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里村専精師 浄土真宗へようこそ《No29》

2014年07月21日 22時50分48秒 | 里村専精師の言葉

里村専精師の「浄土真宗にようこそ」(No029)をお届けします。

浄土真宗にようこそ(029)

仏像について再び思います。
NHKでもガンダーラ発生を公言されていますが、まだ早いし言い過ぎです。
仏像は、もともと彫刻された時には菩薩像だったはずです。
ブッダの因位である菩薩の形だから、仏像というものの髪・髭・衣装が派手なのです。
大乗仏教を推進したサンガの影響から、菩薩像は生み出されました。
それもインド内陸部の発生が自然です。
ガンダーラはむしろインド仏の模倣だということは、その後の選択からも判明します。
中国・朝鮮半島・日本と伝達された仏像は、一体もガンダーラ仏を本尊としていません。
北伝仏教だけではなく、東南アジアの仏像までが、インド仏を継承しています。
北伝の場合は、ガンダーラを経由して仏像は伝えられました。
なのに中国以降の仏像で、ガンダーラ仏は一体も本尊の扱いを受けていません。
インド仏こそ選択されたのであって、ガンダーラ仏は意図的に外されているからです。
たとえば竺法護や曇無讖、そして玄奘三蔵たちにもその選択があったからです。
ガンダーラは確かに幾つもの傑作を生産しています。
けれども、連綿として本尊としての仏像はインド仏が採択されています。
ここから見直しても、ガンダーラ仏はインド仏からの模倣だと考えられます。
それに、顔がギリシャ的だとか・石像制作にたけていたとかが言及されます。
実際にはガンダーラ地方の人たちの顔が、あの仏像そっくりなのです。
石像制作の技術は、ギリシャだけではなくて、インドの同時代の彫刻にもありました。
たしかにギリシャ人もヤバナと呼ばれて、ガンダーラには存在していました。
カニシカ大王の時代、マトゥラまでその勢力が及んでいたということですが、
それならマトゥラの菩薩像から、有名なカニシカ王の舎利壺も制作されたとも言えます。
ガンダーラ優先の説は、あくまでも保留です。
中国に渡ったインド人・そしてインドを旅した中国僧たちも、インド仏を採択しました。
この事実こそ、歴史を貫く事実ではないでしょうか。
何よりも、多くのサンガがブッダを確実に見つめていたのですから。

 


カウンセリング研究会【くりのみ】8月の学習会のご案内。

8月23日(土) 午前10~12  親鸞とカウンセリングコース(『教行信証』音読&楽談他


8月31日(日) 午前10~12  声明とカウンセリングコース(『正信偈』読誦&楽談他)


会場:タワーホール船堀

*どちらのコースも、9時~10時、自由参加の、自主学習タイムです。
 写経・声明等、各自の課題に取り組んでいます。

皆さまのご参加をお待ちしています。

 

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