飯塚事件と同様に高知白バイ事件を封印するのか
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NNNドキュメント'10
「検察…もう一つの疑惑～封印された真犯人」 11月21日放送 25：00～25：30 日本テレビ放送網 腹を据えた番組と言ってよい。しかも足で稼いだ調査と的確な取材に裏打ちされている。題材は、菅家利和氏が再審無罪を勝ち取った足利事件。まず菅家氏を起訴した森川大司元検事を、決して質問には答えないことを知りつつ2台のカメラで追い、ターゲットを明示する。「検察」であり、検察の「許されざる過失」である。事件で4歳の娘を殺された母はなお、事件の真相を知りたいと言う。その頃、同じ年頃の未解決少女誘拐殺人事件は足利事件を含めて20キロ圏内で5件もあり、少女と連れ添う男の目撃証言まで取材する。「ルパン3世のような男」である。しかし検察・警察は時効だから捜査はできないと突っぱねる。では娘のシャツを返してくれと母が言えば、真犯人が名乗り出たときのために冷凍保存すると検察は返さない。
足利事件の再審裁判で検察は当時のDNA鑑定にミスはないとし、科学的再検証を避けた。つまり娘のシャツに付いた犯人のDNAは今でも菅家さんだと言い張る。何故か。当時の鑑定の誤りを認めれば、同じ鑑定方法で真犯人とされた飯塚事件の久間三千年さんの冤罪が明かされる。しかも久間さんは既に死刑を執行された。検察空前の失態をシャツとともに封印したのだ。このシャツ問題は議会で取り上げられたが、答弁した小川敏夫法務副大臣は官僚答弁の棒読みであった。ちなみに小川副大臣は元検事・元判事補である。番組はこれらの事実を論理的に手際よく組み立てる。実は私は事前に『文藝春秋』11月号の足利事件を読んでいた。番組の清水潔チーフディレクターが書いたもので、ひとつのメディアミックスであろう。
最後の、殺された少女の妹の慟哭は心に響く。と同時にスタッフは別のメッセージを言っているように思える。――この先こうした検察・警察の「でっち上げ」が繰り返されるならば、今度は「裁判員」という名の市民自らが無実の市民を死刑に処するのだ――と。時機を得た番組と言ってもよい。（高村 裕）
検察 もう一つの疑惑 ～封印された真犯人～①
検察 もう一つの疑惑 ～封印された真犯人～②
※狡猾な警察、検察、裁判所は高知白バイ事件を封印するように見える。しかし、生徒が言っていない目撃調書がある。証拠の改ざんである。そして犯人隠避。前田元検事を隠避した特捜部長等は逮捕され現在保釈されている。それよりも高知白バイ事件の方が検察の罪は大きい。
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