見てしまいました。
『アクト・オブ・キリング』
1965年、インドネシアで起こったクーデターによる政変の裏で起こった共産主義者大虐殺を追うドキュメンタリーです。
とはいえ虐殺した側がまだ政権側なので被害者への取材など上手くいくはずも無く・・
なにせ当時虐殺を実行したヤクザ集団というか民兵集団が国営TVの番組内で「共産主義者の子孫が復讐しに来ないのか?」と聞かれ
「来ないね。もしそんなことするなら俺達で皆殺しにしてやるからなww」
って言っちゃうくらいヒャッハー!なステキな世紀末状態。
ならいっそ加害者側をおだてて当時のことを映画にさせたらいいんじゃね?という逆転の発想w
その映画の製作現場を追ったのがこの映画です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/ba/67c0b70e1f929511899268c20134ef43.jpg)
主人公は孫を抱いた人の良さそうなこの爺さん。 でも「プレマン」と呼ばれるヤクザ者で当時1000人以上ぶっ殺した恐い方・・
共産主義者だから殺した、ということになってますがそれはあくまでも建前で、華僑とか農民とか気に入らない者は誰彼かまわず拷問してぶっ殺してたわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/57/c7c3c1cec15000f5208ddca5de790afb.jpg)
「針金で首を絞めると血を出さずに殺せるんだ。効率的だろ?」
と親切に当時を再現してくれる爺さん。
ちなみに締めら役の人は当時自分の養父をぶっ殺されてます。
この後も当時村人を虐殺した場所でそのシーンを再現したり、自分で当時の拷問を受けてみたりとやりたいほうだい。
でもこの爺さん、最近悪夢にうなされることが多いとこぼし始めます。
若い時は気力で誤魔化せてたのが年取って衰えてきたせいか心の奥底にあった罪悪感がジワジワ出てきた感じでしょうか?
村の虐殺シーンでも「当時は勢いでやってたけど、今冷静にみてると結構・・」みたいな感想を漏らします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/d4/9a5ac5cda92c2d35b1d10f346edd242d.jpg)
そして製作中の映画は爺さんが殺した連中から「殺して天国に送ってくれてありがとう」と感謝されるところで終わります。
しかしそんな茶番で爺さんの心の呵責が収まるわけもなく・・
ラストシーンの爺さんがもうけっこう衝撃的。
自分がやっちまった事の重大性を理解したとき、人間ってこんな反応をするんだ・・
一見の価値多いにありです。