こんばんは、ジニーです。
随分前の話になりますが、みきさんに紹介していただいた
横光利一さんの「蠅」を読みました。
非常に短い作品でしたが、独特な世界観に引き込まれる作品でした。
蠅は、冒頭蜘蛛の巣に捕らわれ、死の象徴のように現れます。
しかし、物語の終盤では、命を落とす人間たちを見下ろす
生の象徴として扱われており、わずかな時間の中で
全く対極に位置することとなる蠅は、非常に不気味な存在感を放っています。
蠅の登場から、のちに死を迎えることになる
様々な人間が登場してきます。
それぞれの立場の人間が、それぞれの要件で馬車に乗り合わせます。
その様が、冒頭で蠅を捉えていた蜘蛛の巣のように交差し、
抗うことのできない死を招く。
運命とすればそれまでですが、わずかな文量の中で、
生き生き、というか非常に生々しく描かれており
その後に訪れる死が、非常に衝撃的に写ります。
コンパクトにまとめられているが故に、非常にインパクトのある作品でした。
いろんな本の感想が書かれていて、いつも楽しみに読ませていただいております。(ASKA愛も楽しみにしてますよ)
「蠅」読んでいただけてうれしいです。
大学の授業で初めて読んだとき、ジニーさんの感想と同じ感想が浮かびました。
でもジニーさんのようにそれを言葉にまとめることができずに、授業の中でもうまく発言できなかったという思い出があります(笑)。
これと併せて中島敦の「山月記」を読みました。あと芥川の「羅生門」を。どれも生と死がすごく近くにある不気味さあふれる作品だなぁというありきたいりな感想をもちつつ、いつまでもこの不気味さから抜け出せず、時々思い出しているっという感じです。
感想とかを上手にまとめてかける人って本当に尊敬します。
これからも色々な記事を楽しみにしています。