26日の三六九山荘の朝、といっても三時頃から登頂予定の宿泊者が起き出して準備を始める。宿泊者の殆どが我々と違って標準の登山行程だから仕方がない。しかしかなりの降雨量らしいからうまく登れるか心配。それ以後は眠れずにウトウトと。四時半に起きた時分も雨、激しくはないが止む気配もない。朝食後、雨装備で下山開始。10時過ぎには登山口だろう。
まず雪山東峰に登り、観景台からは難所の胸突き八丁を慎重に下る頃には本日の三六九山荘宿泊予定で登ってくる一団とすれ違うようになってきた。七卡山荘でも雨上がりの様子見の登山者も含めて、中止するグループがない事は概ねの人数を勘定してると分かる。折角取得した入山許可を無駄にしたくないのだ。これは雨天での玉山下山時にすれ違う方々と状況と同じだ。
10時過ぎ、武陵の登山口管理事務所へ着。雨はやや小降りに。待っていた張さんの専用車で雨装備を解いて、乗り込みホットする。一昨日登って来た国道を川幅の広い蘭陽渓という川沿いに下って宣蘭方面へ戻る。外気温が異常に低くガラスが結露し曇る。台湾の車は冷房はあっても、こういう低温現象に対処するのは苦手か。
昼過ぎの宣蘭市街、礁渓市街をかなり通過してから、お目当てのレストランに案内される。24日の往路で利用した一皿100円の店と違って、さらに大きく一卓分のセット料理でなんぼという店。ここも休日のせいか、一族郎党引き連れたおじいちゃん中心の大家族、友人グループなどで大賑わいだ。我々の様な少人数の五人グループなんていないが。李さんの交渉でそれらしい小振りのメニューとなった。ビールなども大いに振舞われて無事下山とお別れの乾杯を。
食後、再び戻って礁渓温泉まで送って貰う。山側の奥に所在する老爺大酒店の玄関前で李さん張さんと、連続登山のご案内と筆談のご苦労に感謝してお別れする。
このホテルは評判通り。建築は現地の環境によく見合った雰囲気を感じさせる秀作。日系航空会社Jの施設というが。チェックイン後にラウンジで暫らく待つ間に飲物とケーキのサービスは質も量も立派。玄関ホールとは分離したチェックインカウンター越しに見える宣蘭市街の先に太平洋。 (以下の写真はすべて拡大)
このカウンターの背後の階段を下りれば一階は大きなレストラン。窓の先に海が望める。
玄関ホールとチェックインカウンターの中間にある客の待合場所。
棚には沢山の日本の図書もある。谷崎、太宰などの文学書。安藤忠雄などの建築関係の書が多いのはどなたの趣味か。ここの従業員も読書の習慣をとのホテルの配慮。読書は精神の糧になると。
地元宣蘭の著名人、黄春明さんの作品を紹介している。本来は文学作家だが絵画、切り絵なども。
客が多いわりに静かな玄関ホール。客を通過させるだけで、必要な利用施設をここに配置してないので。 正面の白い扉が玄関。天井に見える装飾は羽子板の羽根を表す。
総支配人の記述によれば「建築デザインは宣蘭地区の特色ある景観を取り入れた」という。
受付カウンターから見る一階レストランと外部は温泉プール。その先には太平洋。
玄関ホールの片隅に見つけた当ホテルの設計思想を記載してるパネル。日本国内ではこういう習慣は少ない。ホール天井を飾っている羽根の説明もある。
肝心な温泉も内風呂、屋外温泉プール共に大満足。食事のメニューも豊富で美味しく、一泊だけでは物足りないが翌日昼前には予定通りに玄関前から出るシャトルバスで台北へ戻らなけれならない。