ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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芦沢央「許されようとは思いません」 読了

2019年12月29日 16時08分22秒 | 読書
こんにちは、ジニーです。


年末ということもあり、大掃除をしております。
今日はもうずっと一日中、大掃除。
新年の準備です。


その大掃除の合間に、たまっていた読書感想を更新。
今回は芦沢央さんの「許されようとは思いません」です。


去年も芦沢央さんの作品は読みました。
「悪いものが来ませんように」です。
こちらは長編でしたが、今回は5編の短編集。

どれもこれもなかなかに抉ってくるイヤミスです。
収録されているのは

「目撃者はいなかった」
「ありがとう、ばあば」
「絵の中の男」
「姉のように」
「許されようとは思いません」


それぞれに独特な風合いを持っていて完成度の高い作品だと
感じましたが、中でも特に、「目撃者はいなかった」と
「許されようとは思いません」がお気に入りですね。

「目撃者はいなかった」は20代のうだつの上がらない青年が
主人公の作品で、受注ミスをしてしまうところから話が
始まります。
1本目の作品ということもあり、非常につかみの強い作品だと
いう印象があり、最後に「おお、そう来るのか」という展開になり
しっかりと引き込まれました。


一方で「許されようとは思いません」では、
村八分の憂き目にあった主人公の祖母が物語の中心となり
進んでいく作品です。
すでに亡くなった祖母の遺骨を墓に納めるという話なのですが
進むにつれて、祖母の意思が感じ取られ、ほかの作品とは違う
何処か救いを感じるような終わり方をします。(とはいえイヤミスですが)

最後に少し切り口を変えてきたことと、おしゃれな終わり方を
しているのが印象的でした。


ハッピーエンドにはならないと思いつつ、最後まで読み進めてしまうのが
イヤミスの特徴ではありますが、芦沢央さんの場合は巧みな文章力に
引き込まれていくという言葉が本当に合う気がします。


そんな人間いないよと思いながらも、あながち他人事ではないかも
なんて思う節が少しは感じられてしまうのもそうだし、
そういう闇の部分を見てみたいと思ってしまう、人間の厄介な
好奇心を駆り立ててくるのが上手なんでしょうね。

芦沢央さんの作品は、今後もいろいろとお世話になりそうです。







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