着物で文化人気取り

諸事情により最近は着物を着る機会が減り、
ネタも様変わり
日々感じたこと、本、映画など
思うままに書き綴っています

福岡近代絵巻

2009-11-11 20:49:43 | お出かけ
最近
年のせいだろうか、妙に子供の頃の風景や出来事が懐かしく思い出される

思えば
私の暮らす福岡市も他の政令指定都市同様、ここ数十年ですさまじい発展を遂げ
特にバブル期には「アジアに開かれた福岡市」を目指しての
建設ラッシュが目白押しとなり、現在に至っているわけだが、
私が幼少の頃は今とは全く違う風景が広がっていた。

そんな在りし日のまちの面影に触れたいと、
福岡市博物館で開催中の「福岡近代絵巻」展に最終日の日曜に行ってみた

思えばこの博物館もバブル期に建てられたもの。

建設当初はバブリーな外観になじめなかったけど、
時を経て少しづつ回りの風景にとけ込んできたようだ。
博物館沿いの通りは少し紅葉を始めていた

さて、
肝心の展示物はといえば・・・
福岡市が誕生した明治から大正・昭和と、発展の様子を示す写真や8ミリフィルムの映像、古い日用品など多数展示され、見応えは十分



私が小学生の頃は、まだ市内を路面電車が走っていて、
当時の交通手段はバスではなく断然電車だった
今では福岡市一の繁華街と言えば、
デパートが集中する天神地区だと皆が答えるだろうけれど、

以前は中州に玉屋デパート、博多駅には井筒屋百貨店、大丸も祇園町にあり、
買い物客は各地区に分散していたなぁ・・・・

あの頃は、大型ショッピングセンターなど1件もなく、
普段着る衣料品などは渡辺通りにある商店街で購入することが多く、
デパートと言えばちょっと特別の存在だった
日曜日家族でデパートにお出かけするって、
子供心には今で言うアミューズメントパークのような楽しさがあったっけ
自分の服を買ってもらうとすぐに飽き、母が買い物をしている間は
父と一緒に屋上の遊園地で様々なマシンで遊んだ

そしてもう一つのお楽しみは、
大食堂で食べるお子様ランチだった
今はどのデパートもイタリアンやフレンチなどの個別の料理店ばかりで
おじいちゃんから子供まで食べられる和・洋・中
メニューが揃う大食堂はすっかり姿を消してしまった。


そんなことを思い出しながら、当時の写真を見て回った。

↓「明治時代の放生会幕出し」の写真

当時は箱崎宮の境内に幕を張り、日がな一日飲食を楽しんだらしい。
幕出しに備えて、「放生会着物(ほうじょうやぎもん)」という、奥方や娘の着物を新調する何とも羨ましい風習もあったそうだ

↓この写真は昭和34年ころの昭和通り(今の赤坂辺り)


↓これは大正時代の明治通りの様子


(ちなみに福岡市には明治通り、大正通り、昭和通りと名のついた大通りがあるのです

私にとって懐かしい風景
父母や祖父母の時代のさらに古い写真や
生活の道具、戦時下の世相を偲ばせる品々、
そして戦後の焼け野原からたくましく甦ろうとする当時の市民の様子など・・・

生まれてからずっと福岡市に住んでいながら知らないことも多かった。

これからこのまちはどう変わっていくのだろう
明治維新以降、とてつもない歴史の波に飲まれながらも
ひたすら前進を続けてきた福岡市・・・

ずっと住み続けたいと思う大好きな土地だ
だからこそ、今その歩みを少しゆるめる時期ではなかろうか・・・
何かと感慨深い心境にさせられる展示でした。

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