この日、喜多院の大和守家廟所の脇の空地には、何もなくガランとしていた。
ただ、立ち入り禁止の中に入り、腰を屈めて説明板に見入る人がいるだけであった。

枝を伐られた大木の幹の周囲の足場のようなもの、今は櫓と呼んでおくが、
その櫓の上部に、白い監視カメラのようなものが付いている。
と思ったが、以前からあるもので、木の枝などに遮られて見えにくかったようだ。

カメラは、喜多院の中庭のほうへ向けられている。
境内にも、いくつか監視カメラがある。
今は防犯カメラと呼ぶことが多いが、役割は監視である。
お寺には、監視カメラは似合わない。

大木上部の伐られた枝には、すでに新芽が芽吹いていた。

角度を変えて見ると、小さな枝も生え、生命力の強さを感じる。
