最近、私が実際に使ってみて特に有効と思えた小道具を紹介しよう。
接点復活剤:私が買った物は KURE コンタクトスプレー(300ml) だが、多分それほど効能は違わないので類似品でも良いと思う。
金属は自由電子が結晶中に多数存在し金属同士が接触すれば自由電子が流れて導通が取れるというのが教科書的説明だが、現実には自由電子は非常に不安定なので空気中の酸素に触れると瞬時に結合して金属の界面は(金メッキであっても)ごく薄い酸化膜で覆われている。ごく薄いので通常は金属を接触させればその衝撃で破れて導通は取れるものだが長期使わなかったり水がかかると酸化膜が厚くなって接触不良を起こす。導通を回復するにはこの酸化膜を除去する必要がある。金メッキがあると酸化は進みにくいため酸化膜が極薄のままで破れやすいのが他の金属より有利にはなる。
接触不良時に以前はCRC5-56等の潤滑スプレーを使っていたが、これらは浸透性は優れているが基本短時間で揮発して悪影響が残らないようできているのですぐにまた酸化する。
一方、接点復活剤は汚れ除去と同時に薄い保護膜を作り酸化を防止する効果がある(メーカー解説)。普段は油膜が表面を覆っているが接触部では押し出されて金属同士が接触するから導通が取れる、というのが原理だろう(あくまで推測)。一方で油自体は絶縁性なので少しぐらいならはみ出しても悪影響を与える可能性は低いだろう(推測)。
論より証拠で、実際に使ってみると非常に効果が高く、電気接点がある所には接点復活剤を必ず塗布しておいた方が良いと考える。電池を入れる際には必ずスプレーして更に数回入れ直して酸化膜を除去して使うと電池が長く使えるはずだ。日常、電池切れと思っても実は単に接触が悪いだけという状況が結構あるんじゃないかと思う。気付かず交換すればその時に酸化膜が破れて導通するだけで、実はまだ使える電池を捨てる事になっているかも知れない。日本全体で考えたらどれだけ無駄になっている事か。一人でも共感して使ってくれればエコに貢献するかも知れない。
あとACコンセントにも塗布して抜き差しして皮膜を作っておくと火花が飛ぶ危険性が減るので安全対策にもなる。火花は暗闇で通電したコンセント(待機電流の大きい機器とか)を抜き差しすると見えるので効果が実験しやすい。ただしそれで万一火事になっても責任は持てないが。火花の飛ぶ位置に燃えやすい物がなければ普通火事にはならないものの綿埃だって非常に燃えやすいので清掃が大事。乾拭きかエアーで飛ばそう。
最近PC画面が数秒暗転する症状が時々発生するようになり、アクセラ回路の故障か、そろそろ買い替え時かなと思っていたが試しにHDMIコネクタ(金メッキ有)にコンタクトスプレーしたら発生しなくなった。すごい効果。何と、まだ使えそう、だがWin11非対応機種なのでOSの方が原因で終焉しそうだ。全く勿体ない。
あと電池も種類が多くて用途を考えて使わないとそこでも無駄が出る。最近は充電式電池(2次電池)が安くなったので、繰返し使うものはこれを使う方が安上がりだろう。eneloop以降自然放電も少なくなったので、あえて1次電池を使うべきなのは小電流で1年以上使う物=リモコン、時計ぐらいだろうか。時計でもNiH電池(小電流なので劣化気味の物で十分)を使って私の実験では4ヶ月位は動くので充電交換の手間を惜しまなければ十分使える。劣化気味の充電池を使う場合、使用前に2回充電する方が良い。劣化すると電圧変動が大きくなるので不十分な充電でSTOPしてしまう可能性があるからだ。なお電圧が低いと動かない製品もあって(私の経験では電波時計とか)NiHだと短期しか動かない場合は1次電池を使った方が良い。
さらに循環ストックという考え方に立てばリモコンもNiHで良い。いくら最近のNiH電池はリークが減ったと言っても1次電池のように年単位で保つ訳ではない。全く使わず仕舞っておくより順番に使い回すほうが合理的だ。NiH電池が現状1次電池の8倍程度の価格とすれば1次電池で1年使える機器でNiHを繰り返して使うと8年で元が取れる。NiHは普通に使えば10年位は使えるはずだ。なおNiH電池は完全放電すると劣化するので、循環ストックにする場合2~3ヶ月毎に入れ替えて充電すべき。充放電回数500回として2ヶ月おきなら1000月≒83年なので製品寿命には影響しないだろう。
ダイソー等のNiHは安い分容量少なめで割安感は無いが、大電流を必要としない用途がメインなら十分かも。これなら5年で元が取れる。まぁ循環ストックの考え方では元を取る事は主眼ではないが。
ちょっと気づきにくい注意点として最新の高容量タイプの充電池は微妙にサイズが大きめになっているから電池ケースに入らない/抜けにくい/接触しない事がある。特に大電流を必要とする機器以外は通常タイプの方が汎用性が高い。大は小を兼ねない訳だ。この辺は実際試してみるのが一番早い。
今や緊急時に充電切れで使えない時の用心に1次電池を在庫する程度で、ほとんどの用途はNiHで代用する方がエコになる筈だ。通常の1次電池より高容量なので単1・単2はサイズ変更アダプターを用い、在庫は単4と単3に集約できる点もエコに役立つ。
シリコーンスプレー:これは調整とは関係ないが、ついでに買って使ってみたら効果絶大だった。
スプレーすると表面に薄いシリコーン皮膜を形成し摩擦を大幅に低減してくれる。これも同等品であれば同じような性能と思うので安いのを買えば良い。ダイソーでも小さい物を売ってたのでお試しには十分だろう。
これは戸棚や引出し、襖等、一応動くがやや抵抗が大きい場合に、可動接触面に塗布すると驚くほど軽くなってビックリする。戸棚や引出しは軽くなりすぎて力加減に慣れるのに結構時間がかかった程だが、指一本でスルスル動くのは快感。
表面の摩擦係数を下げるものなので凸凹が大きい面だとあまり効果が出ない点は注意。そういう所は先にヤスリがけすべき。
油のようにヌルヌルしないので弊害は少ないが、スプレーの際周辺の畳・床・敷居等にかからないように紙を敷く等のマスキングをしないとツルツル滑りやすくなって困る事になる…実際やってしまった。中性洗剤で落ちる事になってるが簡単には消えなかった。
初めに非常に効果があった所は3ヶ月以上経っても潤滑効果が持続している。コーティング膜は薄いので元の表面がざらついてるともっと早くダメになるかも知れない。まずは色んな所に使ってみて有効性を確かめることだ。
最近少し堅いファスナーに塗布したらぐっとスムーズになった。洗濯したら効果が消えちゃうだろうが、日常使うものだからその間だけでもストレスが減ると思う。油と違って乾燥後はベタつかないのが良。
LEDヘッドライト:調整時の照明で、LEDライトでは狙った所に当て続けるのに手が足りず、ランタンでは照度が足りず悩んでいた。本格的なアウトドア用のヘッドライトは高価で大げさだと思ってたのだが、最近ダイソーで見つけたので買ってみたら非常に便利。ヘッドバンドも付いてて角度も変えられるスグレモノ。
調整以外でもアンプの背面の配線とか物陰の探し物とか、見た所を明るく照明でき両手が使えるのは非常に有益。
多分防水は効いてないし、照度や広がりの調整もできないから本格的なアウトドアでは力不足だろう。流行りのミニキャンプ用に開発したのかな。デザインはアウトドア用をコピーしたのか無駄な焦点リングまで真似てるが意味がない。
ともあれ屋内で使う分には十分な性能だ。停電用にも一台持ってれば有効だと思う。改めて調べたら最近はアウトドア用ヘッドライトも充電式でコンパクトかつ安くなってて見直したが、それでも1500円位するから110円のCPには敵わない。
DCプラグ変換アダプター:ACアダプターも小物はUSBに集約される傾向が出てきたが、HDD等を買うとまだ必ず付属してくる。PC関係ではほとんどが+12Vか+5Vなので電圧が合ってて電流に余裕があれば流用できるはずだが、困ったことにコネクタ形状がメーカによって違うというバカバカしい状況がある。PC関連で主流なのは外径φ5.5だが内径はφ2.1とφ2.5の2種類が流通している。パッと見ただけでは判別困難で、穴が小さい方は嵌まらないので判りやすいが、大きい方は嵌るし時には導通もするが振動で接触不良を起こすためHDDでは却って害がある。この変換アダプタを買うだけでかなり使いまわせると思う。ACアダプタの電流容量(必ず記載があるはず)が足りている事だけ注意。メーカ保証外に成る点も留意。
Topland ノートPC用マルチACアダプタ:ノートパソコンのACアダプタも共用化できるはずだが現状はメーカによって電圧が微妙に違うので変換アダプタだけで流用するのはリスクが有る。最初に各社相談して電圧統一を計れば良かったのに。
この製品は変換コネクタを挿し替えると電圧も変わるようにできていて主要メーカのノートPCに広く対応できるのが特徴。電力が足りるかどうかだけが重要。メーカは余裕を見ているので実際は1割ぐらいの電力不足なら使えるようだ。アダプタの発熱具合をチェックして長時間使用しても熱くなければ大丈夫だろう。但し保証はないので自己責任。
最近ようやくEUを中心にUSB-Cに統一化の動きが出てきたが遅すぎる。本当に無駄が多い話で、本体が壊れて買い直すたびに余ったACアダプタが溜まっている or 簡単に捨ててしまったモノも多いのではないか。
これも世界中で考えたらどれほど資源の無駄遣いになってるか。アホみたいに温暖化脅威論をアピールする集団がこういう問題=物を極力買わない・捨てない・作らないようにするのが一番のエコ(省エネ・省資源=CO2削減)であるというアピールはしない事が、人為的CO2悪玉論が詐欺の一種であることの証拠のようなもの。物が売れなくなるとバックのスポンサーが困るからだ。人為的CO2は全地球CO2のごく一部でしかないことや、ライフサイクルではCO2を膨大に出す原発の問題も絶対言わない。製造・廃棄を無視して「運転中はCO2を出さない」事にどれほどの意味があるのか。熱効率は石炭火力よりはるかに低いので排熱で海水を温めて海水中のCO2を追い出す効果は強く、核ゴミは半永久的に熱を発生し続けるので保管にエネルギーが必要=最後は結局CO2になる、こんな事は学者なら誰でも解るはず。
それを指摘せず原発はCO2削減に有効だと言うIPCCが他の事だけ正確な事を言ってると考える方が無理があるだろう。