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香料抽出法 1.アンフルラージュ(冷浸法)・・・♪

2013年03月10日 | アロマ
アロマセラピーで用いる香料は、殆どが水蒸気蒸留法と言う方法で植物から香り成分が抽出されます。
先日アカエゾマツ蒸留を行った、あの方法ね)



ですが、お花の香り成分は、熱に弱く水蒸気蒸留を行う際、香り分子が壊され香りが抽出出来ないものもあります。



そのような植物は(主に花の香りですが)、有機溶剤を使った方法で香りを抽出させます。




水蒸気蒸留で得られた香料を「精油」と言うのに対して、有機溶剤法で抽出された香料は「アブソリュート」と言います。



アブソリュートとなる植物は、もともと含有される香り成分自体が微量の為、大量の花を用いることもあり、商品となった時には値段も高くなります。



一般的なアブソリュートに、「ローズ」や、「ジャスミン」などがありますね。



現在アロマセラピーで使用される香料は、主に上記2種で得られた方法が殆どですが、その他にも「超臨界二酸化炭素ガス抽出法」と言う方法や、「圧搾法」もあります。



さて、今回の「アンフルラージュ法」は、18世紀頃、フランス南プロヴァンス地方のグラースで行われていた抽出法で、当時有機溶剤法などの技術がまだなかった頃に行っていた方法です。



木枠の付いた40cm四方のガラス板に、牛脂4:豚脂6の割合で合わせた物を塗ります。



載せる花びらと、脂の接触面を広くするために、櫛目を入れ花弁を並べます。



当時は、体育館のような場所にずらっと並ぶ女性達がこの作業を行っていたと言います。
大量に採取されたお花の香りが、工場に放たれていることを想像すると、私も当時の女工さんになりたくなっちゃいます(笑)



このガラス板を積み重ね、24~48時間後に、油脂に花の香りが吸着され、しおれてきたら花弁を取り除き、新しいお花に交換します。



この工程を何十回と繰り返すことで、油脂は香りでいっぱいとなり飽和状態になります。



この油脂を「ポマード」と呼びます。



さらにこのポマードにエタノールを混ぜ芳香成分をエタノールに移します。



そして、真空下でエタノールを蒸発させると、芳香成分が抽出されます。



これを精油とは言わずに、「アブソリュート」と呼びます。
(有機溶剤法と一緒ですね)


こんな風に、アンフルラージュ法(冷浸法)は、大量のお花、そして時間と手間をかけて得ることが出来る香料なんですね。



水蒸気蒸留で得た香りよりも、より生の植物に近い香りが抽出出来るとも言われています。



ですが、ポマードの段階では生の植物の香りであっても、アブソリュートとなった時、全く違う香りになってしまう植物もあるようで、現代でこそ合成香料がありますが、当時はとても苦労したと思われます。



人の手によって1つ1つのお花を脂に吸着させて行き、香りを育てていくアンフルラージュ法、時間がゆっくり流れて行くようです。



アンフルラージュの実験


【ライラック】
【ラベンダー】
【ローズマリー】
【日本水仙】



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