門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

八百比丘尼入定の地〜2020.03.14 福井県小浜市空印寺〜

2020年12月14日 | 和物(伝統芸能・歴史・考古学など)

 人魚を食べて不老長寿となり、日本各地を訪ったとされる八百比丘尼ゆかりの地の一つ、福井県小浜市には八百比丘尼が入定したと伝わる洞窟があります(空印寺境内、写真丸で囲った部分)。
 洞窟前の小浜市による案内板には
「(前略)若狭で語られている八百比丘尼物語とは、むかし東勢村(現小浜市)に高橋長者と呼ばれる人がいて、あるとき海中の蓬莱の国へ招かれ、お土産に人魚の肉をもらってきました。長者の娘がそれを食べたところ、八百歳になっても娘のように若々しく、困った娘は尼になり全国を行脚して、最後に若狭小浜に帰りこの洞窟に入定したというものです。この時八百比丘尼は洞窟の入り口に白椿を植えたと伝えられています。(後略)」
とあります。ちなみに全国的には八百比丘尼は「やおびくに」と呼ばれることが多いそうですが、小浜では「はっぴゃくびくに」と読みます。
 なお、近くに大きな解説板もあり、そこには
・西暦645年(白雉5年)生まれの高橋長者の娘が
・16歳の時に人魚の肉を食べて不老長寿になり、
・120歳で比丘尼姿になって諸国巡遊の旅に出、
・西暦1449年(宝徳元年)にその旅を終えて若狭に帰り庵を結んだが
・800歳になった時入定した
旨が書かれています。八百比丘尼は何を思い長い時を生きたのでしょうか。。。。
 そして当然のことながら人魚が気になります。人魚?UMA的な何かでしょうか?一説には9穴のアワビを食べたとも伝わるそうです(9穴って、トコブシとちゃうんかい!って突っ込みたくなりますが、アワビってわざわざうたっている以上「常とは異なるアワビ」、なんでしょうねえ)。




   アワビとトコブシについてはブログ内別記事「アワビ(トコブシじゃないです。)」でも少し触れています。

志段味古墳〜2019.12.8 愛知県

2020年08月24日 | 和物(伝統芸能・歴史・考古学など)

 愛知県にある国指定史跡の古墳群です。訪問してきました。群というからには複数の古墳が存在しているのですが、そのうち一基には葺石などが復元されています。写真掲載した志段味大塚古墳です。この古墳は5世紀後半に建造された帆立貝式古墳で、造り出しと呼ばれる部分に特色があります。造り出し部分で確認された祭祀行為は近畿地方の前方後円墳に見られるものと共通性があるそうです。
 アプリをダウンロードして説明や映像と合わせてご覧になると楽しみがひろがります。


鬼の塚〜2019.7.28 長野県長野市志垣〜

2019年09月05日 | 和物(伝統芸能・歴史・考古学など)
 平惟茂によって討たれた鬼女紅葉のものと伝えられている「鬼の塚」です。この伝説を題材にとった謡曲「紅葉狩」もありますが話そのものは伝承と全く同じ、というわけではなさそうです。地元に伝わるのは「京の文化を伝え、万病を癒す術を持つ貴女」としての紅葉の姿で、討った惟茂は里人の懇願により紅葉の首を(京に持ち帰らず)ここに葬ったとされています。近くに立てられた案内板によると今でも年2回、彼女のために供養祭が営まれているそうです。

参考:鬼無里ふるさと資料館(HP内に鬼女紅葉伝説の項があります。)

戸隠神社〜2019.7.28 長野県長野市〜

2019年08月25日 | 和物(伝統芸能・歴史・考古学など)
 天の岩戸が飛来し、現在の姿となったといわれる戸隠山の麓にある創建二千年を超える神社です。御神木として三本杉があり、八百比丘が植えたものと伝わるそうです(八百比丘尼ではなく八百比丘です)。戸隠神社さんの公式ページに由緒や伝承など詳しく出ていますのでお知りになりたい方はそちらをご覧ください。ちなみにこのブログに掲載した写真は三本杉「い」「ろ」「は」のうちの一本、「い」の杉です。

参考:戸隠神社←(写真がすごく綺麗です。)

「国宝の殿堂 藤田美術館展」〜2019.6.9奈良県奈良市 奈良国立博物館〜

2019年08月03日 | 和物(伝統芸能・歴史・考古学など)
 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき。ということで、これもまた展示最終日に行ってまいりました。
 今年は(完形なのは)世界に三碗のみという曜変天目茶碗が三碗とも同時公開されるということで話題になったのですが、残念ながら東京のは先週で展示期間が終了しています。
 館内撮影不可なので、入口付近で記念にパチリ。お茶碗じっくり見学コースと遠巻きに眺めるのでいいからまたないぞコースがあるようでして、せっかくなのでじっくりコースに並びました。思ったより早く列は進み、30分くらいでお茶碗の前へ。見やすいです。そしてクリエイターさんなのか職人さんなのか?と言ったふぜいの遠巻きコースの方がかなり熱心に長時間見ておられます。そう、じっくりコースは近くで見られる分、長くはその場所にとどまれないので、心ゆくまで眺めたい!という方はむしろ遠巻きコースの方が都合がいいのです。視力のいい方なら全く問題のない距離で見られますし。
 そして他の仏教美術も素晴らしいです。堪能しました。。。。


 ↑ちなみに奈良国立博物館のこの文字は聖武天皇の筆による「雑集」から集字したものだそうです。