徳島道16人死傷、追突トラック居眠りか 衝撃でバス40メートル移動
2017.08.27 朝刊 1頁 (全919字) 
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鳴門市大津町大幸の徳島自動車道下り車線で25日、路肩に停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し16人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで逮捕されたトラック運転手菊池誉司(たかし)容疑者(50)=松山市南久米町=が居眠り運転などで前方不注視になっていた可能性があることが26日、県警高速隊への取材で分かった。追突の衝撃でバスが約40メートル前方に押し出されていたことも判明。県警は事故原因を慎重に捜査している。

捜査関係者によると、菊池容疑者が「前をよく見ていなかった」と認めていることや、事故現場に明確なブレーキ痕が見当たらないことから、居眠り運転などの可能性が浮上している。

一方、事故現場の直前にある鳴門ジャンクション付近の2車線から1車線に減少する地点で、菊池容疑者のトラックが後続の車に注意を促すためウインカーを点滅させて走行するなど、異常は見られなかったというドライバーの目撃情報もある。県警は事故に至るまでの状況の解明を進めている。

現場から約2キロ手前の鳴門インターチェンジの通過記録を調べたところ、バスとトラックは約30分の時間差で通行していたことが判明。バスが事故現場に停車していた時間は30分程度とみられることが新たに分かった。

県警は週明けにも、事故の原因究明に向けて菊池容疑者が勤務する松山市の運送会社「東西物流」を家宅捜索する方針。バスを運行していた阿波市の「阿波中央バス」への家宅捜索も検討している。

一方、四国運輸局と松山労働基準監督署は26日午後1時10分から、東西物流に立ち入り検査に入った。担当者5人が約2時間かけて和田康男社長から労務管理や安全管理の状況などを聴取したほか、保管されている書類を調べた。

運輸局と労働基準監督署のいずれの担当者も検査終了後の取材に対し、法令違反があったかどうかについて明らかにしなかった。

事故は25日午後5時ごろ発生。故障のため路肩に停車していたバスに菊池容疑者のトラックが追突し、バスが道路脇の土手に転落した。車外に出ていたバス運転手岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=と、車内にいた海陽町宍喰浦、富岡西高1年森下汐音(しおん)さん(15)が死亡した。

徳島新聞社

 

トラック運転手「前を見てなかった」 徳島道追突 松山の運送会社捜索へ
2017.08.27 朝刊 一社 (全676字) 
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 徳島県鳴門市の徳島自動車道で25日に2人が死亡、14人が負傷した追突事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で逮捕された松山市のトラック運転手菊池誉司容疑者(50)が県警の調べに「前を見ていなかった」と話していることが26日、捜査関係者への取材で分かった。

 県警は前方不注意の原因やマイクロバスのいた路肩側に進入、追突した経緯を捜査するとともに、菊池容疑者が勤務する松山市南高井町の運送会社「東西物流」を週明けにも同法違反容疑で家宅捜索し、業務や安全管理状況について事情を聴く方針。

 同社の和田康男社長は26日、取材に「無理はさせておらず、健診もしていた。被害者の方には大変申し訳ない」と話した。

 県警によると、現場は片側1車線。現場付近には車線側から、車両トラブルでバスが停車していた路肩側に進入したタイヤ痕のような黒い線が路上に付いていた。

 菊池容疑者に持病や荷物の重量オーバーはなかった。同社によると、25日中に愛知県小牧市を出発し、生活雑貨などを運搬。勤務シフトでは26日午前までに松山市に着くように指示されていた。

 死亡したバス運転手岡本勉さん(30)=徳島県阿波市=が見つかったのは現場周辺の徳島道上で、事故時車外にいた。バス周辺に故障や停止を示す表示板が設置された痕跡は見つかっていない。県警は当時の停車状況も捜査する。

 事故は25日午後5時ごろ、徳島道下り線で路肩に停車中のバスに菊池容疑者のトラックが追突し、バスが道路脇の土手に転落。岡本さんと乗客の県立富岡西高1年森下汐音さん(15)=徳島県海陽町=が死亡した。(共同通信社)

愛媛新聞社


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徳島道16人死傷 容疑者「前見てなかった」 ブレーキ痕確認できず
2017.08.26 夕刊 1頁 (全1,071字) 
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鳴門市大津町大幸の徳島自動車道下り車線で25日、路肩に停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し2人が死亡、14人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで逮捕された松山市南久米町、トラック運転手菊池誉司容疑者(50)が県警の調べに「前をよく見ていなかった」と供述していることが26日、捜査関係者への取材で分かった。県警は菊池容疑者の前方不注視が事故の原因とみて詳しく調べている。

捜査関係者によると、衝突現場の路上にはトラックのタイヤ痕が残っていたが、明確なブレーキ痕は確認されていない。ただ、トラックとバスの双方が大破し、バスが路外に押し出された状況などから、菊池容疑者がほとんどブレーキを踏まずに、制限速度70キロ前後で追突した可能性が高いとみている。

トラックにはドライブレコーダーが備え付けられていたが、何らかの原因で事故時のデータは残っていなかった。バスのドライブレコーダーは見つかっていない。

一方、高速道路で停車した場合は、後続車に向けて三角表示板などを置く義務があると道交法に定められているが、25日の現場検証では見つかっていない。

トラックは松山市南高井町の運送会社「東西物流」が運行。菊池容疑者は25日に愛知県小牧市を出発して神戸淡路鳴門自動車道から徳島道に入り、26日午前に松山市に戻る途中だった。積み荷はガラス製品や菓子、生活雑貨など8トン分で、過積載の違反はなかった。

事故現場には26日午前、徳島労働基準監督署の担当者らが訪れ、巻き尺で距離を測るなどして状況を確認していた。

事故は25日午後5時ごろ発生。故障のため路肩に停車していたバスに菊池容疑者のトラックが追突し、バスが道路脇の土手に転落した。車外に出ていたバス運転手岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=と、車内にいた海陽町宍喰浦、富岡西高1年森下汐音さん(15)が死亡した。バスには県内の高校5校の生徒13人を含む16人が乗車。神戸市の専門学校であったオープンキャンパスに参加した帰りだった。

菊池誉司容疑者が勤務する松山市の運送会社「東西物流」の和田康男社長(76)によると、同容疑者は約5年前から同社で働き始めた。それ以前も別の運送会社でトラックの運転手をしていた。

和田社長は26日午前、同社で報道陣の取材に応じ、事故について「若い方が亡くなり大変申し訳なく思う」としながらも、車外に出ていて即死したマイクロバス運転手岡本勉さんの対応を批判。「車内に人を乗せたままで1時間も路肩に止まっていた。安全な所に避難させておくべきだった」と話した。

徳島新聞社