平成30年10月20日(土)、山口市天花の菜香亭と十朋亭を訪ね、近代日本の歴史を振り返った。菜香亭は、山口の迎賓館として、明治10年から120年余かけて親しまれた料亭菜香亭を、平成16年に移築復元されたものである。百畳の大広間には総理大臣9人を含む29名の書が掲げられている。いずれも菜香亭を利用した際に揮毫されたものである。庭は大正時代の池泉鑑賞式庭園が移築されている。
三条実美「快作楽」(かいをたのしみとなす)
何事も気持ち次第で喜びとなるという意。
木戸孝允「清如水平如衡」(きよきことみずのごとく たいらかなることはかりのごとし)
宋史の一節で、清潔で公平という意。
伊藤博文「一家天地自春風」(いっかのてんち おのずからしゅんぷう)
皆が一つになったらおのずと春風が吹くという意。
井上馨「四面菜香滌気心」(しめんのさいか きごころをあらう)
菜香亭にきて心身ともに清々しくなったという意。
十朋亭は、幕末期に長州藩を影で支えた豪商「萬代家」の離れで、藩庁が萩から山口へ移鎮されてから、木戸孝允・高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文・井上馨など長州藩の藩士たちが寝泊まりする宿舎として利用された。隣の「杉私塾」は、吉田松陰の兄・杉民治が明治の初めごろに私塾を開いた場所である。