門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

2017.08.06恐竜の復元模型(全身骨格編)〜徳川広和氏講座〜

2017年09月30日 | 古生物学・地学

 連日になりますが徳川広和氏の復元模型講座、会場は瑞浪市化石博物館です。こちらは基本的に頭骨編の修了者の受講となっているためか定員オーバーはなかったのですが、その分熱心なリピーターさんや恐竜好きさんが集まっているようでした。

 始まってみるとさすが応用編と言いますか、最初から骨学用語がバンバン飛び交います。恐竜の名を全部学名で話す参加者さんや頚椎の数の違いに気づく参加者さんもいらっしゃって、参加者さん同士の会話もすごく面白いです。全身骨格なので主な筋肉のつき方なども教わって、今回はカラー粘土ではなく白色粘土をつけていきます。

 息子その1製作中の写真。徳川先生に教えていただいたおかげで、口の部分、今回は上の歯列が隠れています。筋肉のつき方もかなり自然、かな?本人は亜成体の体型だ〜などと言いながら仕上げておりました。

 そして今回は名古屋大学院生安藤瑚奈美氏の研究最前線の講演までありました。「肋骨から見るティラノサウルスのあれこれ」。本当はもっと専門的なお題だったのですが、会場内盛り上がってかなりいろんな話が出たので、つい。そして結構専門的な話も出ていると思うのに当然のようにその話についていく受講生のお子さんたち。。。毎回思うけど子どもって興味のあることへの食いつきがすごいです。

 

参考:瑞浪市公式サイト内瑞浪市化石博物館

   徳川広和氏公式サイト 徳川広和 恐竜・古生物模型作品ギャラリー

   名古屋大学プレスリリース Press Release 公開日2016.07.11


2017.08.05 恐竜の復元模型(頭骨編)〜徳川広和氏講座〜

2017年09月29日 | 古生物学・地学

 徳川広和氏の講座。これまた人気講座のため抽選でしたが、強運な息子その1また引き当てました。小田先生と同じく解剖学的な解説から入るかと思いきや、先生がおもむろに取り出されたのは竜脚類とおぼしきパペット人形。

『これがなん(の恐竜)だかわかる人〜?』

にこやかな先生のお声と裏腹にどよめく受講者たち(この講座は受講者参加型なので、受け身だと焦ります。)。が、やはり子どもの順応は大人より早いもので、ちらほら手が挙がります。

「アパトサウルス」

「ディプロドクス」

「ブラキオサウルス」

「丹波竜」

正解出ました。ディプロドクスです。その理由は鼻の位置、目の位置、背中の棘でほぼ種を特定できるから。今まで骨学的な目でぬいぐるみを見たことなどないくらげびと、ほえ〜っと声が出てしまいます。(ちなみにカーネギー自然史博物館※のミュージアムグッズだとか。さもありなん。)緊張がほぐれたところで講師紹介や作製実例のスライドがあり、いよいよ実技編のティラノサウルス頭骨が登場です。・・・これ、見たことあります。恐竜展に行くと出口でよく売ってる、アレですよね?

『消しゴムと侮ることなかれ。これは某先生が監修しておられる、実物を忠実に摸した消しゴムなのです。そこらで売られている安価な骨格レプリカよりよっぽど出来がいいんですよ!』

見かけるたびに買いたがっていた〇〇さん、見る目あったんだ。。。買いだすとキリがないから買わないですけどね(色が白か黒なら買っていたかもしれないけれど)。ともあれ目・鼻・耳の位置を確認して色つきの紙粘土を貼り付けていきます。粘土遊びのようですごく楽しそう、と思いながら見ていると、何やら息子が思案顔。???近寄って尋ねてみると、

「上唇はどうしよう。」

どうやら小田先生の講義以来上唇が気になってしようがないらしいので、徳川先生に聞いてみたら?と水を向けてみました。息子がおっかなびっくり聞いてみると、徳川先生、少し黙考なさった後、息子にわかるように丁寧に丁寧に話してくださいました。乾燥から口腔内を守るために上下の唇は閉じているのが陸生生物の基本なこと、ただし現生動物(例えばある種のワニ)を見てもわかるように生息する環境によっては口がぴったり閉じずに歯が出ていてもなんら不思議はないこと、つまり恐竜の種類によって唇部の形状は異なっていてもおかしくないということ、実際に研究者の間でも見解が分かれているものはあること、などなど。講座内容とは直接関係ない事柄なのに、ほんとうに真摯に答えていただきました。ありがとうございます。

  ↑弟たちにもみくちゃにされ、罅々&欠けてしまったT-rex。かなりかわいそうなことになっております。

↑結局歯がむき出しなのは息子その1に唇を後付けする技術がなかったため。上の歯は隠したかったらしいです。

※1 アメリカの実業家アンドリュー・カーネギーの援助の下に発見されたDiplodocus carnegii(ディプロドクス・カルネギイイ)を展示している博物館。カーネギー研究所が運営する博物館の一つ。


参考:岐阜県博物館

   徳川広和氏公式サイト 徳川広和 恐竜・古生物模型作品ギャラリー

 


2017.07.29恐竜の復元図を描こう〜小田隆氏講座〜

2017年09月27日 | 古生物学・地学

 小田隆氏(成安造形大学准教授)を講師にお迎えした岐阜県博物館の人気講座です。親は見学で、抽選に当たった息子その1のみの参加です。受講生は大人と小学生がほぼ同数といった感じでしたが、いきなり用紙に描き始めるのではなく、解剖学的な説明をしていただいてからの実践です。2時間という時間があっという間に過ぎてしまいました。だいたいの流れは次のとおりです。

 

1)骨格のスケッチ:本講座では先生のスケッチを使わせていただいたので、省略。

2)骨格の転写:1)の用紙の裏を鉛筆で塗って表に返し、その下に画用紙を置いて上から骨格を薄くなぞります。

3)目と鼻、耳の位置の確認:スケッチ済みの紙を外すと画用紙に骨格が転写されているので各々の位置を確認します。

4)筋肉の位置を確認:頭骨を支える筋肉のつき方などを確認します。

5)現生動物の写真も参考に復元:先生が描かれた恐竜のほか鳥類やコモドオオトカゲなどの資料をいただきました。

 で、できたのがこれ。

 上唇部にご注目。歯を出すか出さないかでかなり印象が変わるのですが、恐竜の表皮と同様に唇部の形状も復元画の依頼者(=研究者、イベント主催者など)によって意見は分かれるようで、小田氏は同じ恐竜でも依頼内容によって描き分けていらっしゃるとか。今回いろいろ教えていただいた中で息子は「上唇で歯がほとんど隠れる」説を採用したようです。くらげびと的には上顎と下顎の接合部というか人間でいうとほっぺたに当たるところがどうなっているのか気になってしょうがないのですが、、、。これからはもっと気をつけて見てみようと思います。

 ちなみに息子その1の感想は「まずは骨のスケッチができるようにならなきゃ!」。。。そのとおりですね。

 

参考:岐阜県博物館

   小田隆氏公式サイト STUDIO D'ARTE CORVO

   小田隆氏ツィッター 小田隆(@studiocolvo)


2017.07.26瑞浪市明世層の化石発掘

2017年09月25日 | 古生物学・地学

 岐阜県瑞浪市には届け出をすると即日発掘許可が下りる野外学習地があります。新生代第三紀、瑞浪層群の一部(約1,700万年前)の露頭があり、二枚貝や巻貝、サメの歯などの化石が取れます。子どもでも掘れるほどの固さ(柔らかさ)なので、夏休み教室などは毎年大人気のようです。

 発掘するためにまず瑞浪市化石博物館の受付で申請します。所定の書類に住所や氏名、連絡先を記入するだけで、すぐに許可証がもらえます。この手続きだけなら入館料はかかりませんが、初めての方はぜひ館内も見学して、予習してから行かれることをお勧めします。受付で野外学習地付近の地図がもらえるので、土岐川河畔まで歩いて向かいます。大人の足で15分ほどでしょうか。車は指定の場所に止めることができます。道具の貸し出しはないので、ご持参ください。

 さて、化石はあちこちに見えていますので、他の方が掘り返した後の石を拾うだけでも十分に採集できますが、今回は息子その1の自由研究用ですのでひたすら掘ります。炎天下を約2時間半、A4サイズのサンテナに3杯分ほど採集して帰途につきました。フナクイムシとその巣穴はかなり大きなものだったんですが、掘り出せずに一部のみで断念。かなり残念です。

 帰宅後クリーニングして出てきたのはウソシジミ・マテガイ・ヤマトオキシジミ・カガミガイ・タマツメタガイ・イシカゲガイ・ホタテガイ・マルフミガイ・キリガイダマシ・オオキララガイ・フナクイムシとその巣穴・植物(種類特定できず)・フジタバイ・魚の歯らしきもの(詳細不明)でした。個別にラベリングできた数の多い順にあげてみました。 自分がやったみたいな書き方ですがクリーニングおよびラベリングは全て息子その1の手によるものです。(くらげびとはクリーニングが下手なので、息子の許可がなくては触らせてもらえません。)

 なお、瑞浪化石産地は岐阜県および瑞浪市の天然記念物として保護が図られていますので、指定区域内での無断無届け発掘は禁じられています。2017年7月時点での指定区域は次のとおりです。詳しくは博物館におたしかめください。

明世町・薬師町・松ヶ瀬町全域(県指定文化財)

日吉町本郷・南垣外・宿・宿洞・半原、土岐町一日市場・木ノ暮・鶴城・桜堂・清水(市指定文化財)


参考:瑞浪市公式サイト内瑞浪市化石博物館

   瑞浪市公式サイト内野外学習地


2017.07.08 蝉の羽化

2017年09月24日 | 生物

  息子たちに付き合ってご近所さんに虫取りに行ったら、羽化する前の蝉の幼虫に出会いました。羽化を観察するんだー♪とご機嫌の息子たち、早速かごに入れて持ち帰ったらば。「あれ?2匹いる!」そんなバカなと覗いたら、すでに羽化が始まっていました。「ええ〜っ!?羽が伸びないじゃん!」慌てて羽に触らないように外に出しフニャフニャな足をつぶさないようにかごにつかまらせたら、なんとか硬化してきました。ふう。採取場所から自宅まで10分ほどですよ、びっくりです。

↑焦って撮ったのでピントがボケています。

 

↑だいぶ硬化してきました。息子たちによるとニイニイゼミのメスだそうです。

※ 翌朝同じ場所に放してきました。