こんばんは、ジニーです。
雷がゴロゴロなってます。
最近、晴れてたかと思えば、ザーッと雨が降って、雷ゴロゴロなって、
変な天気ですね。
そんなタイミングで書く、今日の読書感想にも「雷」の文字が。
成田名璃子さんの「東京すみっこごはん」、読みました。
シリーズ2作目の本作には「雷親父とオムライス」というサブタイトルがついています。
一応、1作目の感想を載せておきますね。
東京すみっこごはんとは、作中に出てくる共同食堂の名称です。
様々な人間が共存する都市、東京。
そんな都会の片隅、とある商店街のわき道にある古ぼけた一軒家。
縁もゆかりもない老若男女が集い、職を共にする場所。
くじ引きで食事登板を決めて、当番になった人はレシピに沿って
みんなに手作りご飯をつくって振舞う。
素人だけど関係ありません。
まずくたって黙って食べる。
そんなルールのちょっと変わった場所です。
あ、ここ説明はほとんど前回の読書感想のコピペです。
本作には4つの短編が収められています。
それぞれに主人公と、献立が設定されています。
今回は、
●唐揚げ:声優の専門学校に通う女の子
●筑前煮:仕事一筋で来た雷親父
●オムライス:教育ママを持つ小学生の男の子
●ミートローフ:子供が独立し夫婦二人暮らしの奥様
という組み合わせです。
最後のミートローフの話以外は、本作で初めて登場する人物が主人公と
なっています。
前作にも増して登場人物の個性が光る本作。
中でも筑前煮で初登場の雷親父は、オムライスの話でも主役級の活躍をしています。
最初は、頭の固そうな爺さんが出てきたな、なんて思いながら読んでいましたが、
どんどん味が出てきて、凄い好きなキャラクターになっていきました。
仕事一筋できた人生で、確固たる自信にあふれる雷親父は、ひょんなことから
共同食堂「すみっこごはん」と出会い、テーマとなる料理、筑前煮を作ることになります。
筑前煮は雷親父の好きな献立であり、先立たれた奥さんの得意料理でもあるのですが、
それを初めて自分で作ることで、色んな事に気付いていくことになります。
最初は「こんな簡単な料理」なんて思いながら、挑むのですが、料理の奥深さの前に
あえなく撃沈。
しかしそこからが本作の真骨頂。
雷親父が決めつけてきたいろんな事柄と向き合うようになり、凝り固まっていた
考え方や態度が氷解していくのです。
その過程を見ていく中で、キャラクターの魅力が出てくんですね。
最終的には、「味のある爺さん」なんて見方にこちらも変わっていたり、面白いもんです。
雷爺さんは、その次のオムライスの話でも大活躍します。
孫ほどに年の離れている小学生との交流は、人生の先輩としての存在感に溢れています。
この二つの短編は、隣り合わせで収録されているからこそ、相乗効果的な
面白さになっているなと感じることができます。
人と人との交流は、年の差など関係なく、双方に何か実りをもたらします。
そこには対話があり、他人と関わることの大切さを感じさせてくれます。
特に食事という場面は、その対話を生み出す絶好の機会ですし、
やはりなんといっても「同じものを食べる」というだけで、共有できるものは
言葉以上に大きな意味を持つのかもしれません。
人と人との連鎖、繋ぐこと。
生きるということは、命を繋げること、食べ続けていく毎日と同義。
なんて言うと、だいぶ仰々しくなりますが、シンプルなところで同じなんだろうなと思います。
そういったありふれた日常の積み重ねが、物語なのでしょう。
本作ではほかにも、友情、犯人捜しのミステリーと、
実に多彩な色合いの物語で構成されており、ハートフルな気持ちでホクホクしながらも
ワクワクも味わえる、エンターテイメント性の高い作品になっています。
普段、ミステリー作品ばかり出て物騒な話に没入している僕としては
気持ちをリフレッシュする意味でも、本作の存在感は大きいです。
ぜひ、この気持ちをあったかくしてくれる「東京すみっこごはん」、いろんな方に
読んでほしいなと思います。
雷がゴロゴロなってます。
最近、晴れてたかと思えば、ザーッと雨が降って、雷ゴロゴロなって、
変な天気ですね。
そんなタイミングで書く、今日の読書感想にも「雷」の文字が。
成田名璃子さんの「東京すみっこごはん」、読みました。
シリーズ2作目の本作には「雷親父とオムライス」というサブタイトルがついています。
一応、1作目の感想を載せておきますね。
東京すみっこごはんとは、作中に出てくる共同食堂の名称です。
様々な人間が共存する都市、東京。
そんな都会の片隅、とある商店街のわき道にある古ぼけた一軒家。
縁もゆかりもない老若男女が集い、職を共にする場所。
くじ引きで食事登板を決めて、当番になった人はレシピに沿って
みんなに手作りご飯をつくって振舞う。
素人だけど関係ありません。
まずくたって黙って食べる。
そんなルールのちょっと変わった場所です。
あ、ここ説明はほとんど前回の読書感想のコピペです。
本作には4つの短編が収められています。
それぞれに主人公と、献立が設定されています。
今回は、
●唐揚げ:声優の専門学校に通う女の子
●筑前煮:仕事一筋で来た雷親父
●オムライス:教育ママを持つ小学生の男の子
●ミートローフ:子供が独立し夫婦二人暮らしの奥様
という組み合わせです。
最後のミートローフの話以外は、本作で初めて登場する人物が主人公と
なっています。
前作にも増して登場人物の個性が光る本作。
中でも筑前煮で初登場の雷親父は、オムライスの話でも主役級の活躍をしています。
最初は、頭の固そうな爺さんが出てきたな、なんて思いながら読んでいましたが、
どんどん味が出てきて、凄い好きなキャラクターになっていきました。
仕事一筋できた人生で、確固たる自信にあふれる雷親父は、ひょんなことから
共同食堂「すみっこごはん」と出会い、テーマとなる料理、筑前煮を作ることになります。
筑前煮は雷親父の好きな献立であり、先立たれた奥さんの得意料理でもあるのですが、
それを初めて自分で作ることで、色んな事に気付いていくことになります。
最初は「こんな簡単な料理」なんて思いながら、挑むのですが、料理の奥深さの前に
あえなく撃沈。
しかしそこからが本作の真骨頂。
雷親父が決めつけてきたいろんな事柄と向き合うようになり、凝り固まっていた
考え方や態度が氷解していくのです。
その過程を見ていく中で、キャラクターの魅力が出てくんですね。
最終的には、「味のある爺さん」なんて見方にこちらも変わっていたり、面白いもんです。
雷爺さんは、その次のオムライスの話でも大活躍します。
孫ほどに年の離れている小学生との交流は、人生の先輩としての存在感に溢れています。
この二つの短編は、隣り合わせで収録されているからこそ、相乗効果的な
面白さになっているなと感じることができます。
人と人との交流は、年の差など関係なく、双方に何か実りをもたらします。
そこには対話があり、他人と関わることの大切さを感じさせてくれます。
特に食事という場面は、その対話を生み出す絶好の機会ですし、
やはりなんといっても「同じものを食べる」というだけで、共有できるものは
言葉以上に大きな意味を持つのかもしれません。
人と人との連鎖、繋ぐこと。
生きるということは、命を繋げること、食べ続けていく毎日と同義。
なんて言うと、だいぶ仰々しくなりますが、シンプルなところで同じなんだろうなと思います。
そういったありふれた日常の積み重ねが、物語なのでしょう。
本作ではほかにも、友情、犯人捜しのミステリーと、
実に多彩な色合いの物語で構成されており、ハートフルな気持ちでホクホクしながらも
ワクワクも味わえる、エンターテイメント性の高い作品になっています。
普段、ミステリー作品ばかり出て物騒な話に没入している僕としては
気持ちをリフレッシュする意味でも、本作の存在感は大きいです。
ぜひ、この気持ちをあったかくしてくれる「東京すみっこごはん」、いろんな方に
読んでほしいなと思います。