フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

うがいも手洗いも水道水で十分~インフルエンザ対策

2009-09-17 | Weblog

 インフルエンザが再び流行しているようです。現在はほとんどが新型になっているという話ですが、これは前にも紹介した獣医と言う方のQ&Aのコメントにもあった通りで、やはり 今回の新型 も 従来の新型 と同じ変化の道をたどっているということでしょうか。

新型インフルエンザ について - 教えて!goo 09/05
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4932604.html
 なお、新型インフルエンザは、大流行後に定着して「季節性インフルエンザ」となるのは上にも書きましたが、面白いのはその時、それ以前に流行していた季節性インフルエンザが消えてしまうことです

 予防はやはり頻繁なうがいと手洗いで十分だと思います。それも水道水で十分、というより、むしろ石けんや消毒薬で洗って常在菌まで殺すことはかえって逆効果です。止めた方がイイでしょう。
(注意)前にも書きましたが私は理系の人間ですが、医学の専門家ではありません。本blogはあくまで個人的な見解です。ただ、科学的な一般常識と自分の実体験をベースに論じているのでそれほど的は外していないつもりです。ただし生物は"複雑系"なので100%の解は(誰にも)出せないと思います。
 常在菌は他の菌類と競合関係にありますから新しく入ってきた菌類に対しては増殖を抑える効果があります。無菌状態というのは新たに付いた菌やウイルスにとっては増えるに邪魔モノがいない状態となり、キケンとしか言いようがありません。
 それに加えて石けんで洗いすぎ皮脂成分が抜け肌荒れを起こしていれば、表皮が非常に弱くなって菌が内部へ侵入しやすくなります。そうなると通常は害のない常在菌でさえも内部に入れば色々な病気を起こす可能性があります。また痛くて洗う頻度が減れば菌類が十分に増殖できる時間が与えられるので発症の危険性が非常に増えます。
 こんな弊害は医学者であれば当然知っているはずなのですが、TVでは誰も言いません。うがい薬や除菌剤で儲けているスポンサーに配慮しているとしか思えません。

 食堂等で完全除菌をするのは長時間・大量調理するので僅かな菌でも増殖してしまう危険性があるから当然ですが、一般家庭では短時間に調理・消費してしまうものですから少しぐらい菌がいても問題は無いでしょう。(むしろ免疫能力を保つために少しは菌がいた方が良い位とさえ思っています。)

 塩素入りの水道水には結構強力な除菌効果があります。一般の水道には平均して0.5mg/L以上の濃度で含まれているらしいので下記の記事からインフルエンザウイルスはほぼ完全に不活化してしまうと期待できます。しかも常時使っているので常在菌への悪影響は少ない(水道水の除菌効果を含めて常在菌の分布が決まっている)と考えられます。
 私自身、1年以上にわたって起きている間は2~3hr内にはうがいと手洗いを励行していますが、のど荒れや手荒れは全くありません。そもそも水道水の安全性は明治以来の歴史が証明していますね。

第20回 塩素消毒の効果 (東京都水道局)
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/w_info/s_kekka_topi20.html
 一般細菌やインフルエンザウイルスは塩素に弱く、容易に消毒されます。したがって、インフルエンザなどに対し、水道水は安全です。

 米国疾病対策センター(CDC)が行った研究によると、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)は、遊離残留塩素濃度0.52~1.08mg/Lの水に1分間接触すると、99.9%以上が不活化(感染性を失うこと)されており、塩素消毒に弱いことが示されている。

水のQ&A (千葉県水道局)
http://www.pref.chiba.lg.jp/suidou/oishii/qa/02-3_index.html
 千葉県水道局の水道水(蛇口)での平均濃度は、 0.8mg/L(平成19年度の平均値)
 水道法第22条及び同法施行規則第16条により、水道事業者が講じなければならない衛生上必要な措置では、給水栓水の遊離残留塩素濃度は0.1mg/L以上

 これと比較して、下記のような新しい電解水とかクラスターイオンとか、どれほどの意味があるのか疑問です。むしろ常在菌への影響は水道水とは違ってくる可能性があります。そうなった場合、やはり菌のバランスを崩し悪影響が出ないとは言い切れないでしょう。しかしTVでは決してそんなことは言いません。スポンサーは神様ですから消費者より大事なのでしょう。

 結論として、水道水で除菌効果は十分であり、それ以上の消毒薬や除菌剤は必要ないということ。それよりは増殖時間を与えないように頻繁に水で流してしまうことの方が有効だと考えます。

 シャープやパナソニック等も未科学的な(現時点では学会発表はされていないはず。HPでの解説は私の知識からすると否定する証拠もないが非常に眉唾としか思えない。ただし説明が間違っていても現実に効果が有れば問題はないのだろうが。)説明で空気中の"ウイルスを分解"すると言っていますが、例えば水道水の加湿器を使った場合に対してどれほど効果に差があるのか比較検証もすべきでしょう。インフルエンザに関しては、のどの乾燥が一番良くないので加湿するだけでも間接的に予防効果は上がるような気はします。無論うがいの方が有効でしょう。

プラズマクラスターイオン発生機 IG-A100-W ホワイト系 (シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/living/pcig/prod01/iga100w/f_iga100w.html

新型インフルエンザ抑制効果で注目される三洋電機の電解水技術
http://diamond.jp/series/brandnew/10213/
 新型インフルエンザの患者から採取した実物のウイルスを用いて、電解水によるどれだけの低減効果があるか、検証実験を実施。その結果、感染価を99%以上抑制できることを確認した。

「イオン健康家電の正体」 (日経エレクトロニクス)2009.11-2号
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20091026/176904/

 多少は科学的な検証記事がありました。私は会社の図書で読みましたが、Webで一部は読めます。いっしょに著者のコラムも読むとオモシロイです。

「顧客に誠実であり続けること」の価値 (大森 敏行)2009/11
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20091102/177202/?ST=NE

 結局の所、事実検証もまだ曖昧さが残っており、医療効果は未確認らしい、と私は読みました。医療効果をうたうのは規制が多くて非常に面倒だという事情もあってメーカも医学的な検証には積極的ではないようです。


 なお、冷蔵庫の中とか滅多に拭き掃除しない所をアルコールで完全除菌することは少しは意味があると思います。頻繁に掃除する方がさらに良いでしょうが。
 ただ何でもかんでも除菌しまくる最近の風潮はいただけません。常在菌を殺すことがかえって危険な菌を増やす可能性を増やすことは衣服でも壁でも同じです。常在菌は健康状態であれば他の菌から守ってくれるガードマンだと考えれば良いでしょう。(体が弱ってくると裏切って攻撃してくる可能性もありますが、他の菌よりは体に耐性ができているのでマシでは無いかな。)
 人間は長い進化の結果、菌と共生しないと生きていけないようにできているのです。無闇に嫌ったり恐れたりするのは間違っています。

『人体常在菌 ―共生と病原菌排除能』 (牛嶋 彊,医薬ジャーナル社,2001)
http://www.wound-treatment.jp/next/dokusho279.htm


 それから、ワクチンが足りないと言ってますが、通常より死亡率が高いと言っても高々0.5%、健康な成人なら寝てれば治るレベルので必要ないと思います。「海外から買う」なんて発言は世界から見れば日本人はなんてジコチューだと顰蹙を買うだけで、「医療レベルや栄養レベルは高いので恐れる必要はない」とでも言っておけば良いと思います。
しかし0.5%でも患者数が多すぎるので結果として死者はかなり出るかも知れません。残念ながら毎年病気で死ぬ人は相当数出ます。インフルエンザだけそこから例外扱いするのは無理でしょう。それすらも認めないという"潔癖症"に国民がかかれば、官僚は責任逃れのため"ヤリスギ"で対処する様になります。世界の中での日本だというバランス感覚も必要なはずです。

新型インフルエンザワクチンで、感染拡大は防げるのか? (渡辺雄二)2009年9月14日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090914/181069/
 もともとインフルエンザはワクチンが効きにくい病気である。ウイルスが突然変異を起こして姿を変えてしまうため、ワクチンの効果も短期間で無になってしまうのだ。季節性インフルエンザの場合、ワクチン接種によって、健常者(65歳未満)の発病は70~90%減少するものの、小児(1~6歳)の発熱は20~30%しか減らない。また、老人施設入所者(65歳以上)の発病も30%しか減らない。したがって新型インフルエンザの場合も、ワクチンの効果は同程度か、むしろ低いと見ておいたほうが賢明だろう。
 また、ワクチンの副作用が現われることも懸念材料である。季節性インフルワクチンの場合、122件の副作用が報告されており、4人が死亡している(2007年度)。接種した本数は2257万本なので、それに比べると副作用は少ないといえるが、新型ワクチンは、どの程度になるか分からない。とくに輸入ワクチンの場合はいっそう不安な要素が多い。

(参考)医療関係者のサイトの方が信用がおけるかな。

抗菌対策のこんな弊害 (自然医学総合研究所)
http://www.soukaikan.jp/koukin.html

 この項の内容は私が述べてきた説と一緒ですね。
 「牛乳は健康食品?」の項は私も意外でした。正論のような気もしますが、個人的に乳製品は好きだし、これまで胃腸の問題もないので適度に食する分には問題ないでしょう。
ちなみに、定常的に水より安く売っているような牛乳はホルモンで無理矢理増産している可能性が高いので避けた方が無難だと思います。製造の手間から考えてあまりに安すぎる物はアブナイと思った方がイイです。食品偽装の問題も消費者が常識を働かせて気をつければ半分は回避できるはずです。

もっと極端な論を展開するサイトもありました。

歯はまた生えず虫歯よさらば (野人エッセイす)
http://ameblo.jp/muu8/theme2-10010874280.html#main

 なかなか興味深い説なので倣って実践してみようかな。確かに理に適っていると思います。シャンプー等は洗わないと痒くなるので必要悪かと思ってましたが、人工の化学薬品が身体に良くないのは自明ですし。

(11/1,14追記)
 1カ月以上シャンプーや練り歯磨きの使用を控えてきましたが、特に支障は有りません。フケや抜け毛が減ったという感じも多少ありますが、全く無くなった訳でもないので確証はありません。少なくとも悪くなってはいないです。シャンプーの香りやリンスのサラサラ感を期待している人には物足りないかも知れませんが。考えてみればシャンプーで頭を洗う習慣なんてごく最近です。昔の人はほとんど水洗いだったでしょう。それで特に問題は無かった、ということです。
 歯磨きも電動歯ブラシに水を付けて3分以上ブラッシングしていると十分なサッパリ感があります。ちなみに歯磨きはどんな方法でも最低3分は磨かないと食べかすを除くという意味では不足です。なお虫歯の予防には歯磨きより、唾液の再石灰化の力で歯を修復する方が効果は高いのです。お行儀が悪い様でも時々舌で歯の全体をなめるように唾液を巡回させると有効なはずです。食後にガムを噛むのはキシリトールでなくても有効でしょうね。その際は歯の一部だけでなく全体にガムを動かしながら噛むと良いでしょう。

 少なくとも環境と家計にはプラスです。不景気のおり皆さんも試してみてはいかが。

(類例)
シャンプーとリンスと石鹸は使わない方がいい - 分裂勘違い君劇場
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20070202/1170403306

湯シャン (シャンプー洗髪と育毛)
http://shampoo232.net/yushan.html


シャンプーすると はげ ちゃうゾ! (美容室ヘアーハート)
http://www.geocities.jp/hairheart1/newpage7.html
 美容業界からの意見でシャンプーの害を訴えているのは珍しいですね。髪のトリビアの項は全般に参考になります。

 

コメント
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