ヒルガオの写真を撮っていると、植え込みの先に何かあるのが見えた。
そばに行ってみると、植木の上に仰向けの状態で、サルのぬいぐるみがあった。
ふわふわの枝葉の上で、気持ちよさそうに少し微笑んでいる。
普通に考えれば、だれかが落としたものを、別のだれかがここに置いたのだろう。
植木はここで終わり、その先には用水路を渡る小さな橋がある。
その橋を渡ると住宅展示場がある。
以前はガソリンスタンドがあったが、その跡地にできたものである。
その奥を見ると、テントの前に祭りの露店商のように、お面や風船などが並んでいる。
お客さんとして来場した子供に、プレゼントするものらしい。
ひょっとしたら、このサルのぬいぐるみも、子供たちの目を引くために置かれてのか？
つまらない考えが頭をよぎった。
おサルさんは、相変わらず笑みを浮かべていた。
