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備忘録

検証 足利事件 横山ゆかりちゃん事件

2016-02-26 17:24:23 | 雑記録

検証 足利事件 横山ゆかりちゃん事件

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足利事件 群馬女児不明 不審男「よく似ている」 目撃の元教諭証言
2009.06.22 朝刊 

足利事件 河川敷女児連れ
群馬女児不明 ビデオ映像
不審男「よく似ている」
目撃の元教諭証言
90年と96年発生 両事件関連も
 足利事件で、松田真実ちゃん=当時(4)=が行方不明になった時間帯に女の子連れの不審な男を目撃した元美術教諭の女性(52)が21日までの共同通信の取材に、1996年7月に群馬県太田市内のパチンコ店で横山ゆかりちゃん=当時(4)=が行方不明になった事件(未解決)で防犯ビデオに写った男について「足の運び方や姿勢がよく似ている」と証言した。
 菅家利和さん(62)=再審請求中に釈放=が91年に逮捕、服役させられたため、両事件の関連性について捜査されたことはない。証言は、両事件を結び付ける可能性もある。
 女性は目撃した男と女の子の様子をスケッチで再現。90年の足利事件発生当時、県警にもほぼ同じスケッチを提供したという。
 女性は90年5月12日午後6時40分ごろ、栃木県足利市の渡良瀬川河川敷で女の子連れの男を目撃。男は河川敷を真っすぐに横切り、川の方向に向かった。女性は県警に「男は35~45歳、身長165センチくらい。女の子は赤っぽいスカート」と証言。真実ちゃんは当日、赤いスカートをはいていた。菅家さんの公判資料によると、すぐ近くでゴルフ練習をしていた男性も、同一人物とみられる男を目撃。女性が描いたスケッチを見て「よく描けている」と当時、証言した。
 一方、96年7月7日、太田市のパチンコ店からゆかりちゃんが行方不明になった事件では、店内を物色するように歩き回る不審な男の姿が防犯カメラに写っており、群馬県警が映像を公開。男は身長158センチくらい、黒い帽子にサングラス。ジャンパー姿で、肩をいからせて歩いていた。
 女性は映像の男について「サッサッサと歩くテンポや、背筋を伸ばして歩く様子がそっくり。全体の雰囲気もよく似ている」と話した。女性の目撃情報は事件当時、捜査本部も重要視したが、菅家さんから「真実ちゃんを自転車に乗せて連れて行った」との”自白”を引き出してからは「無関係」とされた。
「姿勢そっくり」ビデオ昨年視聴
 元美術教諭の女性は、横山ゆかりちゃん行方不明事件で防犯ビデオに写った男について「似ている」と証言した。
 ―足利事件で不審な男を目撃した状況は。
 渡良瀬川河川敷の公園で娘を遊ばせていたところ、同じくらいの女の子を連れた男が河川敷を横切って、真っすぐ川の方向に向かっていった。
 ―男の様子は。
 背筋を伸ばして前を向き、サッサッサと歩いていた。足元を女の子がチョロチョロしていた。
 ―防犯ビデオの男を「似ている」と思ったのはいつですか。
 群馬県警が公開した映像を昨年、テレビでたまたま見た時「この人、すごく似ている」と思った。それまで映像を見たことはなかった。
 ―防犯ビデオの男との共通点は。
 特に足の運び方や姿勢がそっくり。全体の雰囲気もよく似ている。
 ―河川敷で男が連れていた女の子の様子は。
 赤っぽいスカートをはいていた。わたしの娘が同じようなピンクのスカートをはいていたので気にとまった。女の子は警戒心がない様子だった。
 ―なぜ今になって証言したのですか。
 足利事件直後、警察に目撃情報を話したら翌日、自宅にマスコミが来た。以後、「どうしてうちが分かったのか」というマスコミへの不信感があった。
 ―19年も前の目撃状況をよく覚えていますね。
 絵を教えていたことがあり、見たものの形状についてはよく覚えている。今回描いたものと同じスケッチを当時、県警にも提出した。
菅家さん逮捕後 県警「情報は無関係」
 目撃情報はなぜ「無関係」とされたのか―。足利事件で松田真実ちゃんが不明になった時間帯に、女の子を連れて遺棄現場の河川敷を歩く不審な男の目撃情報。栃木県警は情報を重視し約1年半の捜査を続けたが、菅家利和さんを逮捕後は「無関係」とされた。菅家さんに”自白”させた内容と整合性が取れなかったためだ。
 当時の県警捜査1課幹部は「鑑定でDNA型が一致して、みんな菅家さんが犯人だと信じた。疑う者などいなかった」。捜査本部全体の目が菅家さんに向いてしまったことを後悔している。
 12時間以上にわたる取り調べに菅家さんは「パチンコ店の駐車場から真実ちゃんを自転車に乗せ、河川敷に連れて行った」と供述した。
 しかし菅家さんの主任弁護人の佐藤博史弁護士は二審以降「河川敷で目撃された男が真犯人である可能性が高い」と主張してきた。
 足利事件は、菅家さんの再審請求審が行われている間に時効が成立。事件当時の捜査幹部は「警察としてはもう手の出しようもない。本当は時効なんてない方がいい。残念だ」と話した。
クリック ゆかりちゃん不明事件
 1996年7月7日午後1時50分ごろ、群馬県太田市のパチンコ店で、両親と一緒に来ていた横山ゆかりちゃん=当時(4)=が行方不明となった。店内の防犯ビデオに、パチンコをせずに店内を約15分間歩き回る不審な男が写っていた。男は店内の長いすでゆかりちゃんの隣に座り、店の出口方向を指さしながら、話し掛けていた。県警は防犯ビデオの映像を公開し、重要参考人として男の行方を追っている。

中国新聞社
 
 
  

娘の生存信じたい… 96年女児不明 心境複雑な両親
2009.06.22 朝刊 

 足利事件と群馬県太田市の横山ゆかりちゃん行方不明事件に関連がある可能性も出てきたことについて、ゆかりちゃんの父保雄さん(42)=群馬県大泉町=は21日までの共同通信の取材に「同一犯の可能性もあるだろうが、考えたくない。足利事件のように、ゆかりも殺されていることになる」と複雑な心境をのぞかせた。
 パチンコ店で女児が狙われたこと、栃木県足利市と太田市が隣接していることから「菅家さんが逮捕されて安心した真犯人が、今度はゆかりを狙ったとも考えられる」と保雄さんは推察する。
 「ただ、ゆかりはまだ見つかっていない。犯人は別で、ゆかりはまだ生きていると信じたい。幼児を狙うようなひどい人間が何人もいることになるのも困るが…」
 ゆかりちゃんが行方不明になってから、7月7日で13年。保雄さんは「今年は見つかるだろうと毎年、思っていたら、あっという間に過ぎてしまった」と振り返る。
 母光子さん(43)は「帰ってきたら手料理を作ってあげる。元気で生きていてほしい」とゆかりちゃんにメッセージを送った。
◎足利事件 あす再審決定へ
 足利事件で、無期懲役が確定し、その後釈放された菅家利和さん(62)の再審請求即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は23日に再審開始の可否を決定する。菅家さんと女児の下着に付着した体液のDNA型が一致しなかった再鑑定結果から、再審開始を認める見通し。
 弁護側は「冤罪[えんざい]の真相解明が必要」として、捜査段階でDNA鑑定した警察庁科学警察研究所技官(当時)ら計11人を即時抗告審で証人尋問するよう要求。高裁が応じないため、矢村裁判長らの交代を求める忌避申し立てで対抗する構えだ。その場合、決定期日が延びる可能性もある。
 検察側は今月4日、推薦鑑定人による再鑑定結果が「無罪を言い渡すべき証拠に当たる」とする意見書を高裁に提出。菅家さんの刑の執行を停止し釈放した。宇都宮地裁で再審裁判が始まれば有罪立証しない方針で、再審無罪は確実だ。
 菅家さん釈放後の10日、最高検は異例の謝罪表明。17日には初めて里帰りした菅家さんに、栃木県警本部長が直接謝罪した。
 確定判決では、菅家さんが1990年5月、栃木県足利市のパチンコ店から女児を近くの河川敷に誘い出し絞殺した、とされている。
同一犯の可能性高い
 作田明聖学院大客員教授(犯罪心理学)の話 小児性愛者は児童ポルノなどで自分の欲求を満たすことが多く、極端な犯罪に走る人は少数だ。しかしその少数の何人かが栃木・群馬県境の狭い地域に集まっているとは考えにくく、同一犯による連続犯行の可能性が極めて高い。小児性愛は青年期に生まれやすく、一度自分の欲求を満たす行動に成功すれば、欲求の減退が起こる50代まで繰り返すことが多い。また犯人像としては、(1)パチンコ店の常連客(2)男性単身者で土地勘がある(3)最初の犯行時に20代―と考えられる。
四国新聞社

高知白バイ事件の背景  事件発生の前月

2016-02-26 12:16:37 | 雑記録

高知白バイ事件の背景  事件発生の前月

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高知県警捜査費問題

【詳報】 県警捜査費特別監査報告

 22日、県議会と知事に提出された県警捜査費特別監査の監査結果報告書の内容を詳報する。

 第1 監査結果報告書について

 この監査は、異例ともいえる県議会と県知事の双方から県費捜査費について請求があったことを契機とする。県民の関心の高さを表すものと重く受け止め、円滑な監査のため周到に準備し、県警に協力を強く求めた。

 残念ながら、決して意を尽くした監査が行われたとはいえない。謝礼金を受け取ったとされる捜査協力者への直接の確認作業を当初から求めたが、県警は最後まで応じず、できなかった。また再三の申し入れにもかかわらず、県警が多くの支払証拠書類を非開示とし、全面開示に至らなかったことは誠に遺憾だ。

 こうした制約の中で苦慮しながらできる限りの調査と分析を経て作成した。従って、報告書で指摘しなかった支出も、適正な支出が立証されたものでないことを関係者は銘記するべきだ。

 第2 監査の経緯

 (略)

 第3 監査の実施

 1 監査対象機関

 県警本部は会計課、生活安全企画課、少年課、生活保安課(12―15年度まで)、生活環境課(16年度)、捜査一課、捜査二課、暴力団対策課、薬物銃器対策課(16年度)、鑑識課、交通指導課の11課。高知署。

 (2―7略)

 8 監査経過

 (1)実地監査

 県警本部と高知署に出向き、対象期間のすべての執行件数1万3789件(県警本部8725件、高知署5064件)の支出を対象とし、執行者や支払年月日の確認、勤務状況との整合性などを調べた。

 (2)店舗調査

 店舗名が明らかな2337店舗のうち、領収書のないものなどを除く1123店舗を対象としたが、県警が「捜査活動に支障がある」と開示しなかった店舗は調査できず、県内951店舗、県外13店舗を調査した。

 (3)捜査員の聞き取り調査

 12―16年度に捜査費を執行した320人のうち故人(3人)、海外勤務者(1人)、療養中(3人)、協力を得られなかった退職者(8人)らを除く302人を調査した。

 (4)管理職・会計課職員の聞き取り調査

 監査期間の会計課長と県警本部10課の課長と総括補佐、高知署長、副署長、同署交通課長ら64人を対象とした。そのうち連絡の取れない者(1人)、協力を得られなかった者(2人)らを除く60人を調査した。

 (5)協力者の調査

 聞き取り調査の中で捜査員から了承を得ることができず、協力者に対する直接の調査はできなかった。

 第4 監査で明らかになった問題点

 (1―2略)

 3 実地監査

 領収書もレシートもない捜査費の支払いが6292件(45・6%)、2355万8694円(45・8%)あった。使途別の金額でみると、「謝礼金」は1865万2500円(58・5%)、「(協力者との)接触に伴う飲食費」は303万1312円(28%)、「聞き込みや張り込み、追尾のための通信費や交通費など」は184万9405円(63・3%)。これらは(支払いの)事実確認ができなかった。

 支払証拠書類の協力者に係る執行件数9893件のうち協力者の氏名または住所がマスキング(黒塗り)されていたのは2576件(26%)。協力者との接触場所は611件(6・2%)がマスキングされていた。

 協力者から徴収した領収書は591件で、そのうち協力者の氏名または住所がマスキングされていたのは158件(26・7%)。協力者と接触したり謝礼品を購入した店舗の領収書は5163件で、そのうち店舗名がマスキングされていたのは273件(5・3%)だった。

 (4略)

 5 聞き取り調査

 協力者への謝礼金や謝礼品の交付は、捜査員が「適正に執行した」と一方的な説明に終始し、これを裏付ける備忘録などを示しての説明がほとんどなかった。協力者との接触でも同様だった。

 捜査二課と暴力団対策課はマスキングが特に多かったが、支出内容も「捜査上の秘密」を盾に十分な説明が得られず、最後までマスキングを取らなかった。

 管理職はおおむね「支払書類が整えられ、必要に応じ領収書も添付されていることから、適正に執行されたと確信している」と述べ、これ以外の説明はなかった。

 第5 聞き取り調査の総括

 1 捜査員の聞き取り調査

 ほとんどの捜査員は「領収書は適正で支払証拠書類も適正に作成した」と述べたが、それらを否定する陳述があった。

 上司から鉛筆書きを示され、その通りの書類の作成を指示された▽領収書を作るよう言われ、電話帳で適当に名前を拾って作った▽捜査員は会計書類の作り方を知らず、会計職員に指摘され書き直した▽支払書類に押印している印鑑は会計の係の持っている印鑑だ。会計の係は三文判の印鑑を数多く持っている▽私的な飲食の領収書を使い、協力者との接触費だったようにつじつまを合わせた▽協力者との接触には自腹を切っており、支払いが大変だった▽(不正に)疑念を抱かず、皆こんなものと思っている▽金に関しては「上の者」しか分らない▽(13年度からの)捜査諸雑費の使い方を知らない捜査員は、渡された封筒入りの金額のまま上司に戻している―などだ。

 捜査員の中には自分が旅行命令により出張したことになっていることを知らないか、記憶していない場合が多かった。

 県費捜査費とは別に国費捜査費もあるが、ある捜査員が執行した捜査費が特別監査の対象となっていないため、「国費捜査費だったのか」と述べた例もあった。捜査員は国費、県費捜査費の区分を熟知していない状況で、自らが作成した書類なら当然に知っているはずだとの疑念が残る。

 2 管理職・会計職員の聞き取り調査

 監査期間の県警本部の課長と総括補佐、高知署長と副署長は「不適正な執行はない」と陳述したが、一方で、「(不正が)あったかなかったかと問われれば答えられない。察してほしい」との陳述もあった。

 会計職員は、いずれも捜査費執行に関する会計書類の作成や現金の管理には一切かかわっていないとの説明があった。

 第6 監査結果

 1 捜査費の執行状況

 県警本部の捜査費の執行率(交付額に対する決算額の割合)は12年度は98・5%と高かったが、毎年低下し16年度は24・4%と激減した。高知署の執行率も12年度は99・8%だったのが、16年度には15・6%と交付額の2割にも満たない率となっている。

 (2略)

 3 判断

 監査結果は次の通り=問題支出例の表参照

 「支出の実体がない」85件(0・6%)、77万7966円(1・5%)

 「支出が不適正」115件(0・8%)、69万1693円(1・3%)

 「支出が不自然で疑念がある」3178件(23%)、1645万222円(32%)

 聞き取り調査で、捜査員から実体のない会計処理が行われていたとの陳述があった。これは他道県で明らかにされた不正経理と共通するものが多い。また捜査員の陳述内容は具体的かつ詳細で、陳述が憶測や想像ではなく、自らの体験に基づくものと認められる。

 県警の捜査費支出は、12年度と16年度を比較すると全体で85・3%の減少で、うち協力者への謝礼金は実に97・4%の大幅減となっている。凶悪事件の増加で治安に不安を持つ人が増えていることを考えれば、捜査費執行の減少の外的な要因は見当たらない。

 捜査費の不透明な経理の問題が、捜査員の執行に影響を与えていると考えられる。減少理由として、少なくない捜査員から「監査で問題にされ、名前が出るのは困るので捜査費を受け取らない協力者が増えた」「執行が何かと問題にされるので私費で執行した」などの説明があった。

 しかし、県警はこれまで本人名義以外の領収書を徴収している。協力者から領収書の作成を拒否された場合は、その理由を付けて精算しており、(これらの説明は)納得できない。適正に執行されていたなら、なぜここまで捜査費が減少したのか理解に苦しむところで、これまでの執行が適正であったのか強い疑念を抱かざるを得ない。

 捜査費の執行で、支出の実体がない▽不適正な支出▽不自然な支出で疑念があるもの―が数多くみられた。これは捜査費が公金であることの基本的な認識が県警全体に欠如していた結果だ。組織としても、管理職か捜査員かを問わず、捜査費の執行について教育や指導が十分に行われていなかったのではと言わざるを得ない。

 第7 意見

 今回の監査で、捜査費の執行で多数の支出の実体がないと判断されるものや不適正な支出と判断されるもの、さらに支出が不自然で疑念のあるものが明らかになったことは、県警に対する県民の信頼を裏切るもので、極めて遺憾だ。

 このことは、捜査費を執行した個々の捜査員の責任ではなく、ひとえに県警組織全体の問題として厳粛に受け止められるべきだ。とりわけ、これまで県警を指導してきた幹部職員の責任は極めて重大だ。

 県警を管理する県公安委員会が厳正に調査し、結果を県民に明らかにするべきだ。県民の視点に立つとき、この際、捜査費を執行したとする県警本部各課、全警察署で調査されるよう検討してほしい。

 その際は、個々の捜査員の失態を摘発するようないわゆる「犯人探し」は厳に慎むべきで、根本の原因は何だったかを問う原点に立ち、公平、公正な視点で調査すべきだ。

 捜査費の執行は通常の経費と比較して、警察活動の特殊性から一定の秘匿性が認められる余地がある。しかし、守秘義務のある監査委員の監査ですら(支出文書などを)開示できないとする県警本部の主張は到底容認できない。

 加えて、具体性を欠く抽象的な理由で、協力者や接触店舗など広範囲で非開示としており、監査委員として到底容認できない。県警がこれらを明らかにしない以上、マスキングされた支出が適正に執行されたかどうか、公安委員会による厳正な調査を待つしかない。その結果を県民に明らかにすべきだ。

 一部で支払い証拠書類に協力者名を記載しない扱いがされている点は、捜査費支出の透明性を確保する上で改善が必要だ。

 捜査員の中には領収書を取らなければならないとの意識が希薄な者が見られる。安易に領収書を取らない運用がなされることのないよう厳正な運用を求める。

 勤務状況整理簿、時間外勤務命令簿、実績簿の保存期間は内規で3年とされている。しかし知事部局や行政委員会、公営企業はいずれも債権の消滅時効を考慮し、5年としている。県警本部でも保存期間を5年としても支障はないので、改善を検討してほしい。

 これまでに意見として述べた通り、(監査委員は)重要事項について公安委員会による調査を求めている。現時点における県警本部と全警察署の捜査費執行の文書は現状のまま保存するべきだ。

 これまで、定期監査では激励慰労費以外の捜査費の執行について(監査委員が)言及したことはない。しかし14年度以前の関係書類は「捜査上の秘密」を盾に一切提出されず、15年度以降の監査でも店舗調査や捜査員への聞き取り調査を実施したわけではない。今回の監査結果を踏まえれば、これまで監査委員の指摘がないことをもって、(県警が)捜査費支出の正当性を主張することはもはや許されない。

 監査での指摘事項について速やかに適切な措置を講じ、必要な改善を図ることを望む。

(2006年2月23日・朝刊)

高知白バイ事件の背景  事件発生の前月

2016-02-26 12:16:37 | 雑記録

高知白バイ事件の背景  事件発生の前月

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高知県警捜査費問題

【詳報】 県警捜査費特別監査報告

 22日、県議会と知事に提出された県警捜査費特別監査の監査結果報告書の内容を詳報する。

 第1 監査結果報告書について

 この監査は、異例ともいえる県議会と県知事の双方から県費捜査費について請求があったことを契機とする。県民の関心の高さを表すものと重く受け止め、円滑な監査のため周到に準備し、県警に協力を強く求めた。

 残念ながら、決して意を尽くした監査が行われたとはいえない。謝礼金を受け取ったとされる捜査協力者への直接の確認作業を当初から求めたが、県警は最後まで応じず、できなかった。また再三の申し入れにもかかわらず、県警が多くの支払証拠書類を非開示とし、全面開示に至らなかったことは誠に遺憾だ。

 こうした制約の中で苦慮しながらできる限りの調査と分析を経て作成した。従って、報告書で指摘しなかった支出も、適正な支出が立証されたものでないことを関係者は銘記するべきだ。

 第2 監査の経緯

 (略)

 第3 監査の実施

 1 監査対象機関

 県警本部は会計課、生活安全企画課、少年課、生活保安課(12―15年度まで)、生活環境課(16年度)、捜査一課、捜査二課、暴力団対策課、薬物銃器対策課(16年度)、鑑識課、交通指導課の11課。高知署。

 (2―7略)

 8 監査経過

 (1)実地監査

 県警本部と高知署に出向き、対象期間のすべての執行件数1万3789件(県警本部8725件、高知署5064件)の支出を対象とし、執行者や支払年月日の確認、勤務状況との整合性などを調べた。

 (2)店舗調査

 店舗名が明らかな2337店舗のうち、領収書のないものなどを除く1123店舗を対象としたが、県警が「捜査活動に支障がある」と開示しなかった店舗は調査できず、県内951店舗、県外13店舗を調査した。

 (3)捜査員の聞き取り調査

 12―16年度に捜査費を執行した320人のうち故人(3人)、海外勤務者(1人)、療養中(3人)、協力を得られなかった退職者(8人)らを除く302人を調査した。

 (4)管理職・会計課職員の聞き取り調査

 監査期間の会計課長と県警本部10課の課長と総括補佐、高知署長、副署長、同署交通課長ら64人を対象とした。そのうち連絡の取れない者(1人)、協力を得られなかった者(2人)らを除く60人を調査した。

 (5)協力者の調査

 聞き取り調査の中で捜査員から了承を得ることができず、協力者に対する直接の調査はできなかった。

 第4 監査で明らかになった問題点

 (1―2略)

 3 実地監査

 領収書もレシートもない捜査費の支払いが6292件(45・6%)、2355万8694円(45・8%)あった。使途別の金額でみると、「謝礼金」は1865万2500円(58・5%)、「(協力者との)接触に伴う飲食費」は303万1312円(28%)、「聞き込みや張り込み、追尾のための通信費や交通費など」は184万9405円(63・3%)。これらは(支払いの)事実確認ができなかった。

 支払証拠書類の協力者に係る執行件数9893件のうち協力者の氏名または住所がマスキング(黒塗り)されていたのは2576件(26%)。協力者との接触場所は611件(6・2%)がマスキングされていた。

 協力者から徴収した領収書は591件で、そのうち協力者の氏名または住所がマスキングされていたのは158件(26・7%)。協力者と接触したり謝礼品を購入した店舗の領収書は5163件で、そのうち店舗名がマスキングされていたのは273件(5・3%)だった。

 (4略)

 5 聞き取り調査

 協力者への謝礼金や謝礼品の交付は、捜査員が「適正に執行した」と一方的な説明に終始し、これを裏付ける備忘録などを示しての説明がほとんどなかった。協力者との接触でも同様だった。

 捜査二課と暴力団対策課はマスキングが特に多かったが、支出内容も「捜査上の秘密」を盾に十分な説明が得られず、最後までマスキングを取らなかった。

 管理職はおおむね「支払書類が整えられ、必要に応じ領収書も添付されていることから、適正に執行されたと確信している」と述べ、これ以外の説明はなかった。

 第5 聞き取り調査の総括

 1 捜査員の聞き取り調査

 ほとんどの捜査員は「領収書は適正で支払証拠書類も適正に作成した」と述べたが、それらを否定する陳述があった。

 上司から鉛筆書きを示され、その通りの書類の作成を指示された▽領収書を作るよう言われ、電話帳で適当に名前を拾って作った▽捜査員は会計書類の作り方を知らず、会計職員に指摘され書き直した▽支払書類に押印している印鑑は会計の係の持っている印鑑だ。会計の係は三文判の印鑑を数多く持っている▽私的な飲食の領収書を使い、協力者との接触費だったようにつじつまを合わせた▽協力者との接触には自腹を切っており、支払いが大変だった▽(不正に)疑念を抱かず、皆こんなものと思っている▽金に関しては「上の者」しか分らない▽(13年度からの)捜査諸雑費の使い方を知らない捜査員は、渡された封筒入りの金額のまま上司に戻している―などだ。

 捜査員の中には自分が旅行命令により出張したことになっていることを知らないか、記憶していない場合が多かった。

 県費捜査費とは別に国費捜査費もあるが、ある捜査員が執行した捜査費が特別監査の対象となっていないため、「国費捜査費だったのか」と述べた例もあった。捜査員は国費、県費捜査費の区分を熟知していない状況で、自らが作成した書類なら当然に知っているはずだとの疑念が残る。

 2 管理職・会計職員の聞き取り調査

 監査期間の県警本部の課長と総括補佐、高知署長と副署長は「不適正な執行はない」と陳述したが、一方で、「(不正が)あったかなかったかと問われれば答えられない。察してほしい」との陳述もあった。

 会計職員は、いずれも捜査費執行に関する会計書類の作成や現金の管理には一切かかわっていないとの説明があった。

 第6 監査結果

 1 捜査費の執行状況

 県警本部の捜査費の執行率(交付額に対する決算額の割合)は12年度は98・5%と高かったが、毎年低下し16年度は24・4%と激減した。高知署の執行率も12年度は99・8%だったのが、16年度には15・6%と交付額の2割にも満たない率となっている。

 (2略)

 3 判断

 監査結果は次の通り=問題支出例の表参照

 「支出の実体がない」85件(0・6%)、77万7966円(1・5%)

 「支出が不適正」115件(0・8%)、69万1693円(1・3%)

 「支出が不自然で疑念がある」3178件(23%)、1645万222円(32%)

 聞き取り調査で、捜査員から実体のない会計処理が行われていたとの陳述があった。これは他道県で明らかにされた不正経理と共通するものが多い。また捜査員の陳述内容は具体的かつ詳細で、陳述が憶測や想像ではなく、自らの体験に基づくものと認められる。

 県警の捜査費支出は、12年度と16年度を比較すると全体で85・3%の減少で、うち協力者への謝礼金は実に97・4%の大幅減となっている。凶悪事件の増加で治安に不安を持つ人が増えていることを考えれば、捜査費執行の減少の外的な要因は見当たらない。

 捜査費の不透明な経理の問題が、捜査員の執行に影響を与えていると考えられる。減少理由として、少なくない捜査員から「監査で問題にされ、名前が出るのは困るので捜査費を受け取らない協力者が増えた」「執行が何かと問題にされるので私費で執行した」などの説明があった。

 しかし、県警はこれまで本人名義以外の領収書を徴収している。協力者から領収書の作成を拒否された場合は、その理由を付けて精算しており、(これらの説明は)納得できない。適正に執行されていたなら、なぜここまで捜査費が減少したのか理解に苦しむところで、これまでの執行が適正であったのか強い疑念を抱かざるを得ない。

 捜査費の執行で、支出の実体がない▽不適正な支出▽不自然な支出で疑念があるもの―が数多くみられた。これは捜査費が公金であることの基本的な認識が県警全体に欠如していた結果だ。組織としても、管理職か捜査員かを問わず、捜査費の執行について教育や指導が十分に行われていなかったのではと言わざるを得ない。

 第7 意見

 今回の監査で、捜査費の執行で多数の支出の実体がないと判断されるものや不適正な支出と判断されるもの、さらに支出が不自然で疑念のあるものが明らかになったことは、県警に対する県民の信頼を裏切るもので、極めて遺憾だ。

 このことは、捜査費を執行した個々の捜査員の責任ではなく、ひとえに県警組織全体の問題として厳粛に受け止められるべきだ。とりわけ、これまで県警を指導してきた幹部職員の責任は極めて重大だ。

 県警を管理する県公安委員会が厳正に調査し、結果を県民に明らかにするべきだ。県民の視点に立つとき、この際、捜査費を執行したとする県警本部各課、全警察署で調査されるよう検討してほしい。

 その際は、個々の捜査員の失態を摘発するようないわゆる「犯人探し」は厳に慎むべきで、根本の原因は何だったかを問う原点に立ち、公平、公正な視点で調査すべきだ。

 捜査費の執行は通常の経費と比較して、警察活動の特殊性から一定の秘匿性が認められる余地がある。しかし、守秘義務のある監査委員の監査ですら(支出文書などを)開示できないとする県警本部の主張は到底容認できない。

 加えて、具体性を欠く抽象的な理由で、協力者や接触店舗など広範囲で非開示としており、監査委員として到底容認できない。県警がこれらを明らかにしない以上、マスキングされた支出が適正に執行されたかどうか、公安委員会による厳正な調査を待つしかない。その結果を県民に明らかにすべきだ。

 一部で支払い証拠書類に協力者名を記載しない扱いがされている点は、捜査費支出の透明性を確保する上で改善が必要だ。

 捜査員の中には領収書を取らなければならないとの意識が希薄な者が見られる。安易に領収書を取らない運用がなされることのないよう厳正な運用を求める。

 勤務状況整理簿、時間外勤務命令簿、実績簿の保存期間は内規で3年とされている。しかし知事部局や行政委員会、公営企業はいずれも債権の消滅時効を考慮し、5年としている。県警本部でも保存期間を5年としても支障はないので、改善を検討してほしい。

 これまでに意見として述べた通り、(監査委員は)重要事項について公安委員会による調査を求めている。現時点における県警本部と全警察署の捜査費執行の文書は現状のまま保存するべきだ。

 これまで、定期監査では激励慰労費以外の捜査費の執行について(監査委員が)言及したことはない。しかし14年度以前の関係書類は「捜査上の秘密」を盾に一切提出されず、15年度以降の監査でも店舗調査や捜査員への聞き取り調査を実施したわけではない。今回の監査結果を踏まえれば、これまで監査委員の指摘がないことをもって、(県警が)捜査費支出の正当性を主張することはもはや許されない。

 監査での指摘事項について速やかに適切な措置を講じ、必要な改善を図ることを望む。

(2006年2月23日・朝刊)

2月25日(木)のつぶやき

2016-02-26 06:44:16 | 雑記録

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