春稜庵でお話しましょう

四季の変化を楽しみながら身近に感じた事を伝えます

雄阿寒岳と雌阿寒岳、山の旅 (その2)

2013-07-30 13:24:54 | 山歩き

 

さあ、今日は雄阿寒岳登山の日だ!

 

阿寒湖温泉の東の端っこにある宿舎から、車に乗ればすぐに 登山口駐車場へ到着。

既に数台が駐車している、その脇へ。

↓ ここの登山口は阿寒湖が東端に入りくんだ所。 ここから雄阿寒岳の姿が見えるはず。

↑ しかし写真のように、濃い霧で覆われている。天気予報どおりだ、覚悟して出発!

 

 

山道に入ればすぐに目につく花々のなかでも、

↓ 異様にあちらこちらで、かなり上の方まで咲いている、ゴゼンタチバナソウ。 

 それと、↓ のマルバシモツケソウ も。

 

 それにしても水っ気をたっぷりと含んだ濃い霧は、結局 雨が降っているのと同じ現象だ。

 低い樹木の葉っぱに、丈のある野草にと、たっぷり雨露で濡れきった状態だから

 顔、上着、ズボン、ザックなどで、その水分を拭き取りながら歩くという結果になる。

 これじゃ、雨中の登山と同じだ。 おまけに頭上の木々からも、ポタポタと落ちてくるし。

 ↓ 急遽、雨仕様の登山姿に変更する。

 

 

 それを気にしながら歩きはじめたので、太郎湖、次郎湖、など周囲を気にする余裕なし。

 一合目標識を過ぎて、キツイ登り道に入っても、出来るだけ濡れないように、

 との気遣いがが先行する始末。

 

  ↓ はハクサンシャクナゲ。 アチコチでで見かけた。 

 

  ↓ はメアロキンバイ たしか、咲いていたのは、ここ一か所だけ だったか。 

  ↓ この野草は ずっと上の方までアチコチで 見たけど 名前が不明のまま、調査中。

       やはり ノウゴウイチゴ かな?

 

  キツイ登りは、五合目でおわり。

  ↓ けど、尾根筋になっても、写真中央のように道幅が狭くなって、濡れ葉との戦いは まだ続く ↓

 

 

   ↓  チョッと山道が明るくなってきた。  七合目辺りかな? 

 

 

  ↓ そろそろ、ハエマツも低く少なく、八合目辺りか?

    ここに 気象観測所の跡地があったことは、下山時にやっと分かったこと。

   天気がよければ、ここから阿寒湖の全景がよく見えるはずなんだ。 残念なり!

 

  そこで!

  突然ですが!よく見える時は、こんな風に阿寒湖が望めるという、借り物の写真を見て下さい。 

  エツ、こんなに見事な景観なんだね。  雌阿寒までも見えるんだ!  宿舎のホテルも見える!

 

  さて、現実に戻って、  ↓ は ノウゴウイチゴの花。 これもここだけでした。 八合目手前で。

   その周辺では ↓ お馴染みのコケモモが。  蓼科高原、坪庭でお馴染みの。

  厳しい寒さに適応性がある植物。

   

  ↓ 次いで マルバシモツケソウが群生していた。 

 

 八合目を過ぎると、突然に急坂を下降して九合目となる。  おかしな事だけど。

 仕方ない、ここの山頂は山頂というよりも、沢山ある火口壁の一つなんだから。

 だから九合目は火口跡 なのである。 

 明日登る雌阿寒岳も同じ。 火口壁の一つのピークを山頂としている。

 

  この山の  ?合目かの表示 は、かなり 思いつき というか 恣意的である事は知られている。

  それでいいじゃないか!  山なんて、そんなに合理性のある場所でもなし。

 

  ↓ 山頂に着いたという感覚よりも、白い雲の中で、弁当を食べるだけ。 

 

   ↓ 隣のピークが突然に 姿を見せた。

   上記の地図にあるように 

   数十米ほど東側で 高さは15m低いピーク。 雄阿寒岳山頂と 同じ火口壁の一つ。

   画面左の九合目側が火口跡。 

   もしも好天気だったら頂上からの眺望はこんなに! 再び借用写真で我慢しよう。

   ↓ 山頂から北側にパンケトーが見えるという。もちろん西の真下には阿寒湖も見えるのだが。

 山頂の目の前にはパンケトウ

 

  食事と休憩のあと、 白い頂上を退散して、来た道を戻る。

  しかし往路の登り道で苦労した樹木にべったりと 付着していた水滴は もう乾いている。

  これだけで、随分と楽な歩行になる。 けれど、視界の悪さは 相変わらず。

  ↓ 帰路の八合目、観測所跡地に咲く イワブクロの群生。 

   ↓ 同じ場所に咲く ハクサンチドリ    

   ↓ 五合目から下りの急坂。  濃いガスが やや薄まってきて 辺りがやや見える。

    やっと  トドマツ と アカエゾマツ と ダケカンバの混合林を 味わえる状況になる。

    この地にはエゾマツは自生せず、代わりに アカエゾマツ だそうな。

    画面上方に咲くのはハクサンシャクナ。

 

  ↓ で、下山は 雨の様な水滴との闘いもなくて 楽しみながら戻る。

  登山前に撮ったと同じポイントで下山してからもう一度、雄阿寒岳を見上げれば!

  こんなに恢復したんだ。! ↓ でも見える最高部は八合目、頂上はその向こうで陰になる。

 

 まだ宿舎に帰るには早すぎる。  で、ここから 40kmほど東北へ阿寒横断道路を走って

 摩周湖を覗きに行く事にしようぜ!と。

 ↓ その途中、双岳台という展望地点から振り返るとやっぱり雄阿寒岳は雲の中だ。

 もう一つの雌阿寒岳も当然ながらまったく姿形さえ拝めない。

 

  ↓ 驚いた! 摩周湖の近辺はクッキリと晴れ渡っている。白い雲、青い空 で。

  右手の摩周岳も。真ん中の斜里岳もかすかに、湖面左に見える カムイシュ島も。

  年間で100日以上も、初夏では二日に一日は 霧が発生して湖面がみえないというのに。

  飛び入りの客を歓待していただき、感謝する。 ↓ 

 

  ↓ 前夜と同じ宿舎であるホテルの夕食風景。

    たくさんあるテーブル上のメニューがそれぞれ違うのはなぜ? と訊いてみたら。

    連泊客が多いので、ダブらない様にとの配慮だそうな。 

    当方グループも三日間とも同じ料理はなかったね。 納得する。

    毎晩替わらずに、喜ばれているのは 飲み放題 だけかな。 

 

 

さて、二日目は無事終了。明日は雌阿寒岳登山の日。 

晴天を期待するけど、山岳天気予報では、雌阿寒岳の明日は、霧が発生、とのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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雄阿寒岳と雌阿寒岳、山の旅 (その1 網走など)

2013-07-25 16:04:00 | 山歩き

 北海道山の旅 から戻って、すでに一週間。我が旅ブログの投稿をそろそろ始めないと!

記憶を辿る記事は、やや薄れかかった頃が一番効果的。

アレコレと、やっと想い出しながら、二番煎じで画面上での二回目の旅を楽しめるんだ。

 

そもそも北海道って、若い頃流行っていた 岬巡りの旅でも行ってない。 

北海道には行ける程の金はなかった。

でも、歩いて行った津軽半島の先端、竜飛岬から眺めたのが最初の北海道だった。

この岬から県都の青森に行く距離の3分の1で対岸、松前半島の陸影が眺められた。

何故か地元の方のラジオも北海道からの放送を聴いていたっけ。

新幹線の青函トンネルがそろそろこの真下で着工するらしい、という頃だったね。

 

その後も、北海道との出会い体験は、海路で船の乗り継ぎ港をチョッと移動しただけ。

で今回は、ようやく本来の北海道へ旅することになった。

 

女満別空港って読み方だけど、メマンベツと言うんだね。

 でも北海道って空港が多いんだ。全部で10個所位ははあるらしい。

そもそも地理が大好きな身だから、女満別空港までの空路は事前に想定していたけど

まさか岐阜、富山、北信、新潟、と日本海よりに飛ぶとは! たしかに最短空路だけど。

で、有難いことに、↓ 立山の上空で、黒部湖を拝めました。↓

 
 ↑ は高瀬ダム湖にも似ているけど、形状から黒部湖と判断した。

 

 

たったの二時間で女満別空港着。 勿体ないくらいのあっという間の時間だ。

南下して60km先の阿寒湖脇のホテルへ行く前に、

北上して網走湖、能取湖、サロマ湖を レンタル車で観光しながらということで。

↓ の図のとおりに車で走ることになる。 

先ずは、網走と言えば先ず刑務所だとか。旧建築施設を順次を市郊外の天都山へ

移築し最近完成公開されているのが 今の 博物館網走監獄 だ。

網走監獄と呼ばれていたのは明治中頃から大正の中頃までの短い期間。

それ以後は、ずっと70年間も 網走刑務所 の名称だったのに、何故か監獄とは? 

監獄 と言うと、恐怖感が先走るけれど、

そのわけは、現在稼働している刑務所との名前の重複誤解 を避けたらしい。


↑ 監獄の正門前で。 現在の網走刑務所もこれと同じデザインで新築されているという。

↑ 背後のアンテナ塔が見える所が天都山の山頂で流氷館がある。

  好天ならば、そこから望める知床の景観は素晴らしい。当日は霧が深くて残念だった。

 

↓ は正門の手前にある監獄食堂。 ここへは入らなかったけど。

現在の受刑者が食している、或る日の刑務所メニューが食べられるそうな。700円程度で。

正門から先の内部、博物館としての建築、施設、資料、は豊富だった。

見学はしたけど、この当ブログ記事としては、今回は割愛しようか。 先を急ごう!

 

 じゃあ、網走市街地はどうだった?  

 それも、残念だけど、時間短縮のために、駆け抜けて能取湖を周回するコースへ。

↓ 肝心の能取岬も濃い霧でこんな具合。 灯台もうっすら。

これでは、ここではじめて見るはずだったオホーツク海 も何処へ?

 

↓ 灯台の近くまで寄っても!これじゃあ。

仕方なく、 せめて、オホーツクの波だけでいいからと。

チョッとだけ覗かせていただいたのが、コレ。↓ ああ、はじめてみるオホーツク海だ。

 

 

能取湖は汽水湖だから海水出入り口がある。  で、湖岸の一周は出来ないので

一度時計廻りで下ってから、再びオホーツク海岸近くに出て、海沿いにサロマ湖へ向かう。

 

サロマ湖への想いは中学生の頃から。

同級生が家族旅行でサロマ湖へ行った、との作文を聞かされて、羨ましいなあ、と。

 

サロマ湖はなんで 片仮名でサロマと呼ぶのか? それは! 

この大きな湖を取り巻く自治体は 北見市、佐呂間町、紋別町。1市2町にまたがっている。

元来がアイヌ言語の サロマ を表現する語彙はいくつかあるので、

特定の自治体に偏らないように 片仮名表現になったんだそうな。ケンカにならないように!

そういえば中学時代の地図では 猿間湖 との名前で記憶していたけど。

 

さて目指すワッカ原生花園は広大だから、やはり自転車を借りて走り回った方がよさそうだ。

それでも往復4km程度の走行時間までで我慢しないと、阿寒に戻れなくなる。残念!

 

園内に入って、先ず探した花はハマユウ だったけど、目に入ってきたのはカワラナデシコ。↓

 エツ!ここで見られるとは。   本種のカワラナデシコは本州以西だから、ここ北海道では

エゾカワラナデシコというそうだ。花の輪が数センチ短かいとか、それ以外もチョッと違う。 

↓ 黄色い花はホタルサイコという。

 原生花園の散策は 徒歩、自転車、観光馬車、などから選んでスタートする。

当方は四人とも、自転車を借りてサイクリングしようと。  

車の利用は出来ないけど、管理用車と工事用車が けっこう走っている。 

それらが、この路上を行き交っている。 ↓ 左はサロマ湖、右がオホーツク海。

 

 やっと見つけた! ↓ハマナス。 この花は群生する性質がないようだ。 9月まで咲く。

↓ 左上の白い花はハマボウフウという。

 

↓ ハマナスが一輪咲く、 薄紫の花はハマヒルガオでもう盛りを過ぎている。

 それと、白いのが ハマボウフウ。 

 

 

↓  ここにも、ハマナスが一輪。 中央の薄紫の花は(画面で白い)エゾフウロ。これからの花。

右の紫色の花はムシャリンドウ、本州でも見られる。

 

↓ 自転車に乗ると背丈がチョッと高くなって周囲がよく見えるけど。

地図上では細い砂嘴だから、左右の湖と海がよく眺められると思ったけど。 

 ↓ はエゾスカシユリ。 これも北海道固有の花。盛期を過ぎていたけど運よく群生を見る。

 

 

 

 ↓ 2kmほど走ると、ここが 第二湖口 という場所へ。 海と湖を接続する機能通水路だ。

人工的に作られているので、絶えずこうやって機械浚渫をしたり、冬期には、この場所で、

流氷をシャットアウトしないと、湖の中での漁業が侵害されるという。

 

↓ 水路の幅員は狭いので小さな橋が架かっている。

 だから更に、砂嘴を西へ向かって進むことが出来る。 けれど、第一湖口迄 10kmはある。 

さてと、第一湖口も第二湖口もここ数十年前からの、人工湖口である。

じゃあ、それまでは、どうなってたのか?  サロマ湖の、オホーツク海との接続口は?

それはサロマ湖というよりも、ネイチャーセンタから、東に4kmも東に戻った栄浦という

地点にあった。今は 旧湖口 と呼ばれている。  そこに、もともと自然現象で出来ていた、

小さいけど唯一の湖口があったのだ。

近年は、サロマ湖の漁業振興という観点から、完全な汽水湖としての機能が欲しい。

で、先ず、第一糊口が、次いで、補完するためにこの第二糊口が 完成したんだ。 ↓

だから、第一湖口は幅員も大きい。 灯台もあるらしい。 今回は行ってないないけど。

 第一湖口でしばし景色を堪能してから、来た道を戻った。 ↓

往路は、咲く花を楽しんだので、帰りはなるべくオホーツク海が見える場所をえらびながら。↓

 

 

これで、 原生花園にも お別れして、来た道をしばし戻る。 ↓ 能取湖にサヨナラしながら。

 

国道240号に入ってからは真っすぐ南へ。北海道の農地、作物を 愛でながら。↓

 

 

 この240国道を 釧北国道ともいうそうだ。北見と釧路。センポクか!

 60kmを疾駆して、釧北峠を越えれると、  阿寒湖はもうすぐだ。

 今夜の宿はどんなとこかな? 旨い酒が飲めそうだな!

 長距離の運転役を引き受けて頂いた、お仲間のかた、有難うございました。

                             

                             明日は雄阿寒岳登山だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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