梅雨の頃、歩道橋の手前に青柿がなっていた。
その柿の木は、今は葉も実も落として枝ばかりになっている。
その家の前に何か置かれていた。

プラスチック製の容器の上にかごが置かれ、その中に多くの柚子が入っていた。
添えられた紙には、「柚子湯に どうぞ お持ち下さい」と書いてある。
昨日が冬至だったが、その数日前のことである。

これを見て、この時期になると、柚子を会社に持ってきてくれた女性を思い出した。
かなりの量で、電車通勤では重くて大変だったと思うが、毎年みんなに配ってくれた。
自分の家だけでは使いきれないから、と言っていたがうれしかった。
おそらく、このお宅もそうなのだろう。
そばの柿の木の実はないと思っていたが、よく見るとまだ残っていた。

これも、野鳥のために残していたのかも知れない。