徹底的に先入観を排除したとしても 私は、佐藤梢Bさんが殺された「岩手17歳女性殺害事件」と 小原勝幸がZ氏に恐喝されていた「Z氏恐喝事件」が 「別物」であるとは思えません。
何度も述べてきたように それぞれの事件に関わる登場人物や時間軸が 二つの事件の結びつきを見せ付けているからです。
新たに公開するのは そうした二つの事件の結びつきを証明する佐藤梢Aさんの父 佐藤隆さんの証言VTR。 2008年7月2日午前5時頃、隆さんは 岩手県警宮古警察署の警察官を名乗る男性から連絡を受け こう聞かれました。
殺害された佐藤梢Bさんの自宅に遺体発見の知らせが届いたのは それからおよそ12時間後の2008年7月2日午後5時から6時頃。 要するに岩手県警は、「殺人事件」と「恐喝事件」を結びつけていたからこそ 同姓同名の別人である佐藤梢Aさんの家に、かくも失礼な方法で 安否の確認をしたに相違ないのです。 そして岩手県警は、同姓同名の佐藤梢が存在することを認識せぬまま 同日午前10時、鵜の巣断崖から連絡してきた小原勝幸を見放した---
佐藤隆さんのコメント
今回の事件に関して 今までの全体の事件を感じて すごい疑問がいっぱいあります。
実際、警察が小原勝幸を犯人と断定した理由が明確になっていない。 それなのに警察は勝幸を犯人だとして指名手配した。
右手をケガした勝幸には、(被害者の)首を絞めて殺せる状況にはなかった。 もうひとつは、うちの娘(梢A)ではなくて、もう1人の娘(佐藤梢B)の方に流れ、 勝幸が梢Bを誘いだし、なぜ殺したのか。 その理由が明確になっていない。
勝幸には、梢Bを殺す動機がない。 梢が同じ地域に、同じ苗字、同姓同名が2人いたことを警察は分かっていなかった。 これは大きな原因。
記者会見の時にも話しましたが、遺体の身元が判明する12時間も前に、 うちに 死んでませんか? 生きていますか? と、連絡をよこしたところで、警察が初めて、 「別人なんだ」と、わかった。
ひとつおかしいのは、事情聴取しているのに流れがかみ合っていない。 警察の中でのお互いの連絡が取れていない。
その件(警察から連絡があった)に関しては、 朝早く、確実に連絡をよこしていますから、私が受け取ってますので、 受け取った本人が「宮古署」という名前とお宅のお嬢さんを生きていますか? という言葉を確実に聞いていますので、 その話は、うちの娘(梢A)にもしたし、 「おかしいな」 警察は多分、遺体の関係(同姓同名)から間違っているんじゃないか? という話はしました。
それは確実に私的にも受けていますし、 受けている本人がウソつくわけがないし、 それを警察がウソをつくと言うことは、警察自体が隠していることですから…… もう隠し入っているじゃないですか!
おかしいですよね警察は! だって言ったことは事実ですからね。 名前までは聞きませんでしたが、「宮古署ですが」ということで連絡が来ていますから。
うちの電話番号をその時点でわかっているのは、 あの時の絡みで言えば、うちの娘の電話番号知っていたのは久慈署なんですよね。 それなのになんで「宮古署」から来るのかというのが、うちは不思議でしたよ。
(小原が脅されていた)恐喝事件は久慈署の扱いです。 あの事件が起きて、宮古署から連絡が来ること自体 「うちの電話番号をどうやって知ったの?」 というのが不思議です。
当時の刑事にも話しましたからね。 宮古署から朝5時頃連絡が来たんだけど…と。 刑事は、 「おぁそうなの」 という感じでしたから刑事さん達も(宮古署から)連絡があったことを知らなかった。 警察の連携の中のミスだと思いますよ。 情報を(自分たちで)バラしてしまった。 うちの娘が死んでいれば、 「当たり」なんでしょうけどたまたま生きていた。 警察もその時点で「ヤバイ・間違った」と、いうことなんでしょうね。
(自分たちで)情報を漏らしてしまった。 一つの失敗、ミスなんでしょうね。そのために隠しざるをえなかった。
まず、今回の事件の流れで、身内しか知らない部分もあるんですが、 (08.6.28)梢Aが帰ってきて、カツ(勝幸)が右手をけがしたという話はすぐに届きました。その時点で、カツはあの時、多分ガソリンがないので、盛岡から宮城には来られないだろうと考えていました。 ところがたまたま来てしまった。
「なんで来る必要があるのか」という疑問があります。 しかしそれが解明されていない。 それから、勝幸が梢Bを連れ出し、梢Bが殺されるまでの勝幸の行動と、実際に勝幸は右手をケガしていたので、被害者の首を絞めて殺したという警察の説明が合っていない。
自殺偽装の部分に関しても同じ事が言えます。 うちの娘が、勝幸から「これから死ぬ」とメールを受け取り、 それを警察に連絡したのに、警察は動かなかった。そして、次の日に遺留品が第三者に発見された。 多分、警察署のパフォーマンスなんでしょうけど、死体がないかと現場を調査した。でも遺体は見つからなかった。それで勝幸を犯人にしちゃった。 都合が良かった。全然、動機+行動、殺害時間がはっきりしていない。
マスコミは この事件に関係のない娘の素行まで調べてました。 そういうことまで調べる必要はないだろ。 同じことは、梢Bにも言えますね。被害の特徴を出して(報道)しまったので。 ただ「遺体が発見された」だけでいいじゃないですか。 それを 「タトゥがある」とか無駄な情報まで出した。 そうすると第三者、まるで何も知らない人たちは、その報道を見れば、 「タトゥ入ってる、ミニだって、下は何もはいてなかった。殺されても当たり前じゃないか」という気持ちになりますよね。印象として。それが大きいので、そのような報道をすべきではなかった。 人権侵害ですよね。逆に死んだ方のね。
被害者は殺されて当たり前で、犯人は勝幸。イメージ化されてしまう。 「中身は無しだよ、殺されて当たり前の少女が殺されて、犯人は彼だよ。小原だよ」 というイメージを植え付けられて、そのままという格好じゃないですか。
<08年6月28日> 佐藤梢Bさんが誘い出された当日について
うちの娘が帰ってきたのは夜の9時頃。私が(駅まで)迎えに行ってます。 梢Aの携帯に(梢Bから)連絡があったのはわからなかったですが、そのあと自宅に電話がありました。私は初めて(梢B)からの電話を受けたので、 「あれ同級生?」 (梢A)が帰ってきたことをどうして知っているんだろう?と、一瞬不思議に思ったけど、 「まぁいいか」と思ってそのまま電話を娘に渡しました。
だからあとで考えると、本当に不思議なことですよね。 返ってきている事を分かっているはずのない人間から連絡をよこしているんですから。 それも、うちの娘は1年ちょっと、2年近く離れていますから、うちにいないことをわかっているはずなので、それが、帰ってきたと同時に電話が来るというのは、すごいタイミングのよさ。今思えば、不思議なことです。だから、よほどのことがあって、どうしても連絡しなければならないことがあったのかな?と……
ただ、梢Aに聞くとたいした内容じゃないので、わざわざ自宅にまで電話をよこす必要はないだろう。 ただ、何か言いたいことがあった…… だけど言えなかったって事はありますよね。
09年5月31日 岩手県警と岩手県公安委員会に「情報提供書」を提出した
気持ちを決めて「情報提供書」にサインしてこの事件を早く解決して欲しいとやったわけですが、実際に行ってみて、岩手県警の「受け取り方」重要視していないっていう「受け取りかた」を立ち会いした中で感じました。 この場で受け取るの? 狭い部屋で、ただ密室に詰められた状態で、 「はい受け取りました」 「ありがとうございました」
あれだけ報道陣がきて、あれだけ発表して、会見が終わった後もいろいろと情報提供したのにもかかわらず、報道は地方紙のみ。地方ローカルのテレビに夕方ちょっとだけ放送されたぐらいであとは音沙汰無し。 すごい不思議ですよね。
なんか、これだけの事件、あれだけ騒いだ事件が収縮されて、本当の一部。 岩手県の事件なんだけど、岩手県も重視していない。 「この事件は終わったんだよ」 「あとは時効を迎えればいいんだよ」 みたいな感覚を受けています。
そのためにこのまま音沙汰無しではだめだと、やっぱり、何らかの形で、私たちが立ち上がった以上にマスコミにも取り上げて欲しいし、もう少し真剣になってこの事件の洗い出しをしてもらいたいと思います。
※佐藤隆さんは、昨年(2009年)5月13日 岩手県警・岩手県公安委員会・警察庁・国家公安委員会 に「情報提供書」を提出した9名の中の1人です。
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