、商業関係の損害や生活が不便になった損害は確定困難であろう。さらに宮崎から子牛を買っていた和牛農家に及ぼす影響はまだ見えていない。
 以上、非常に曖昧ながら額の桁から言って、輸出再開がどうこういう様な割合ではあるまい。
 そしてこれから農家や商店主の再起にかかる費用はどれほどになるか。と考えた時、本当に他の解はなかったのかという問題提起をマスコミにして欲しいのだが。輸出や国内の畜産業の非関税障壁を守るためにこれほどの税金を使う必要があったのか。

宮崎の口蹄疫ようやく終息へ 旅館、外食など観光に深刻な打撃 (J-CASTニュース)7月17日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100717-00000001-jct-bus_all

検証!口蹄疫被害 2010年07月23日
http://blog.canpan.info/fmdmiyazaki/category_6/

 上のまとめサイトで見つけて気になった記事。

知事、農相対立 関係悪化に県職員不安、焦り (宮崎日日新聞)2010年07月23日
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/kouteieki/index.php?id=41&paging=3
 こうした状態に、7月臨時県議会では議員から苦言が相次いだ。「知事がネットやマスコミを通じて不満をぶちまけることが、果たして県の利益につながるのか」「今回のブログを見て、政府が金を出そうという気になるか。(職員は)なぜいさめないのか」。野党である自民党県連関係者でさえも「殺処分した家畜に十分な補償を出してくれた農相を怒らせてはだめだ」との声を上げた。
 一方の知事は「僕は地方として言うべきことは言う姿勢。感情的ではなく、理不尽な強要に一石を投じただけだ。問答無用に命令して対立しようとしたのは山田大臣だ」と悪びれる様子はない。「個人的な意見の対立が、国と県の関係悪化につながらなければいいが…」。県職員の一人はつぶやいた。

 こんなへつらった発言が地方議員や職員のモラルなんですね。「補償を出してくれた農相」…金を出しているのは国民です。政党関係者(議員?)なら最低限認識すべきでしょう、大臣ではありません。国民の金という意識がないから利益誘導ができるのです。
 記者も ~と悪びれる様子はない。 という表現は意識的に貶めているとしか思われません。辞書的には間違いとは言えないまでも受ける印象は“”でしょう。~と反論している。とでも書けば中立に聞こえます。 県職員の一人はつぶやいた。 という結び方も客観的なようで、自らの主張への結論誘導ですね。「だからこの知事はダメ」か「だから国に逆らっちゃダメ」か。
洗脳はこう言う些末な所から始まりです。

わるびれる…おどおどしたり、恥ずかしがったりする。(出典:infoseekマルチ辞書)

 新聞でも何でも“情報”には必ず“発信者の意図”が入るモノです。中立・客観的な報道なんて現実にはあり得ないと考えます。だから偏った情報を多数集めて、読み手側が取捨選択するしかないでしょう。
 これまでは記者クラブによって主要メディアがカルテルを組んでいたために、複数のようだが実は全体に偏向していた情報源しかなかったので見えない暗部があった訳です。ネットによって、それ以外の情報が入ってくるようになったので、色々見えることも増えてきました。自分で積極的に情報を集めて考えてみて下さい。名も無きネットの噂がマスゴミ記事より当たっていた例は多数あります。ただし単なるデマや中傷もゴロゴロしてます。自分の判断力が問われます…だからこそオモシロイ。


 なお記事をほぼ仕上げた後、大体同じ趣旨のブログを見つけました。マネしたわけではないのでご容赦下さい。

口蹄疫と算数の問題 ニュース記事に関連したブログ (Septemberのブログiza版)2010/07/30
http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/entry/1716538/

 さらに、ここの関連リンクで見つけたメルマガは実に衝撃的な内容でした。

[GEN 764] 宮崎口蹄疫騒動を検証する【第11回】 (原田 和明)
http://www.melma.com/backnumber_90715_4914912/

 他のバックナンバーも興味深く読みました。(ぜひ一度目を通してみて下さい。)
 これまでの報道とは異なる驚くべき事が詳細なデータを元に書かれており、これらが真実なら大変なことです。農水省家畜衛生試験所は自らの失敗を隠蔽するため1000億以上の国民の金を無駄にし、宮崎県民の生活を無茶苦茶にしたということになります。
 その真偽の追究は正にジャーナリストの出番だと思うのですが、2000年の事件から現在まで話題になっていなかったのでどうにも期待は薄いです。
 最低限、ウイルス検査は牧畜の盛んな地域でも並行して行えるようにすべきでしょう。緊急時に一カ所だけで対処するのは無理があるし、相互検証は科学では当然必要な措置です。
 今回の件で、国の権限を強化しようと言う動きがあるようですが、全くの焼け太りです。隠蔽や無駄遣いがやりやすくなるだけです。地方のことはまず現地で責任を持って行う。これが基本でしょう。
 さらに口蹄疫自体、口内炎程度の病気に過ぎず、子牛はともかく成牛は放っておけば勝手に治ってしまう病気で、抗体検査により実は何度も発生しては自然治癒していた、という説も説得力が有ります。だとしたら今回の騒ぎは一体何だったのでしょうか。一種の非関税障壁である「清浄国」に拘らなければ、初めの頃に指摘があったように、何もしなくても良かったのかも知れません。

※これらの検証記事の中でも東国原氏のブログが現場の生々しいやり取りの記録として大いに役立っていることは注目である。情報開示しておけば後々役に立つのである。
 宮崎日日新聞も記事はあからさまに農水省よりですが、それでも詳細なデータを載せていた点は原田氏の検証に役立っています。読み手の力が問われますね。
 情報がどんどん公開されれば改ざん・隠蔽しきれなくなって不正が暴かれる可能性が高まります。情報公開の徹底が官僚支配を終わらせるために最も有効な方法だと考えます。

(オマケ)

宮崎県口蹄疫拡大。官僚クーデターの疑惑は深まる。 (瓶詰伝言)2010年6月15日
http://binzumedengon.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-1b78.html

 ちょっと下品な表現があるのが個人的にマイナスだが、なぜ農水省が暴走したかの原因について触れている内容は一理ある。
OIEの清浄国、清浄地域についての4つのカテゴリーに関しても初耳であった。なぜ国民に説明されないのか。

宮崎牛が全滅したら日本各地の畜産業は本当にやばいの? (教えて!goo)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5917633.html

【口蹄疫】宮崎牛のクローン?霜降り「韓牛」忽然と出現 (やま1)2010/07/07
http://yama1.iza.ne.jp/blog/entry/1688076/

 まぁこういう見方も当然出てくるだろう。直接証拠も今の所ないが、否定するには状況が符合しすぎる。農作物の種苗が盗まれコピーされたことがあるのは遺伝子検査で証明もされている。ただクローンは正確じゃなくて精子を元に繁殖した同系統の牛であろう。
 そもそもこういう犯罪が起きうる素地は国内外の価格差(非関税障壁)があるからだ。畜産業も世界と対等の条件で戦える様にならなければ、またいつか起きるかも知れない。

中国・台湾に向けた日本の農林水産物の輸出とブランド保護
農林水産省の受託研究調査(ダイヤモンド社)2006.03.15

http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=291
7 育種権侵害の実態と保護対策  ←各国の無法ぶりの例が載っている。

地方自治の改革に関しては下の記事の指摘が鋭い。

政権交代後も総務省主導から逃れられない?
骨抜きになった“地域主権改革”の顛末
――慶応義塾大学 片山善博教授インタビュー 2010年6月29日
http://diamond.jp/articles/-/8581
今の地方財政のシステムは、“護送船団方式”だ。これは、総務省が枠組みを決め、財源を保障し、予算を確保、借金の面倒みるというやり方で、本来主役であるはずの住民や議会が全く登場しない「異常なシステム」である。
 地方自治の本質は、自分たちで仕事を決め、それに必要なコストを税として負担するもの。毎年、仕事の量や質は変わるのだから、当然税率も毎年変わるべきである。米国やオーストラリアがそのよい例だ。だが、日本は基本的に税率を固定してしまっている。
 日本は、そのメカニズムが全く作動しておらず、住民も無関心のため、財政破綻が起きるのだ。財政破綻は、議会や住民による税率調整が働いていれば、基本的に起きない。税率を可変的にさせるだけで物事は解決する。無駄な「箱物」もなくなる。つくるかつくらないか、借金するかどうかは、国ではなく、地元で決めるべきだ。

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暗黒国家は現在も続いている

2010-07-25 | Weblog

 タイムリーな記事なので情報がまだ少ないけど載せてしまおう。
 マスコミが第一報以後、全然追究してくれる気配がないので埋没しないように微力でも書いておく。ジャーナリズムがまともに機能してくれれば良いのだが、最近(昔からかも知れないが)非道すぎる。

 政治犯や殺人事件だけでなく、一般人の軽度な犯罪でも無法な取り調べはいくらでも行われているという事実が判明した。今回のような幸運(?)がなければそのまま有罪になったかも知れない。ある意味マスコミに注目もされない分、より切実な問題だ。

検察側が無罪論告…防犯カメラ「別人」鑑定 (読売新聞)2010年7月20日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100720-OYT1T00611.htm
男性被告が「映像の人物は私自身」と述べた供述調書を証拠提出した。
(中略)
 男性被告は捜査段階から現金を引き出したことを否認し、公判でも無罪を主張していた。

金沢地裁 異例の無罪論告 窃盗事件 証拠映像と被告は別人 (産経新聞)7月20日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100720-00000056-san-soci
 弁護人によると、被告は検察官の取り調べで、カメラの男と同一人物だと再三問い詰められ「現場には行ったことがないが、男は自分だ」とする供述調書にサインしたという。

石川県警冤罪事件、防犯カメラ別人、男性宅から「証拠シャツ押収」 (読売新聞/防犯クリニック)2010年06月06日
http://blog.livedoor.jp/bouhanclinic/

 この事件でも“自供”を得ている所が怖ろしい。正に自供は証拠にならないことの証明だ。
 それも「現場には行ったことがないが、男は自分だ」という明らかに矛盾した自供を平気で証拠として提出していたのだ。そして物証として集めた物はどこにでもある白のシャツとメガネ。
 これはもう、事件の真相を解明しようと言うより、裁判なんてこの程度で十分だと作業的に考えていたことの証明だ。今回のように実は冤罪かも知れないという被告の人権は全く気にしていないことが、現在の検察官の常識なのだ。逮捕されてしまえば何が何でも犯人にされてしまうことを意味している。
 検察官の責任が徹底的に追及され、取り調べの実態を明らかにしなければ、今後も再発するだろう。でも “今回は” 判決前だったためか、フォロー記事を見ない。

 さらに、科学的にはあり得ない事件が報道されていた。状況からして単なる事故とは考えにくく、例によって警察(刑務官も公安職なので同類だ)のミス(or 未必の故意)を隠蔽する体質が出たのでは無いかと私は疑っている。ここ数日、熱中症死亡者が多発しているので埋もれてしまいそうで心配だ。ぜひフォローしてみて欲しい。

熱中症で受刑者死亡、保護室にはエアコン (読売新聞)2010年7月19日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100719-OYT1T00032.htm
(RNBオンラインNEWS) ←携帯ニュースの方が説明が詳細だった。
http://k.rnb.co.jp/news/detail.php?recid=12612527
堺市の最高気温は17日、32℃まで上がりましたが、大阪刑務所側は「保護室に設置されたエアコンは24℃に設定されており、死亡した受刑者は水分も取っていた」と説明しています。

検索でずっと下位の方に、事実が異なる報道もあった。どうなっているのだ?

1人部屋の受刑者死亡、熱中症か 大阪刑務所 (asahi.com)2010年7月19日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201007190019.html
 同刑務所によると、17日午後4時5分ごろ、巡回中の職員が男性がうつぶせで倒れているのを見つけ、救急車で病院に運んだが、死亡が確認された。男性は17日の昼食を食べず、昼以降、水分を取っていなかった。室温は24、25度に設定されていたという。
 同刑務所は「受刑者が亡くなってしまったことについて大変申し訳なく思っている。夏場は麦茶やスポーツドリンクを受刑者にしっかり飲ませるなど熱中症対策をしていきたい」と話している。

 室温24℃の室内にいて、水分も取っていて、熱中症になるのはどう考えてもおかしい。
例えるなら水のないプールで溺れていたというレベルの異常さだろう。
 となると、よほど特異な事例が生じたと考えるよりは、うっかりもしくは制裁的に冷房を切った保護室に受刑者を閉じ込めていて、気付いたらグッタリしていたのであわてて冷房を付け、口裏を合わせたと言うようなストーリーを想像する方がずっとナチュラルであろう。
朝日の記事を信じれば昼飯前に動けなくなっていた可能性が高い。昼食配布時は中の確認も怠っていたが、その後の巡回時に飯に手を付けていないので声を掛け返事がないので開けてみたら発見した、とすれば時間的にも整合が取れる。
 さらに想像すると怖ろしいのは、もしかしたら発見時点から冷房が効いて室温が下がるまで(他の証拠も隠滅するまで)救急車は呼ばなかった可能性もあるのだ。
(定期巡回時間から救急車を呼ぶまでの時間経緯を調べてみれば何か出るかも。後は3時頃から刑務官が騒いでいる様子がなかったか囚人に聞いてみるとか。~推理小説ならヒネリがなさすぎて没になりそうなプロットだが。)

 現場で取材した記者は何も疑問に思わなかったのか。刑務所内ということで非常に難しいと思うが、今後“事実”を調査してくれるジャーナリストは出てくるだろうか。
 刑務所はあくまで刑罰なので環境をあまり快適にすることは必要無いと思うが、真実を簡単に闇に葬れる世界は絶対嫌だ。


 何と2007年にも今回とソックリの事件があったようだ。こうなるともう過失とも言い難い。

大阪刑務所の受刑者の熱中症死亡事件に関する会長声明(pdfファイル) (大阪弁護士会)2007年9月11日
http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei070911.pdf

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政治家の質を今回の種牛処分を通して見る。

2010-07-23 | Weblog

 結果的に山田大臣のごり押しが通ってしまいました。それに対する報道は移動制限が解除されて良かったという書き方が主流のように思われます。下記はその一例。

<口蹄疫>民間種牛6頭、殺処分 移動制限、一部除き解除 (毎日jp)2010年7月18日
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20100718/20100718M40.056.html

 まぁ取りあえずは結果だけの報道で良いでしょうが、今後、政府や県の対応が正しかったのかどうか検証されることを望みます。日本人は過ぎたことは水に流し、嫌なことは早く忘れる、という傾向があります。しかし、間違いを責めると言うよりも次の機会によりよい対応をするために、感染源の追究と各ポイントで別の対応を取っていたらどうなったか、というシミュレーション(道義や感情は別にして純経済的に)は絶対必要です。でないと今回かけた税金は単なる払い損になってしまいます。正直期待は薄いけど、どこかやってくれるかな。

 山田大臣の発言に関しては農水省HPに割と詳しく載っていました。大筋はニュースの通りだったようです。(ここまで下品な物言いをそのまま載せるとは役人も大臣が好きではないのだろう)

山田農林水産大臣臨時記者会見概要 (農水省)平成22年7月13日
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/100713_2.html
事務方 補足しますと、県が協議なく解除された場合でも、家畜伝染病予防法の47条で、県知事に指示をするということは可能です。

 県が独自に解除した場合、国にできるのは結局「指示」だけということですね。強制力は裁判が必要で、十分知事側も抵抗の余地があったと思われる。

 一方、東国原知事の見方は本人ブログに詳しい。比較して読むとどちらが筋が通っているかは分るでしょう。

東国原英夫オフィシャルブログ「そのまんま日記」by Ameba 2010-07-16
http://ameblo.jp/higashi-blog/entry-10592250603.html
 あらゆる視点に立ち大臣に提案・要望して来たが、「とにかく、殺処分しなければ移動制限解除はしない」という農水相の一点張りは最後まで覆せなかった。
 結果、薦田氏の種雄牛が残っていれば、いつまでも移動制限並びに非常事態宣言の解除は出来ず、県民の皆様の生活や地域経済等に深刻な被害・影響が及ぶことになる。加えて、これらを拒否すれば、今後の国の復興対策支援や交付税等にも影響が懸念された。いわば移動制限解除や復興支援を人質とした農水相のやり方は姑息で卑劣だと言わざるを得ないが、「法」や「権力」を振りかざされるとやはり我々は屈せざるを得なかった。

 ニュースだけ見てると東国原知事の変節が唐突すぎて、アッサリ国に組みしたかと思われましたが、一応代執行も受ける覚悟はあったようです。で、大臣が代執行を命じたが、前例のない事はやれないという官僚に押し戻され、裏で圧力をかける事(これは国家官僚の得意ワザ)で変心させた、という流れでしょうか。
 まぁ補助金頼りの県では難しいかも知れませんが、自分が正しいという信念があるのならもう少し粘って、所詮官僚には前例のないことは出来ない事を証明してもらいたかった気もします。
ブログで反論してもマスゴミは黙殺で、まだ世間には問題点が明らかになったとは思えません。マスゴミも無視できなくなるぐらい本気で反抗すれば、国の関与の仕方がおかしいことが明らかになって長い目で見たら地方のためになると思うのですが。
戦った結果として交付金が減らされたら、さすがに国民の批判も起きるでしょう。東国原氏には、本気で国相手の戦いはできないか、あるいはいずれ国政へ打って出ようと狙っているのかな、と個人的にはちょっとイメージダウンでした。
 まぁ宮崎県人でない者の勝手な言い分ですけどね。

 なお、東国原氏に対し、ブログを書いているヒマがあれば仕事をしろ、という批判も見た。
しかし、政治家の仕事は方針を決断することであって、実作業は役人がすれば良いのである。正しい判断をするためには、作業に忙殺されているようではダメであろう。そしてブログでも何でも一旦文章化してみることは考えを整理する上で非常に役立つものだ。
 さらに、政治家のもう一つの重要な仕事が国民/市民に対して情報を開示することだ。民主主義では最後は国民が決断をすることになる以上、判断のための情報発信は政治家の義務でもある。ブログはコストやアクセスの面で今一番有力な情報発信の方法であろう。何より他の手段(公報等)に比べ税金もほとんど使わずに済む。マスゴミによる情報操作も無い。Blogである以上、一方的な意見であることは最初から明らかなので後は受け手側の問題だ。これを否定するのは民主主義の自殺行為だ。

 そのやり方が決して良いとは言えないけれど、阿久根市長のように信念に凝り固まって暴走する人がいないと地方の問題は変わらないのかも。少なくとも地方発の反乱がどこまで行けるかの指標にはなり、はた目にはなかなか興味深い。今の所マスゴミがネタにするほど市民生活に混乱は起きていないようだし。実際地方議員なんてそれほど仕事量はないので(情報開示により選挙民の監視が機能するという前提で)兼職可にして議会に出た分だけの日当で十分と思います。名古屋市長にも頑張ってもらいたい。

 「国から変えてほしい」と言うのは一見正道のようだが今の政治屋を見ている限り到底無理と思われる。小沢氏のように国家官僚+マスゴミから徹底的に狙われる覚悟と用心が、他の政治屋にあるかな。蓮舫氏もみんなの党の代表も既にスキャンダル要因が持ち上がっているようだし到底検察の敵じゃない。
 連邦制(道州制)が政治屋である“国会議員”にとって自身の権限を減らすことである点も取りかかりが悪い要因だろう。やはりメリットを受ける側(一番は国民なのだが)が頑張らないと実現性は低い。


 原因追及の面では少し進展がありました。(実は上述の政治的スキャンダルと関係してるという噂もある。)ともかく事実の検証は必要です。

感染4月上旬?症状見誤りか 川南の大規模農場 (宮崎日日新聞)2010年7月19日
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/kouteieki/index.php?id=7&paging=1
 口蹄疫問題で、4月下旬に疑い例が確認された川南町の大規模農場で、獣医師が県の家畜保健衛生所に異常を通報した6日前から、牛数頭によだれの症状が出ていたことが18日、経営会社への取材で分かった。
 当時は、国内10年ぶりとなる都農町の1例目の公表前。別の関係者によると、国が実施した抗体検査の結果から、大規模農場の感染時期は遅くとも4月上旬とみられる。

<口蹄疫>第1例確認時に既に拡大 疫学調査で推定結果 (毎日新聞)7月23日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100723-00000123-mai-soci

 ネットの噂がほとんど当たっていたということでしょうか。ただ最初の感染ルートはウヤムヤ化するつもりのようです。ま、今から国会議員を告発できるほどの証拠を集めるのは実際難しいでしょうが。

以下、与太話=全くの個人的感想(要するに偏見=自己完結的な経験則)です。
 歳を経た人の顔にはやはりその人の生き様が現れてくると思っている。
 その観点で山田大臣の顔はスゴク品性が低いヤクザ顔の印象を受ける。その印象通り、一連の発言、態度を見聞きする限り到底大臣の器ではない。民主党、ひいては日本の政治屋には本当に人材がいない、あるいは政治家を育てるシステムがないということだろうか。政治家というのは言葉のプロでなければならないハズなのだが、日本では公式発言も後で簡単に撤回できる。記者クラブはお仲間なのでそれを許容する。これでは政治家の言葉の重みなど存在しようもない。
 もう一人、顔の印象が最悪なのが、輿石東氏である。こちらは無智で傲岸不遜というタイプの顔である。北海道の教員丸がかえ選挙が問題になったが、山梨はもっと前からずっと選挙違反だ。全くよくも恥ずかしくなく立候補できると感心するぐらいの証拠がネットに上がっている。そんないつ逮捕されてもおかしくない議員が参院会長とは全く、参院に人材がいない事の証明だ。
 選挙違反の証拠は当然警察も把握しているだろうに山梨県警は摘発しようとしない。長年の関係ができちゃってるんだろうねぇ。ならば次はジャーナリストの出番のハズなんですが…。ネットや週刊誌しか取り上げないのは何故だろうか、全く。

週刊新潮が書いた民主党・輿石東参院議員会長はこんな人 (阿比留瑠比)2007/08/23
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/276735
私はこの輿石氏を支援する山梨県教職員組合(山教組)による違法な政治活動や選挙運動、輿石氏への半強制的な選挙資金カンパの実態について、繰り返し触れ、問題点を指摘してきました。

輿石東「ぐるみ選挙」の証拠写真 (坂 眞)2010/07/10
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2010/07/post-94b7.html

民主また!“日教組のドン”輿石氏に土地スキャンダル (zakzak)2010.03.12
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100312/plt1003121237002-n2.htm
 輿石氏は神奈川県相模原市内にある敷地1298平方メートルの豪邸に住んでいるが、相模原市農業委員会などによると、土地の6割が、農地の無断転用を禁じる農地法などに違反して車庫や舗装路に使われているという。

 なぜこれで起訴されないのか。告発しないのは行政の怠慢ではないか。
 さらに、犯罪を見て追究しないのはマスゴミの犯罪(国民への裏切り)だと思う。

 産経が意見記事を出していた。自民よりの新聞なので割引く必要はあるが、この件では正当な意見と言えよう。個人的には教職員にもプライベートでは自由意志による政治活動を認めても良いと考えているが、現状では違法である。しかも上記のネットの記事によれば実態は組織ぐるみでカンパも半強制だから自由意志とは言い難い。
きちんと捜査し、選挙の公正を守って欲しいものだ。

山梨県教組 国揺らぐ「違法行為」放置 (産経新聞)7月24日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100724-00000521-san-pol
 政治的中立が求められる教職員の選挙運動は、各種法令で制限されている。教員の地位を利用した勧誘、特定政党や候補者を支持する文書配布は公職選挙法や国家公務員法などで禁じられている。
 だが、教員への罰則規定がないために違法行為が横行している実態がある。

(中略)
 違法行為を見過ごすことがあれば、国民と行政の間の信頼関係は成立しない。菅直人政権は国政の根幹を揺るがしかねない重大事であることを自覚すべきだ。

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口蹄疫~殺処分の曖昧さ

2010-07-13 | Weblog

 参院選総括の前に、非常に腹が立ったニュースがあったので緊急投稿。

農水相が殺処分の代執行検討 宮崎県が応じない場合 口蹄疫 (産経新聞)7月13日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100713-00000582-san-bus_all
 一方、東国原知事も農水省で会見し、「目視検査で6頭には感染疑いはなく、現在、蔓延(まんえん)の危険性はないと判断している」とし、国が遺伝子検査を実施して安全性が確認されれば、殺処分は必要ないと主張した。

 問題は感染しているかどうかであろう。今回は東国原知事に賛成である。
 全頭検査していては間に合わないから全部殺してしまう、という乱暴なことをするために急造したのが今回の法律だ。そんな間に合せに作った法律(憲法違反の疑いもある)があるから絶対殺さなければならないという発想は本末転倒だ。
 6頭だけならもう検査する時間はあるはずだから、生き残らせた方が得かどうかはその経済的価値を評価して検討すべき事項だろう。
 ニュースでの山田大臣の発言は、殺さないと輸出できないことを問題にしていたが、ならばその輸出額と比べての利害得失を明示すべきだ。
 むしろ日本の大臣として、ウイルス検査で陰性なら殺す必要はないと諸外国を説得に回るのが国益を代表する者の勤めではないだろうか
 なぜそんなに固執するのか。輸出業者からどれだけ寄付を受けているか、真のジャーナリストがいるなら調べてみたら面白いのではないか。(何のことはない、輸出以前に宮崎牛の失墜は地元長崎の利に適うそうだ。)
 
 ここは東国原知事に頑張ってもらって、こんなことは地方で決定権を持つようにすべきである。当然責任も地方で持たねばならないが、実際に問題が起きて困る当事者が決めた方が正しい決断が出来るはずだ。少なくとも、輸出会社が救われれば宮崎の畜産などどうでも良いという様な決断は簡単には下せないはずだ。
 沖縄の問題も含め、地方が日本から独立すれば解決する問題は多いと考えている。日本も連邦国家を目指すべき時に来ている。でもどの政党もそんな(過激な)事は言ってくれないのが今の政治レベルだ。
 実は知事の権限は結構強く、国を無視しても結構戦えるらしいので、もう知事の実質独立行政を行ってみるのも面白いのではないだろうか。当然交付金で制裁を計るのだろうが、そういう脅迫的やり方のオカシサに国民も気付けば地方自治も少しは進むかも知れない。
(言わば、言うこと聞かないとご飯あげないわよ、の論理だ。その“国の言うこと”が地方にとって正しいこととは限らないのに。)
 地方自治推進は民主党のマニフェストにあったのに…今の民主党では全く期待できそうになくなってしまったのが非常に残念だ。


追加ニュース

口蹄(こうてい)疫種牛問題 農水省、文書による是正指示を15日以降に先送り (FNNニュース)2010年07月15日
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/495313/
多くの農家がつらい思いをしたがゆえに、例外は認められないと強調した。

 このニュースでは肝心の所で山田大臣の本当の言葉が分らないし、要約した記事も論理が曖昧だが、一応要約を信ずれば、他の多くの牛を殺したから残った牛を助けることは許せんと言う、とんでもない理由を挙げたということになる。
 そもそも論理としてオカシイ(牛を人に置き換えてみれば慄然)が、経済面に対する考慮が欠片もない。感情論を抑えて国益を守るのが大臣の仕事のはず。
それに牧畜農家なら種牛の大切さは分っているはずで、自分たちの再起のためにも種牛は一頭でも残しておきたいと考えるはずだ。
 ともあれ、大臣として論理的な説明で国民を説得できない(しようとしない)のは全く情けない。

 こうなると、実家もあり選挙区でもある長崎のため何が何でも宮崎牛を潰そうとしていると言うネットの噂も否定できないのでは? 長崎で起きたとしても同じ決断が出来たかな。
 さらにネットの噂では、山田大臣はかつて自身のプロフィールをHPに下記のように書いていたらしい。現時点では、中国から輸入して~という記述は無かった。

1972(昭和47)年 有限会社鬼岳牧場を設立。将来は牛だけでなく、中国の青島から子牛を輸入して日本の食肉基地としての”大牧場”を志す。


民間種牛、生かすか殺すか 宮崎県・農水省の対立深まる (asahi.com)2010年7月15日

http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY201007140595.html
幹部の一人は「6頭の健康を確認して申請すれば認められる可能性はゼロではないが、ワクチン対策を徹底できない国として国際的信用をなくすため、申請できない」と話す。

 この記事の方が情報量が多いが、輸出量と宮崎牛との経済価値の比較=国益という観点が全くない。幹部の話でも、OIEに認められれば国際的に信用されたということではないのか。ワクチン対策自体国際的に例外的な処理で、そんな手遅れ対策の徹底が国際的信用に関わるというのは何を重視しているのか分らない。国際的に求められるのは、口蹄疫が発生したら確実に検出でき、例え大臣が外遊していても、東京の役人の許可を待たなくても、直ちに防疫体制が取れるように権限を地方へ移譲することだろう。
 この農家は 種牛以外の牛約160頭へのワクチン接種と殺処分には同意した ということであれば自分の利益目的とは考えられない。
 どちらが国民全体(長崎だけでなく)にとって得か冷静に考えて欲しいものだ。

コメント
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