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八日目の蝉

2011-05-07 | や ゆ よ


不倫相手の子供を誘拐した女の3年半にわたる逃亡生活と、
成人した
子供の葛藤を描いた物語 

★★★☆ 「八日目の蝉」が見た風景に涙.

「優しかったお母さんは私を誘拐したひとでした---」
母だと思っていた人は母ではなくて 本当の母だという人は なぜか怒ってばかり
いつしか娘は暗い瞳のまま大学生になっていました。
誰にも愛されていないと感じながら育ったという彼女は 好きと言われたのが嬉しかった・。
そんな理由で 今 不義の子を宿し 産み 育てようと考えていた。
親の反対も彼女には届くはずもなかった---。

「蝉って、何年も土の中にいるのに 地上に出て七日で死んじゃうんだって。かわいそうだよね」

「そうかな。ほかのどの蝉も七日で死んじゃうなら、別に悲しくないよ。
もし自分だけ、八日目まで生きて仲間がいなかったらその方が悲しいね」

この蝉が見た「八日目の風景」とは いったいどんなものだったのでしょうか・・・

愛人に 夫の心を奪われ子を奪われ、そしてその子の「心」までも奪われた実母は 
その悲しみや苦しみを 子供にぶつけ続けてしまいました。
彼女の悲しみや辛さは痛いほどわかるし 本当に可哀ではありましたが
その姿は あまりにも・・・醜悪でした。

反面 誘拐した子を わが子以上に愛し慈しむ愛人の姿はまるで聖母のよう・・。
もし票を入れるとしたら---誰もが・・実母より彼女に票を投じてしまうことだろう・・・。

でもそれはやはり間違いなのだ。

彼女の行為によって 
この母と子はともに「八日目の風景」をみることになったからだ。

そうこの「誘拐」によって 二人は ともに
見るはずのない世界を見ることになってしまったのだ
本来なら惜しみない愛情を捧げ 惜しみない愛情を受けて
幸せな 普通の 母子であったはずなのに・・

2人にとっての 八日目の世界は 「孤独」そして「地獄」だった。

悪いのはすべて 男!と私は言ってあげたいけれど--
自分の寂しさから子を奪い傍においた愛人も-
自分の辛さでいっぱいで子を思いやれなかった実母も
罪びと---。

ともに この子を愛していたはずなのに-----。
その子に その愛情が伝わっていないという この現実は
2人の過ちの確かな証なのだろう。

彼女たちが考えなければならなかったのは 子供の幸せ。
被害者は自分ではない・・子供だったのだから。

大人の事情をしり目に娘は自分の過去を追い始める。
彼女がそこで見つけたかったものとは やはり 愛された記憶だった・・・?

そして 彼女は確かに「愛されていた 幸せな記憶」を見つけた。、
しかし それは 「誘拐犯である人」との思い出」なのだから 
心中は複雑だったでしょうねぇ・・。
それでも 前を向き笑顔を見せた彼女に・・
一筋の光を見た私だったのだけれど・・・

彼女は 私にとって思いもよらない思いに行きつく。


 自分は(も)子を愛することで幸せになれる。
 自分の愛が有れば子も 幸せになれる------。
 八日目の蝉だからこそ見えた風景も ある。

 彼女はやはり 子を産み育てることを決意したのだ。

彼女はきづいているのだろうか・・・。
両親にも祝福されないその我子もまた 「八日目の蝉」であることに。

彼女が子を愛するかぎりその子は幸せになれる。
確かにそうだ・・・自分次第でなれるはずだ。
しかし--

子供は誰からも祝福されて生まれてくるべきなのだ
親の役目は子供に普通の生活と普通の幸せをあげる事だ---。

それに気づかない限り、
 彼女にも 痛いしっぺ返しが待っているに違いないと私は思う。

 母とは結構孤独なもの。子育てとは けして独りでできることじゃない。
  まぁ。産むと決めたからには 実母にも わが子を愛してもらわなくては。
  実母にとってもそれが贖罪の道-でもあると思う。
  どうかその子を八日目の蝉にしないように----。そう願うばかりだ。
 

 *劇団ひとりはちと生々しかったなー(笑)

 


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4 コメント

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TB&コメントありがとうございました♪ (テクテク)
2011-05-16 22:49:47
こんにちは
この映画には色々と考えさせられちゃいましたよね

女性ならではの独特な物語というか
本妻、愛人、娘が持つ各々の女の性を描いた作品というか…

3人の誰もが幸せな時と不幸な時を経験していて
心の痛みを上手く処理できず衝動に駆られてしまった為に
自らが招いてしまった各々の結末のように
私は感じてしまいました

でもなー
やっぱり諸悪の根源は男かな
返信する
テクテクさんへ♪ (くろねこ)
2011-05-20 15:35:00
男が悪いのは明白!(笑)
とはいえ子供にとっては関係のないことで、
やはり衝動に走った・・
母親の過ちは大きそうですね。
子どもの救いが愛された記憶だったこともあるし心情はどうしても愛人にいっちゃいますが、なんとも論じにくいです。
総ては「子の幸せはなにか?」を考えて行動しなきゃダメってことなんでしょうけどー。
できない時もあるのが人間ですもんね。
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こんばんわ (にゃむばなな)
2012-02-06 21:54:28
ほんま、この映画に出てくる男は悪い!
でもそれは子供には直接関係ない話。
血の繋がりよりも心の繋がり。子供が求めているのはただそれだけですからね。
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にゃむばななさんへ♪ (くろねこ)
2012-02-10 22:45:07
こんばんわ~!
うんうん・・。親の事情なんてホント子供には関係ないこと・・。
罪なき子を巻き込んだ親たちの責任は大きかったと思います。
愛されていた記憶を見つけた彼女の幸せが
1人で子を愛し育てることだった理由は、
まさに「心の繋がり」を求めてのことだったように思えましたよ。
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