着物で文化人気取り

諸事情により最近は着物を着る機会が減り、
ネタも様変わり
日々感じたこと、本、映画など
思うままに書き綴っています

MONSTER

2009-05-19 22:29:55 | 
さて、もうひとつの浦沢直樹作品。
「MONSTER」


これ、実は連載が始まって間もない頃、「マスターキートン」を貸してくれた同じ同僚に借りて読んだんです。

単行本で2巻くらいまで読んだのかな、ものすごく面白くて惹きつけられて、
先が気になって、気になって

でも、その同僚が会社を辞め、途絶えたままに

あれから十数年。


先日近くのブックオフで本を物色中、
その「モンスター」がズラリと並んでいるじゃないの

急に続きが読みたくなり、早速第一巻から購入。

そしたらもう止まりません。

数冊読んでは、翌日、仕事帰りにまた数冊購入、次
の日、また続きを購入・・・といった具合に読み進みました。


ストーリー(ウィキペディアより)
1986年、西ドイツ(当時)・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年ヨハンが搬送されてくる。天才的な技術を持つ日本人脳外科医・Dr.テンマは、院長の命令を無視してオペを担当し、ヨハンの命を救う。院内の政治力学によって、テンマの順風な状況は一変。医師として自分は正しかったと信じるテンマだが、苛立ちを隠せない。そんな中、院長、外科部長らの殺害事件が発生。同時にヨハンが失踪する。
数年後の1995年、テンマと遭遇したヨハンは、巨大な“怪物”に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺し、過去の殺人を告白するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、怪物ヨハンを追跡する。



全部読み終えての感想

面白いことは面白いです。

こんなストーリー考えつくなんてホント、あったま良いなぁ・・・
と思います。


本編とはあまり関係ない、脇役一人一人の背景も丁寧に描いていて、
じんとくるエピソードを途中にしのばせています。

猟奇的殺人、

大病院内での権力闘争、

東西冷戦構造のもたらした悲劇、

アダルトチルドレン、

人間愛・・・・

ありとあらゆるテーマが盛り込まれています。

ドイツやチェコが舞台となっているせいか、
「マスターキートン」を彷彿とさせることも

ただね


巻が進むにつれて
詰め込み過ぎじゃない!?・・・ってほど、

登場人物が多すぎて、

その相関関係も複雑で、

色んな組織もからまって、

頭ん中、こんがらがっちゃいます。

で、ラスト・・・

あれだけたくさん詰め込んで、

「謎」をちりばめて

読者を引っ張った割に

ちょっと拍子抜け?


あれ~


これで終わり


何か消化不良。

あのラストには、
ここまでひっぱって描いた説得力がない

全てが解決されて、「ああスッキリ」・・・とはなっていない

「続編」無いのぉ


無いのですね、これが。

漫画はね。



私は読んでいないけど、実は小説があるそうです。
違う作家さんが、浦沢さんと共著で書かれた「アナザーモンスター」がそれ。



原作の「ヨハン事件」に関わった人々に行ったインタビュー、
という形で話しが進むんだって


これ読むとすっきりするのかな

あ、それと、アニメ化もされてますね

こちらはほぼ原作に忠実らしいけど、原作にない追加シーンもあるらしいです。

機会があれば見ちゃおかな

この作品でカギになるのが、

孤児の子供達を教育するために作られた
不気味な内容の絵本なのですが・・・・。


作中で描かれた絵本とまるで同じ物が、本当に絵本として刊行されていました。



「なまえのないかいぶつ」

偶然本屋さんで発見

凝ってるね

マニアは欲しくなるかも。

海外にもファンが多いらしく、映画化の話しもあるんだって

うん、これは
ちょっと期待するかな

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