門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

花崗岩と濃飛流紋岩〜2017.10.15学芸員と歩くふるさとの大地「東濃編」その1〜

2017年10月31日 | 古生物学・地学

 副題は「阿寺断層と東濃地域の岩石」、5月にあった岐阜県博物館地学講座「西濃編」の兄弟講座です。あいにくの雨ですが皆様時間より早く集まられ、いざ出発。今回は小井戸由光氏(岐阜大学名誉教授・特任教授)が講師としてバスに同乗されています!で、最初に一言

「この講座は中学生以上が対象ですので、当然中学校レベルの地学的知識は身についておられると思って話します♪」

 えーっとくらげびとがあたふたしているうちにも話はどんどん進みます。まずは本講座の概略と、合間合間に<地学的な考え方をするときは時間も距離も大きく捉えるように>ということが強調されます。例えば花崗岩は日常的な会話の中だと”深成岩の一つでその名とおり地下の深いところで生成される”んですが、地学的な会話の中では”地球の半径が6400㎞あるのに対し、花崗岩の存在する地殻は多く見積もっても地表から100㎞いかないんだから浅い”というわけです。岐阜県の約1/4の面積を占める岩体、濃飛流紋岩(火山岩)に至っては”深くても地表から1㎞以内の出来事なんだから、浅い浅い”のだそうです。尺度が違います。ちなみに花崗岩や巨晶花崗岩(=花崗岩質ペグマタイト)の生成は次のような感じだそうです。

 「マグマが地表に出ずにゆっくり冷却されると、温度が下がるにつれてはんれい岩・閃緑岩・花崗岩になる」が、

→水や硫黄など揮発しやすい成分は固まらずにマグマ溜まり(=残留マグマ)の中にとどまる。

→残留マグマ中に揮発性成分が濃集してくると、原子数の大きな元素は液体(=残留マグマ)に取り込まれずに

→残留マグマの上部に集まったガスの中に取り残され、ガスの中で結晶化する。

∴「いわばマグマの残りカスが固まったものが花崗岩であり、ペグマタイト(巨晶花崗岩)である」そうな。

・・・くらげびと(と、息子その1)以外の方には既知の事柄らしく、みなさま余裕の表情です。まだ最初の目的地に着いてもいないんですが、講義の内容についていけるんでしょうか。。。この内容すら正しく聞き取れているのかいないのか、すごく不安です。

(中津川市鉱物博物館にブログ掲載許可取得済み)

 写真はお話の中にも出てきたペグマタイト(中津川市鉱物博物館蔵)です。お話を伺ってから実物を見ると、確かに花崗岩より結晶が大きいです。

追記:不安的中。記事を一部訂正させていただきます。恥ずかしながら詳細は11月8日掲載の後日談という名の訂正をご覧くださいませ。 

参考:学芸員と歩くふるさとの大地「東濃編」配布資料 Oct.15.2017 岐阜県博物館

   中津川市鉱物博物館 


ハロウィン・我が家の場合〜お題に参加〜

2017年10月30日 | 日記

 お菓子めあてに子どもたちがやいのやいの騒ぐので、今年も有志でご近所さん巡りやります。子どもたちが仮装して「トリック オア トリート」って言ってお菓子もらうやつですね。最近はそれっぽいお菓子や小道具も増えてきて、用意するのも楽になりました。由来からするとジャックオランタンはカボチャじゃなくて蕪だし、仮装は海賊やお姫様じゃなくてお化けのはずだけど、子ども主体のイベントだからまあ楽しめればいいかと。一応ハロウィンについてのお話はするけど。

 で、手作りのカボチャランタン。雑ですが火を灯せばそれなりに見えるからよしとします。(毎年この時期になるとカービングナイフ欲しくなります。)なんだかんだ言いつつこうして他文化のイベントが定着していくんですねえ。。。ところでくらげびとにとっては今のハロウィンってほぼ「アメリカ版ケルトバージョン節分&収穫祭」の位置付けなんですが、日本の収穫祭である新嘗はどうしましょうねえ?


オオカマキリの交尾、ハリガネムシ再び〜2017.10.10〜

2017年10月29日 | 生物

 本日はオオカマキリの交尾に挑戦です。事前に餌は2匹ずつしか入れられなかったので少々不安なのですが、オス(愛称アンコ)の体格はいいので逃げ切れるか?と期待しつつ、いざ勝負。

14:55 メス(愛称目黒)のカゴの中にアンコを入れる。

15:00 交尾始まる。早っ。

19:45 交尾終わる。1回ジジッという音が聞こえたが、アンコは無事。アンコを元のカゴに移すが目黒の様子が変。

    頭を垂れて動かない。交尾中の体勢から動いていないんですけど!?生きてはいるけど。。。

    アンコに噛まれた?具合悪い?餌はここ2・3日食べが悪かったけど、、、理由わからず。。。

11日6:50 目黒の腹部からハリガネムシ※が出ているのを息子その1が発見。

 以前調べた時にはハリガネムシはいないと思ったんですが、まだ体内のハリガネムシが小さかったのか、その後の餌に中間宿主がいたのか、残念な結果になりました。特に息子その2は目黒を可愛がっていたのでショックだったようです。そしてオオカマキリの前幼虫※を見たい息子その1はもう一回メスを探すと息巻いております。・・・季節的に今から探すのは難しい気がしますがね。カマキリが棲家を追われる稲刈りの時がチャンスかな。

  写真は変わり果てた姿の目黒(オオカマキリメス)。写真ではわかりにくいですが腹部の右脇からハリガネムシが出てます。ハリガネムシが他で見るより茶色いのはまだ成長途中だからでしょうか?

 ボウフラやヤゴなどを中間宿主、カマキリなどを最終宿主とする寄生虫。自らの繁殖のために宿主を水辺に向かわせる習性があるため、心を操る(洗脳する)寄生虫としてネット上でも一時期話題になった。

 卵鞘から出てきてから一令幼虫になる前のカマキリをこう呼ぶ。卵鞘から出ると脱皮が始まりすぐに一令幼虫になるので観察できる時間は短い。

 

 

 


コカマキリの交尾〜2017.10.08〜

2017年10月28日 | 生物

 飼っているカマキリたちの中でオスメス揃ったのも何種類かあり、その中のコカマキリを番わせてみました。

日中  蝶やバッタを3匹ずつ餌として与える。(オスが交尾中に食べられる率が下がるかな〜、と)

17:00 メスのカゴの中にオスを入れる。

18:00 オスがメスの様子を伺うも近寄れず。

19:30 気づいたら交尾していた。いつからかわからない。。。

22:38 カゴの中から争う気配と大きな羽音が!覗いたら交尾を終えた直後のオスがかじられていた。早かった。

・・・20時頃までは子どもたちも観察していたものの、もう就寝時間なので

「オスが食べられないように見張っててね!!!」

と頼まれていたんですが、ごめん、救出叶わず。

 翌朝子どもたちに伝えると

「メスと卵の栄養にはなれたってことだよね。」

・・・うん。

 

 


福井県立恐竜博物館〜2017.10.09〜

2017年10月27日 | 博物館

 言わずと知れた恐竜王国福井の県立博物館です。「化石をわざわざよそに運ぶの面倒だし、発掘場所の近くに研究施設&博物館を作っちゃえということでできました(関係者談)」という、恐竜好きにとってはなんともありがたい博物館です。

 建物は黒川紀章氏の設計によるもので、丘陵地帯?の田園風景の中に突如銀色の卵が現れます。博物館の公式HP内の文章をお借りすると、「人にやさしく周辺の自然環境と調和し恐竜化石産地としてのシンボルとなるような建物」を意図して設計されているとか。起伏など元の地形を積極的に利用して建てられ、入ると左右対称の美しい空間が広がります。展示を見る前からワクワクするような空間だな〜と思います。

 常設展示のエリアの始めにあるカブトガニの死のダンス。これがまた大きな生痕化石(と実体化石)で、写角に困るほど大きいのです。この前に立つとどんなに入館者が多いときでもなぜか静寂を感じます。

 カマラサウルスの幼体の産状化石です。この展示の両脇にメインホールへ繋がる階段が2本伸びています。どちらを昇ってもじっくり見られる♪とくらげびとは喜んだのですが、皆様動くティランノサウルスが目的なのかホールへ急ぎ足。あまり見てもらえなくてちょっとかわいそうな化石です。

 これはカマラサウルス属の一種で、まだ種が確定していない実物化石です。写真では分かりにくいのですが、副肋骨があります。以前安藤氏の講演をお聞きしてから副肋骨も気になっている息子その1、やはり反応しております。

 今年2月9日に5種類の新種の恐竜化石とそれらが発見された発掘現場が国の天然記念物に指定された記念に、いつもは研究速報的な展示をするコーナーにそれらの標本がわかりやすく展示されていました。写真はフクイベナートルです。

 いいなあ、と息子その1が羨ましがる機器の揃ったクリーニングルーム。この日も黙々とクリーニングが行われていました。

息子たちが恐竜好きということを差し引いても、何度も訪館したくなる博物館の一つです。

 

参考:福井県立恐竜博物館